東京のファッションシーンにとって、いまや年に2度訪れる風物詩となった「Rakuten Fashion Week TOKYO(楽天ファッション・ウィーク東京)」。ストリートとハイエンド、伝統と革新が交錯するこの舞台は、単なるコレクション発表の場ではなく、次世代の価値観や美学がリアルタイムで更新される現場だ。今季も、国内外から注目を集める全33ブランドが参加し、東京ならではの熱気を放っている。そんな中、『Hypebeast』では独自の視点でフィーチャーすべきブランドをセレクト。

単なるルックの紹介やトレンドの分析にとどまらず、デザイナー自身の言葉からそのクリエイションの核に迫る短期連載企画を敢行する。題して“東京デザイナーに訊く10の質問”。創作の源泉から日常のインスピレーション、そして未来のビジョンに至るまで、彼らのパーソナリティを掘り下げることで、ランウェイの向こう側にあるストーリーを明らかにしていく。

本稿では、“Chaos in shimmer through the veil of order(秩序の花々の間からほのかにゆらめくカオス)”をコンセプトに掲げるファッションブランド〈VIVIANO(ヴィヴィアーノ)〉のデザイナー ヴィヴィアーノ・スー(Viviano Sue)にフィーチャー。中国とアメリカにルーツを持つヴィヴィアーノ氏は、2014年に東京・渋谷の『文化ファッション大学院大学』を卒業後、2016年には前身の〈VIVIANO SUE(ヴィヴィアーノ・スー)〉をスタートした。その後、数シーズンを経て2020年秋冬シーズンに現在のブランド名に改名し、2022年には「TOKYO FASHION AWARD」を受賞している。

毎シーズンのラインアップで特徴的なのは、チュールやフリル、リボンなど心躍るようなロマンティックなディテールを備えたアイテムたち。それぞれにはフラワーモチーフや大胆なパターン、鮮やかなカラーリングが散りばめられており、〈VIVIANO〉にしか表現できないそのデザインが人気の秘訣だ。また、2025年春夏シーズンからはメンズラインもスタートし、それまでに確立してきた“VIVIANOらしさ”を崩すことなく、見事にメンズ服に昇華。遊び心がありながらも、美しいテーラリングとワイドめなシルエット、洗練されたスタイリングで再構築している。

さらに、ここ最近ではバッド・バニー(Bad Bunny)の来日公演やレディー・ガガ(Lady Gaga)のツアー衣装に加えて、ハドソン・ウィリアムズ(Hudson Williams)がオスカー プレパーティーにて〈VIVIANO〉のアイテムをスタイリング。各界のスターがこぞって着用していることで、世界的な注目度も高まりつつある。

Q1. ブランドを始めたきっかけは?

BFGU(文化ファッション大学院大学)を卒業後、デザイナーズブランドの就職の面接を受けましたが、残念ながらうまくいきませんでした。それなら自分でブランドを始めてみようと思ったのがきっかけです。

Q2. VIVIANOの強みを教えてください。

強いデザインと確かな構造が、私たちの強みだと考えています。どのようなデザインであっても、服としてしっかり成立させ、日常の中で着用できる形に落とし込むことを大切にしています。

Q3. ファッションの仕事に興味を持ったのはいつ頃ですか?

子どもの頃から絵を描くことを学んでおり、将来は何かを創作する仕事に就きたいとずっと考えていました。大学ではファッションではなくグラフィックデザインを専攻していましたが、日本に来て進学先を迷っていたときに、Alexander McQueenの2009年秋冬コレクションのショーを観て大きな衝撃を受けました。──その瞬間、「自分はファッションの道に進みたい」と強く思いました。

Q4. 2026年秋冬シーズンのコレクションテーマをひとことで表すと?

定義できないもの。

Q5. 今季のデザインを進める上で、特にインスピレーション源となったものがあれば教えてください。

視覚的なイメージから発想するのではなく、日常生活の中で考えていることが少しずつ蓄積されていきます。そして、ふと頭の中に浮かんできたもの、そのものがインスピレーションになっていきます。

Q6. 今回使用した生地や素材において、特にこだわったポイントは?

今シーズンは、オリジナルで製作した生地の割合をこれまで以上に高めています。生地屋に残されていたアーカイブの生地をもとに、使用する糸を変えて再構築するなど、新たなアプローチで生地づくりに取り組みました。

Q7. 今季のコレクションを通して、観客や着る人にどんなメッセージを届けたいですか?

自分らしくあること。

Q8. 東京ファッションウィークという舞台で発表する意義をどのように感じていますか?

東京はとても国際的で、多様性にあふれた都市だと感じています。外国人である私もこの街に受け入れてもらい、ここで多くの仲間と出会うことができました。そうした環境の中で、自分のアイデアを表現することができています。だからこそ、東京を拠点に活動するブランドとして、この街でコレクションを発表することには特別な意味があります。世界に向けて、東京のローカルな才能やクリエイティビティをもっと知ってもらえたら嬉しいです。

Q9. 尊敬する(あるいは共感する)アーティストやクリエイター、デザイナーさんがいれば教えてください。

私に最も大きな影響を与えたデザイナーは、アレキサンダー・マックイーンとジョン・ガリアーノです。彼らの存在があったからこそ、私はファッションの道を志すようになりました。

Q10. ブランドの今後の展望、または挑戦してみたいことはありますか?

今年は、ブランドをヨーロッパやアメリカの市場へ広げていくための準備を進めています。約一年ほど準備を重ねた上で、来年はパリで展示会を開催できればと考えています。また、世界的なアーティストのためにステージ衣装を制作することも、実現したい目標のひとつです。より多くの人に私たちのブランドを知ってもらい、私たちならではの視点やスタイルを感じてもらえたら嬉しいです。

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