
まだテレビに「無茶な面白さ」が許されていた、あの頃の話だ。
当時『演歌の花道』が看板番組だったテレビ愛知で、突如として音楽ファンの中高生たちがスタジオを埋め尽くした日がある。
仕掛けたのは、若き日の私だった。
テレビ局の社員というのは、営業部員であっても、制作以上にクリエイティブな仕事ができる瞬間がある。
「番組企画が特技」という、少し変わった営業部員。それが若き日の私だ。
私がテレビ局に入り、「テレビの仕事はやっぱり面白い」と確信した――
その原点が「宮原学のMVツアー」公開録画にまつわる、熱いエピソードである。
「営業部員」のオレが、番組の心臓部を握っていた
以前も書いたが、テレビ愛知自社制作の音楽番組『MVツアー』を企画したのは、私とレコード会社のF氏だ。
しかし私の肩書きは、あくまで「営業部員」。
テレビ画面に流れるスタッフロールに、私の名前が出ることは一度もなかった。
プロデューサー(P)でもディレクター(D)でもなかったからだ。
だが実態は、少し違った。
番組の根幹となる企画、宮原学のブッキング、MVの供給、ゲストの調整――
そこまでをレコード会社と二人三脚で形にするのが、営業部員である私の仕事だった。
現場のPやDに託すのは、それを「収録し、放送用パッケージとして完成させる」という最終工程。
番組の「魂」を吹き込んでいたのは、間違いなく営業のデスクに座る私だった。
■営業部員から営業部員への「番組制作依頼」
ある時、同僚の営業部員M氏から相談を受けた。
「就職情報のA社が、若年層向けの番組を提供したいと言っている。
『MVツアー』の公開録画を特番にできないか?」
通常、テレビ局の構造でいえば、番組制作の相談は「編成」や「制作部」に持ち込むのが常道だ。
しかし当時の社内では、一つの事実が共有されていた。
「MVツアーはさんちゃん(当時の俺の愛称)の番組だよね」
■「さんちゃん、MVツアーの公録で特番作れないかな? A社がスポンサーになってくれそうだ」
営業部員が、隣のデスクの営業部員に番組制作を依頼する。
そんな奇妙で、しかしエネルギッシュなルートで、一本の特番が動き出した。
■中高生がスタジオを埋め尽くした日
『演歌の花道』が看板番組だった局に、MVツアーの公開録画で中高生が押し寄せた。
もちろん、実際にカメラを回し、編集し、放送に乗せるのは制作陣の仕事だ。
だが、番組の根幹である「企画」と「キャスティング」は、やはり営業部員の私が担っていた。
当初はレコード会社のプロモーション費をやりくりして、半ば無理やり始めた企画だった。
しかしその内容がスポンサー企業に評価され、ついには独立した特番制作にまで発展した。
■収録会場はテレビ愛知の第1スタジオ。
若者向け番組が少なかった当時のテレビ愛知において、その日は異様な熱気に包まれていた。
応募してきた中高生たちが、スタジオを埋め尽くしたのだ。
この番組において、キーマンは営業マンだった私だった。
俺が動かなければ、番組は制作も放送もされなかった。
1980年代半ば。テレビ愛知がまだ「新局」と呼ばれていた時代。
だからこそ、こんな無茶が現実になった。
■私にとっての「ガラスの遊園地」
『MVツアー』は、私にとって「ガラスの遊園地」だった。
テレビ局に入った以上、若者に刺さる番組を作りたい。
その夢は、営業部という畑違いの場所で実現した。
開局間もない局には、「無茶」が大手を振って通る自由さと楽しさがあった。
テレビ愛知という放送局の底力を感じた瞬間でもある。
もちろん、テロップに営業マンの名前は出ない。
私がその番組の生みの親であるという公的な証拠は、どこにも残っていない。
だが、確かにあの現場に、あの熱気の中に、私はいた。
あとがき
1980年代。あの頃の熱気は、今も私の中に消えずに残っている。
テレビ局を離れて久しいが、
元テレビマンのオレは、やっぱりテレビが好きなんだと思う。
テレビは、今でもワクワクする。
そして今、私がやりたいことは一つ。
北名古屋にドラマや映画のロケを誘致することだ。
今度は「ロケを呼ぶ男」になりたい。
そのための仕組みを、いままさに考えている。
みんなでワクワクする北名古屋を、一緒に作ってみませんか。
■村上さんせい ブログはこちら
ドラマはやっぱりテレビの王道だと思ってます。
北名古屋にそのロケを呼びたいのです。
□邦楽ミュージックビデオを約300分流した夏休みの話 MVツアー
【実録】僕がテレビマンだった頃
https://go2senkyo.com/seijika/197896/posts/1325457
□テレビ業界に関わったきっかけ【実録】僕がテレビマンだった頃
https://go2senkyo.com/seijika/197896/posts/1305759
□僕が北名古屋に「ロケ」を呼びたい本当の理由【実録】僕がテレビマンだった頃
https://go2senkyo.com/seijika/197896/posts/1312412
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【実録】僕がテレビマンだった頃|全話まとめ – 村上さんせい(ムラカミサンセイ) | 選挙ドットコム
