第98回アカデミー賞の授賞式が3月15日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、「ハムネット」のジェシー・バックリーが、主演女優賞初ノミネートにして初受賞を果たした。
本作は、「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督が、シェイクスピアの名作戯曲「ハムレット」の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いたドラマ。北アイルランドの作家マギー・オファーレルが2020年に発表し、英女性小説賞と全米批評家協会賞を受賞した同名小説を映画化した。
バックリーは、ロンドンを中心に舞台でキャリアを積み、映画初主演を飾った「Beast」(17)で、英国インディペンデント映画賞の最優秀新人賞を受賞。トム・ハーパー監督の「ワイルド・ローズ」(18)では、カントリー歌手を目指す主人公を瑞々しく演じ、圧倒的な歌唱力とともにその名を世界に知らしめた。「ロスト・ドーター」(21)で若き日の主人公を繊細に演じ、第94回アカデミー助演女優賞に初ノミネートされ、「MEN 同じ顔の男たち」「ウーマン・トーキング私たちの選択」(ともに22)などの話題作に出演している。
スピーチ全文は、以下の通り。
【ジェシー・バックリー】
本当にありがとうございます。これは本当に特別なことです。
私が今ここで肩を並べている、素晴らしい女性たちに感謝します。皆さんの芸術にも、皆さんの心にも、私は刺激を受けています。そして、ここにいる一人ひとり全員と一緒に仕事がしたいです。
私たちが立つこの船をつくってくれたプロデューサーたちへ、そして人生をともにする航海仲間たち、ヒルダ、ジェシカ、リンディ、ザック。あなたたちがいなければ、何ひとつ実現しませんでした。
私の家族、アイルランドの家族もみんな来てくれています。アイルランドが航空券を出してくれたんです。みんなどこ? お母さん、お父さん、夢を見ることを教えてくれてありがとう。そして、期待によって自分を決めつけられるのではなく、自分自身の情熱から人生を切り開いていくことを教えてくれてありがとう。
あなた、フレッド。愛してる。本当に愛してる。あなたは最高の父親です。あなたは私の親友。そして、あなたとの子どもをあと2万人くらい産みたい。本当に。
それから、まだ生後8カ月で、何が起きているかなんてまったくわかっていない、たぶんミルクの夢でも見ているであろう私の小さな娘アイラへ。これはね、とても大きな出来事なの。あなたを愛しているし、あなたの母でいられることが大好き。そして、あなたのそばで人生を発見していけるのが待ちきれない。
クロエ、マギー、皆さん。このまばゆい女性たちを知り、母の愛が持つ力を理解する旅をしたことは、私の人生で最も大きな衝突であり、出会いでした。
今日はイギリスでは母の日です。だから、この賞を母の心が抱える美しくも混沌とした世界に捧げたいと思います。私たちは皆、どんな困難の中でもなおつくり続けてきた女性たちの系譜の中から生まれてきました。
この役で私を認めてくださって、ありがとうございます。これ以上ない栄誉です。本当に信じられません。
(アイルランド語で)ありがとうございます。さようなら。
【作品情報】
・ハムネット
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写真:ロイター/アフロ
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