Interview & Text:柴那典
DEZERTが2026年2月28日にデジタルシングル「「音楽」」をリリースした。同曲は、同じマーヴェリック・ディー・シー・グループに所属する先輩であるKen(L’Arc-en-Ciel)をプロデューサーに迎えて制作されたナンバー。自らが音楽に向き合う姿勢を歌うメッセージソングだ。
2024年12月27日の日本武道館ワンマン公演「君の心臓を触る」を経て、初の47都道府県ツアー【あなたに会いに行くツアー】を敢行したDEZERT。ツアーのさなかに制作が進められた「「音楽」」は、Kenプロデュースのもと、メンバーそれぞれが自身の演奏と向き合う濃密なレコーディングを経て完成した。制作過程に密着したドキュメンタリー『僕らの“音楽”について ~終わらない葛藤の先へ~』がU-NEXTにて配信されている。
3月20日の幕張メッセイベントホールでのツアーグランドファイナル【僕らの音楽について】を間近に控えた4人に、「「音楽」」の制作秘話、47都道府県ツアーを経ての心境の変化、Kenプロデュースから得たもの、そして幕張メッセへの思いを語ってもらった。
直接足を運んで「ありがとう」と伝えたかった
47都道府県ツアー
――この曲はどんなきっかけから生まれたんでしょうか?
千秋:まず、ライブでの最後の曲を作りたいっていうのがあったんですよ。武道館までは「TODAY」、今回の47都道府県ツアーの途中からは「僕等の夜について」だったんですけど。で、今回のツアーが始まって、このバンドはどうライブを終わりたいかを考えた。いい感じに終わるか、ガーッで終わるか。中途半端には終われないじゃないですか。で、僕はその時にメンバーの顔を思い浮かべたんです。これまではそういう風にして曲を作ったことはなかったんですけども、SORAがこういう風に叩いて、Miyakoがこういう風に弾いて、Sacchanがこういう風に弾いてるっていうイメージから始まったんですね。ツアーが始まった時から作り始めて。幕張に持っていきたいというのも、6、7月くらいからずっと思っていました。
――みなさんがデモを聴いたファーストインプレッションは?
Sacchan:僕は普段は歌詞から入るタイプじゃないんですよ。俯瞰で音楽を楽しむほうで。でも、この曲に関しては「今、この言葉を大事にしてるんだろうな」みたいなワードが自然と入ってきて。「これ、どうしようかな」と思ったのが正直なところですね。バンドの大事なタイミングに出すべき曲だし、その方向に持っていくにはどうしたらいいんだろうっていうのが、最初に聞いた時に思った感想でした。
Miyako:千秋君が今言った「メンバーの顔を思い浮かべて作った」っていうのが、聴いた時に伝わってきて。結構、俺が弾きそうなフレーズがデモで入ってたんですよ。きっと俺が弾いてるところをイメージして入れてくれたんだろうなっていうのは感じましたね。
SORA:苦しかったです。切ないっていうか。幕張メッセで演奏した時にそれがどういうことかわかるんじゃないかと思います。
DEZERT – 「音楽」/ Ongaku (Official Music Video)
――振り返って、武道館公演を終えた時の心境を教えてください。その時に47都道府県ツアーの開催も告知されたわけですが、それに向けての思いはどんな感じでしたか?
SORA:47都道府県ツアーは、たしか武道館の半年前ぐらいに僕が提案したんです。僕自身は「武道館でやった」っていうよりは「やらせてもらった」「連れてきてもらった」という感覚があって。俺たちだけの力ではないと思っていたので、直接足を運んで「ありがとう」と伝えに行くべきだと思って、みんなに話しました。で、47都道府県ツアーを回っている時は、やっぱバンドって面白いもんで、いろんなことが自分の心に入り込んでくるんです。でも、懸命にドラムを叩くっていうことしかできなかったですね。それはいいことでもあるんでしょうけど、良くないことでもあると思うし。去年思い描いた「ありがとう」は言えたとは思いますけど、もっといろんなやり方もあっただろうなとは思っています。
Miyako:最初、47都道府県ツアーをやる話が出てきた時は、どっちかと言ったら俺はちょっと反対派だったんです。今のバンドスタンスで47箇所を回った時にどうなるんだろうっていう怖さがあった。でも、やっぱり今このタイミングで感謝を伝えに行こう、と。行ったことない場所に行けるのも幸せなことだし、まだ出会えてない人に会える可能性だってあるし。武道館が終わった後、楽屋とか打ち上げでも、未来に向けての話がメンバーの中で出てきた。それもあって、最初は怖さだったものが希望に変わっていった印象はありますね。
Sacchan:同じテーマで追加公演まで入れて約50本ライブをやるという経験はなかったので。今までのDEZERTだったら10本くらいでセトリが出来上がる。その5倍の本数をやるとなると、どうしたら、ただライブをやっている感じではなく、バンドを前に進めていけるんだろうって。それをずっと考えながらやっていたというのが正直なところかもしれないですね。
――千秋さんはいかがでしたか?
千秋:たしか47都道府県ツアーより前に幕張が決まってたんです。幕張メッセがあるからのツアーだったんですね。で、「次は幕張メッセだ」となった時に、プロセスが思いつかなかった。そもそも僕は武道館やることもちょっと反対だったんです。確実に燃え尽き症候群になる、と。いくら俺たちが「ここは到達点ではない」と言ったところで、10年以上やってきたバンドが武道館でやるっていうことは、歴史の標識になるわけですよ。どう言ったって第1章が終わってしまう。そのことがわかっていた。だから「どうしよう」って。SORA君にも相談して「V系って知ってる?」をやろうかとかいう話も出るくらい悩んだ。つまり今思うと、めっちゃ実力が出る日やなと思ったんですよ。で、僕らは経験上、デカい箱でやれば映えるっていうバンドじゃないんです。そこに付随するストーリーをファンと共有して、それでようやく見に来てくれるっていうイメージでずっと活動してたんですね。47都道府県ツアーをやったぐらいでストーリーができるのかなっていうのは、実は今も思っています。なので事務所的には「2回目のアリーナ」って言ってますけど、僕は全く別物として捉えていて。今までの感覚にないライブへの臨み方というモチベーションがあるんですよ。
――というのは?
千秋:こんなこと言うとあれですけど、47都道府県ツアーはもっと苦戦するはずだったんですよ。チケットを伸ばすためにプロモーションして、それが新規のファンに繋がるという考えもあったんですけど、ほぼソールドしちゃった。だから「あれ?」みたいな感じで。それとは別に、「「音楽」」という曲をどうやってみんなに届けようかをロジカルに考えた。それで悩むだろうなと思った通りになりましたね。
リリース情報
公演情報
【DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL 「僕らの音楽について」】
2026年3月20日(金・祝)千葉・幕張メッセ イベントホール
OPEN 16:00 / START 17:00
チケット:
全席指定 7,000円(税込)
ファミリー席 大人 7,000円(税込)、子供 5,000円(税込)
海外用チケット 7,000円(税込)
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