【森竹ひろこ(コマメ)の活動報告④】 広島講演会ブラサー・ファップ・ユン師 講演録「平和を生きるマインドフルネス」のご紹介
こんにちは。『サンガジャパン+ Vol.4』編集スタッフの森竹です。現在クラウドファンディング中の『サンガジャパン+ Vol.4』に掲載される、注目記事をご紹介します。
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本号では、エンゲージド・ブッディズム(社会参画する仏教)の提唱者、故ティク・ナット・ハン師の高弟の一人であるブラサー・ファップ・ユン師による講演録を掲載しています。この講演は、2024年3月に世界各地のティク・ナット・ハン師のもとで修行を積まれた僧侶が来日された「マインドフルネス ジャパンツアー2024 Being Peace ~平和を生きる」の一環として、広島国際会議場で行われたものです。
私も取材を兼ねて参加し、その教えを肌で感じてきました。
■体験から生まれた言葉の説得力
元アメリカ・ディアパーク僧院長で、シニア・ダルマティーチャー(導師)のファップ・ユン師。暴力が吹き荒れた文化大革命下の中国からベトナムへ逃れた祖父と父を持ち、少年時代にはベトナム戦争の混乱の中、家族と命がけでアメリカへ渡り、難民として葛藤を抱えられたこともあったそうです。その半生は現代社会が抱える多くの問題を内包しており、師が語る「平和」という言葉には体験に裏打ちされた説得力が宿っていました。
■平和は、自分の中から生み出すもの
講演は、現代を生きる多くの人々が抱く、ある切実な問いから始まりました。
「今でも世界のどこかで戦争が続いていて、家族が殺され、家が爆撃されています。延々と武器が製造されて戦争が続く中で、『なぜ、平和運動が必要なのか? そんなことをして何の意味があるのか?』と疑問を持つ若い人たちもいます」
この問いを皮切りに、師は「平和とは外に何か求めるものではありません。どこかに平和な状態があって、それを得るのではないのです。平和や幸せは、自分の中から生み出すものです」と師匠であるティク・ナット・ハン師の言葉とともに、内なる平和を養うためのマインドフルネスの実践を紹介されました。
一人ひとりが平和を築いていくことの大切さと、その具体的な方法を伝えられたファップ・ユン師。平和を築くその第一歩は、誰もが日常生活の中で今すぐ始められること。講演は「どうぞ、一人ひとりがピースメーカー(平和を築く人)になってください」という言葉で締めくくられました。会場は温かな感動に包まれ、心の中の平和を感じるひと時となりました。
■【余談】原爆ドーム川沿いでの祈りと歩く瞑想
原爆ドーム
1945年の原子爆弾の惨禍を伝える「原爆ドーム」。
チャンティングは原爆ドームの向かいの遊歩道で行われた。講演会の後には深く印象に残る出来事がありました。原爆ドームも前の川沿いで、名門マーラー室内管弦楽団のバイオリニストだった日本人のシスター・チャイが「被爆バイオリン」(※1)を奏で、僧侶方が南無観世音菩薩のチャンティング(読誦)を捧げられたのです。
※1「被爆バイオリン」帝政ロシアから日本へ亡命した音楽教師セルゲイ・パルチコフ氏のバイオリンで、広島の自宅で被爆。二度の歴史的災難を体験したバイオリンとして後に修復され、現在は日本だけでなくウクライナをはじめ世界各地で演奏され、平和のメッセージを伝えている。
原爆死没者慰霊碑
歩く瞑想では原爆死没者慰霊碑の前で止まり、祈りの時間も持たれた。
石碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」の言葉が。
その後、僧侶の方々と参加者が列になり、広島平和記念公園の周辺を「歩く瞑想」で巡りました。一歩一歩、土を踏みしめる感覚と自らの呼吸に意識を向けていく。言葉を超えた祈りのようなつながりが、公園に集う人々を静かに、そして深く包み込んでいくような特別な時間でした。
講演の冒頭部分は『WEBサンガジャパン』でも公開されています。
(https://online.samgha-shinsha.jp/contents/18a4d49087b2)
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トップの画像は、チャンティングの時(撮影規制のない時間)に私が撮影した写真を、さらにパステル調のイラストに生成したものです。厳かな祈りの中にも、平和への希望が感じていただけたら……
冒頭の問いがより切実に響く2026年の今、多くの方に読んでいただきたい講演録は『サンガジャパン+ Vol.4』に掲載されます。
平和の根本を問う一冊ともなった本誌へのクラウドファンディングへのご支援を、よろしければお願いいたします。
https://camp-fire.jp/projects/929144/view?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_projects_show
ぜひご支援をお願いいたします!2026年3月29日(日)23:59まで!
