「財前先生の発言は嘘だ。検査を申し出たのに却下されたんだ」。傍聴席の柳原(伊藤英明)の叫びに法廷は色めきたった。柳原は退廷させられたが、関口(上川隆也)は、即座に柳原の証人尋問を求めた。当然、国平(及川光博)は「責任回避の発作的発言に過ぎず、証言の必要なし」と応じ、猛反対する。裁判長(戸沢佑介)は、法廷秩序を守るという理由で、柳原の証言は認めなかった。財前は国平とうなずきあい、関口はよし江(かたせ梨乃)らと悔しがった。すると、関口らに近づく人影があった。君子(西田尚美)である。「今からでも遅くないでしょうか」柳原の行動を目の当たりにして、証人の決意を固めたのだ。国平はその様子を陰から見詰めていた。財前側の反省会で国平は財前に問うた。「亀山君子に何か握られていませんか。新しい物的証拠とかも…」財前は、君子がカンファレンスに同席し、記録を取っていたことを思い出した。

©共同テレビジョン 原作:山崎豊子「白い巨塔」(新潮文庫 刊)

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