3月第2週の動員ランキングは、『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』が週末3日間で動員39万4600人、興収5億1900万円をあげて2週連続で1位。公開から10日間の動員は111万4400人、興収は14億3100万円。昨年3月公開の前作『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』の同期間の興収は14億700万円だったのでほぼ横並び。例年に比べての公開日の前倒しによる需要の先食いのような事態は、今のところ起こっていない。
【写真】前作を上回るスタートとなった『ウィキッド 永遠の約束』
2位に初登場したのは、ジョン・M・チュウ監督、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの共演で人気ブロードウェイミュージカルを映画化した2部作の後編『ウィキッド 永遠の約束』。オープニング3日間の動員は31万5000人、興収は5億3100万円。週末は特に子供客を含むファミリー層が中心の『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』に動員は負けているものの、興収では1位。ウィークデイに入ってからも『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』をリードし続けている。
昨年の同時期に公開された前作『ウィキッド ふたりの魔女』の同期間の興収は先行上映も含めて5億2000万円だったので、今回の『ウィキッド 永遠の約束』はそれを上回るスタートとなった。前後編の2部作は、後編の公開までによほどシリーズそのものがパワーダウンしていない限り、後編の初動は高めに出るものだが、それをふまえてもなんとか期待をクリアしたかたち。女性の観客が中心層となるハリウッドの実写映画という点では先週公開の『嵐が丘』と対照的な結果となったが、原作ミュージカルのファンもちゃんと劇場に足を運んでいることから、洋画がヒットする上ではベースとなるファンダムの有無がますます重要な時代になっているのかもしれない。
また、『ウィキッド』2部作の日本公開をめぐっては、前作『ウィキッド ふたりの魔女』も今作『ウィキッド 永遠の約束』も北米公開の約4ヶ月後と、日本公開のタイミングの遅さを指摘する声もあった。前作『ウィキッド ふたりの魔女』の場合、そのタイムラグによって主要キャストのプロモーション来日が実現したり、ちょうど日本公開の時期と重なったアカデミー賞をはじめとするアワードシーズンも宣伝になったりというメリットがあったが、今回はそうした波及効果もなし。それでも順調なスタートをきったことから、少なくとも『ウィキッド』のような一般的な娯楽作品においては、一部の熱心な映画ファンが気にするほど「本国公開からの遅れ」は大きな支障にはならないことがわかる。
宇野維正
