
最優秀主演男優賞を受賞した吉沢亮(右)はプレゼンターを務めた横浜流星と笑顔で抱き合う(代表撮影)
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第49回日本アカデミー賞の授賞式が13日、都内のホテルで行われ、李相日監督(52)の「国宝」が作品、監督など最多の10部門で最優秀賞に輝いた。
興行収入203億円を超え、邦画実写の記録を更新し続ける「国宝」が強さを見せつけた。作品賞で主演の吉沢亮(32)らキャスト、スタッフとともに登壇した李監督は「言うことが見つからないくらい(うれしい)。この場に立てた喜びは生涯忘れないでしょう」と感慨深げ。「本当に総力戦で、俳優たちの献身がなければ成り立たなかったし、スタッフの力がスクリーンの隅々までほとばしっている。だからこそ見る人の心を打ったのだと確信しています」と喜びをかみしめた。
主演男優賞の吉沢は、1年半に及ぶ歌舞伎の稽古で苦楽を共にしたプレゼンターの横浜流星(29)と歓喜のハグ。「大変な稽古を乗り越えた彼がいなかったら、この場に立つことはなかった。映画にとっても、僕にとっても偉大な存在」と感謝した。
観客動員1440万人を超える大ヒットに「本気で何かに打ち込む姿に、見る人は感動するんだということがこの映画で伝わったと思う」と分析。そして、「僕自身、この映画で芸道を生きる人間の業、険しさを痛感し、その先にある本当の喜びに少しふれられ、この道に生きる自分を見つめ直すきっかけになった。これからも映画を愛する皆さんに楽しんでもらえるよう精進します」と決意を新たにした。
主演女優賞は「TOKYOタクシー」の倍賞千恵子(84)が81年「遙かなる山の呼び声」、「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」以来、45年ぶりの最優秀賞で「どうしましょう。震えています。本当にうれしいです」としみじみ。木村拓哉(53)との共演には、「タクシーの中のシーンが多く、バックミラー越しに木村さんの目が映ると、なんて大きく素敵な目と思い随分力をいただきました」と振り返った。
3人の「国宝」勢を押さえて助演男優賞を射止めたのは「爆弾」の佐藤二朗(56)。ステージに上がった途端に「泣くなあ、これ」と3度繰り返した後、「正直に言うと、最近の日本映画は見ていなかった。それはしっとを感じて悔しいと思うから」と明かした。 しかし昨年、「あんのこと」で優秀助演男優賞を獲得し初参加した同賞が刺激となり「この1年は毎日のようにたくさんの日本映画を見て、なんて闘う価値のある場所なんだろう」と実感した。
そして、「日本映画に携わる全ての皆さん、映画を愛して見てくれる観客の皆さん、愛してるぜ。きょうはいい夜だ」と歓喜のスピーチ。「爆弾」で共演した山田裕貴(35)ももらい泣きしていた。
助演女優賞も「国宝」出演者が3人いる中、「ナイトフラワー」で総合格闘家を体当たりで演じた森田望智(29)が戴冠。「大学生の頃、オーディションに受からず仕事もなく、周りが就職活動をしていく中、私もお芝居をやめた方がいいのかなと思っていた年の日本アカデミー賞で蒼井優さんが賞を獲られたんです。“映画は本当にいいものだから、ぜひ来てください”とおっしゃられて、もう少し頑張ってみようと背中を押してもらった」と、ステージで隣に立った蒼井に感謝。そして、「素敵な景色を見せていただき、あの頃の自分にあきらめなくてありがとうと言いたい」と笑顔をはじけさせた。
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