『人が辞めないチームのリーダーが「年度はじめ」にやっていること』

それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。AI時代の組織で必要とされるのは「スキルがある人」ではなく、社内や社外と上手に協力できる「協調性がある人」だと言われている。「チームで働くコツがわかった」「仕事仲間との関係性が良くなった」と話題の一冊から、「他者と協力して結果を出すためのコツ」について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)


人が辞めないチームのリーダーが「年度はじめ」にやっていること・ベスト1Photo: Adobe Stock



「方向性」が曖昧なまま踏み出すチームは崩れやすい

 年度はじめは、人事異動や新体制のスタートなど、チームの環境が大きく変わるタイミングだ。


 この時期にありがちなのが、「とりあえず目の前の仕事から始めよう」という進め方。


 すると、こんな状況が生まれてしまう。


「今年のチームの方針って何ですか?」

「この仕事は何のためにやっているんでしたっけ?」

「結局、どこを目指しているんですか?」


 方向性が曖昧なまま仕事が始まると、メンバーは不安を感じる。


 その状態が続くと、チームへの納得感が薄れ、モチベーションも下がっていく。


 年度はじめに方向性を共有しないチームほど、人が辞めやすくなるのだ。



人が辞めないチームは「ビジョン」を共有している

 他者と働くコツをまとめた書籍『チームプレーの天才』では、チームをうまく進めるために重要な要素として「ビジョン」の共有が挙げられている。


共創。すなわち、他者と共にものごとを進めていくこと。これをうまく進めるには、チームの全員で同じ景色を見ていく必要があります。

――『チームプレーの天才』(32ページ)より


 この「同じ景色」をつくるのが、ビジョンだ。


 同書によると、ビジョンは大きく2つのタイプに分かれるという。


 一つは、自分たちで描く「創るビジョン」。

 もう一つは、会社や経営陣から示される「与えられるビジョン」だ。


 どちらの場合でも重要なのは、メンバーがその意味を理解し、納得しているかどうか。


 単に方針を伝えるだけではなく、「なぜこの方向なのか」「この1年で何を目指すのか」を共有することで、チームの一体感は大きく変わる。



年度はじめは「ビジョン」を再確認しよう

 『チームプレーの天才』では、ビジョンが曖昧なままチームを進めると次のような問題が起きると指摘されている。


(あなたが)他者を巻き込めない

(相手が)関わり方がわからない

(相手が)気持ちのおき方がわからない

(組織全体的に)意思決定できない

(組織全体的に)目指す方向とやっていることのズレを認識/修正できない

――『チームプレーの天才』(34ページ)より


 これらはすべて、人が辞めていくチームの典型的な兆候でもある。


 だからこそ、人が辞めないチームのリーダーは、年度はじめにビジョンを再確認するのだ。


 既存のビジョンがあれば、それをメンバーが腹落ちする形に言語化し直す。

 曖昧であれば、チームで新たに描き直す。


 同書でも、次のように述べられている。


チームプレーの天才は、ビジョンが不在のまま、腹落ちしていないままの状態を放置しません。あなたがリーダーとなって、しっかりとビジョンを描き、かつチームや関係者の理解や共感を得て動機づけをしましょう。

――『チームプレーの天才』(35ページ)より


 この一手間が、チームの納得感と安心感を生む。


 メンバーは「このチームで働く意味」を理解し、自分の役割を見つけやすくなる。


 年度はじめは、まずチームが目指す方向を揃える。


 それが、人が辞めないチームをつくる最初の一歩なのだ。


(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の内容を引用したオリジナル記事です)

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