「映画.com」における、あまりに多く、あまりに絶賛寄りのレビューはいわゆる「シンパ」による組織票、というのがセオリー。
前作公開時にも感じた、あまりにあからさまな活動はどうかと思うが、今回も映画のクオリティとは別の話。
前作の印象は、キャラクターの造形や画面構成・色使いなど、ビジュアル的な面ではすごくいいけど、MV的な音楽や講談のような節回しなど「オレ、こんなギミックも使えるぜ」的な「ドヤ顔」感と「冗長さ」、社会風刺の説教くささが若干引っ掛かってしまい、面白いとは思うがこれがやはり西野さんの影響なのか、アクの強さも目立つ作品だった。
さて、そして本作。
公開最初の日曜日、客席は家族連れが中心ではあるが前作の客入りを思い出すと若干寂しい感じなのかな。
西野さんがあんなにプロモーションしてるのに、なかなか難しいものよね。
観賞しての感想。
いやいや。侮っておりました。
とっても良かった。
泣きました。
前作を終えて、日の光の中の生活が始まったえんとつ町の人々。
再びやってくるハロウィンを前に、主人公ルビッチはひょんな事故からおかしな世界に迷い混んでしまう。
元の世界に帰るために、この世界「千年砦」の中心にそびえる時計台の時計を動かすことを命ぜられる。
ルビッチはこちらで出会った相棒ネコの「モフ」と力を合わせて時計修理のための冒険が始まる。
この世界で他者との関わりを通じて自分を見詰め直し、新たな一歩を漕ぎ出すルビッチ。
プペルとの再会を願う彼に起きる奇跡とは。
「えんとつ町のプペル」というそもそも完結していた物語に後から付けた世界観なので、舞台となる今回の世界については「結局ココはなんなの?」というフワフワとした疑問は残る。
それでも前作で気になった「これ見よがし感」「アクの強さ」はかなり排除され、良い意味でも悪い意味でも『王道のファンタジー』に仕上がっていた。
途中、ストーリーがルビッチから離れて行き、「これ何の映画?」という瞬間があるが、その違和感がいわば「時系列的なミスリード」だったと知った時、冒頭から散らばったピースが回収され、見事に最後へ向けてまとまっていく気持ち良さ。
(思い出せば、作品冒頭から様々なピースがばらまいてある)
私は恥ずかしながら、2ヵ所で涙腺を刺激され、3ヵ所目でついに決壊してしまった。
繰り返しになるが、前作の様な「クセ」がほとんどなく、最近ではディズニーでさえここまで友情や愛情のみに振り切った作品は作らなくなった中での純粋王道ファンタジー。
声優陣はもうお見事としか言えない。
前作の配役(特に主役周りの芸人さん)は私には正直すごくノイズになった印象が強い。
今回、後任となった永瀬ゆずなは言うまでもなく、MEGUMI・小芝風花・土屋アンナなど、新キャラの全てが上手だった。芸人さんも違和感は感じなかった。
ルビッチのパーソナリティに少しバリエーションを加え、相棒モフのキャラクターも魅力的。このバディ感が私には前作よりも楽しめた最大のポイントだった。
事前に東野さんの出演について話題があったが、必要以上に作り込まずこの違和感もうまく物語に織り込んでいた。ま、変だったけどね。
ひとつ気になったのは、前作でゴミ人間のプペルって結果として亡くなったお父さんの宿ったキャラクターだったはずで、「友達」というより「親子」のイメージで終わってたから、今回は最初から「友達」のイメージなのはちょっと気になった。
それとモチーフになったHYの「366日」。
これも、登場キャラに歌わせるならオリジナル曲で良かったのでは、とも思う。どうしてもボーカルの仲宗根さんが浮かんじゃうのよね。
いやいや。
そんなのは些末なこと。
まさに大人から子供まで楽しめるファンタジー。
また次回作を観たい私としては皆さんも家族や大切な方と劇場で楽しんで頂きたい。
