■デビュー当時にセリフを忘れたペ・ヨンジュン、演出家として鍛えたのは誰なのか

 当時、ペ・ヨンジュンはテレビドラマを卒業して映画界に転身したいと考えていた。すでに彼のもとに届けられた映画のシナリオが100本もあった。映画の制作会社がこぞってペ・ヨンジュンにラブコールを送っていたのだ。

 そんなときにユン・ソクホ監督からドラマの出演要請があった。他の監督だったら、ペ・ヨンジュンも断っていた。

 しかし、ユン・ソクホ監督の依頼だけは断るわけにはいかなかった。なぜなら、彼こそが俳優人生を決定づけた恩人だったから……。

 実は、ペ・ヨンジュンのデビュー作である『愛の挨拶』(1994年)のメガホンを取ったのがユン・ソクホ監督だった。

 このドラマは複数の監督が共同で関わっていたが、たまたまペ・ヨンジュンのデビューシーンはユン・ソクホ監督が演出をしていた。

 人生最初の出演場面で素人同然だったペ・ヨンジュンはセリフを忘れるという失敗をした。ユン・ソクホ監督が烈火のごとく怒った。あまりの罵声にペ・ヨンジュンは衝撃を受け、自信を喪失してしまった。撮影現場から逃げ出したくて仕方がなかった。もしも本当に逃げていれば、後の人気俳優はいなかったのだが……。

 幸いに、ペ・ヨンジュンは逃げなかった。自分の至らなさを痛感し、2週間の間、セリフの練習に完全に没頭した。それから再びユン・ソクホ監督の前に立って、シナリオ通りに演技をした。

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