第49回日本アカデミー賞にて、映画『爆弾』での怪演が評価され、最優秀助演男優賞を初受賞するなど、いま最も注目を集める俳優・佐藤二朗。このたび、脚本家・映画監督としても活躍する佐藤が初の漫画原作を手掛け、脚本・主演を務める、映画『名無し』の本予告映像が公開された。
鬼才・佐藤二朗が映画にすべく執筆するがその過激なテーマと特殊な世界観ゆえに、お蔵入り寸前となっていたオリジナル脚本が編集者の目に留まり、永田諒の作画によって漫画化した「名無し」。数奇な運命を背負い“名前のない怪物”と化した男の希望と絶望、そして狂気を描破するこのサイコバイオレンスは好評を博し、“映像化不可能”の烙印を覆し昨年10月、瞬く間に映画化が決定した。
自ら生み出したキャラクター“名無し”を演じるのは、『爆弾』で冴えない中年男の皮を被った知能犯・スズキタゴサク役を怪演し、日本アカデミー賞はじめ、様々な映画賞を席巻している佐藤二朗。得体の知れない人間を演じさせたら右に出る者はいない唯一無二の個性と、セリフを徹底的に排除し、これまでのパブリックイメージを真っ向から覆す“静”の狂気を体現した。共演には、近年俳優としての評価を高め続ける丸山隆平、タレントの枠を超え女優、プロデューサー、実業家としても活躍するMEGUMI、同じ演劇畑出身の佐藤の熱望に応えて駆けつけた佐々木蔵之介が名を連ねた。そして『悪い夏』『嗤う蟲』などで知られる当代屈指の映画職人・城定秀夫監督が劇中に仕掛けられた謎とタブーに潜む深い闇をえぐり出す。
このたび公開された本予告映像では、白昼の商店街に現れた男=“名無し”が、右手に握った“見えない何か”を振りかざし無差別大量殺人を行う衝撃のシーンから始まる。凶器不在・推定無罪の犯行に翻弄される警察組織。止まることのない犯行に、刑事・国枝(佐々木蔵之介)は苛立ちを募らせる中、やがて謎の男“名無し”の過去の情報がもたらされる。
そこから映像は一転、これまでベールに包まれていた“名無し”の過去にまつわる断片が、フラッシュバックのように映し出される。38年前、警察官の照夫(丸山隆平)によって保護された右手を縛った少年、触れただけでタンポポが消え、枯れてしまうという常識を逸脱した現象、幼い頃から行動を共にしてきた花子(MEGUMI)の叫び、右手の謎を知ってしまった照夫の運命、意味深な記憶の断片が積み重なる。未曾有の怪物“名無し”はいかにして生まれたのか? そして映像の随所で強烈な印象を残す“右手の存在”が本作最大の謎として観る者の想像力をかき立てる映像となっている。正体不明、動機不明、理解不能――。そのすべてを内包した“名無し”の狂気が、いま、輪郭を現し始める。佐藤演じる“名無し”が人間の理性の枠を逸脱した狂気をまき散らす衝撃の内容となっている。
