パラマウント・スカイダンスのCEO、デヴィッド・エリソンが現地時間3月10日(火)、買収手続きが進むワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の上級幹部たちの前に初めて姿を現した。1,110億ドル(約17兆円)規模という、映画・海外ドラマ業界の勢力図を塗り替える巨大な買収案件。その舵取りを担うデヴィッドは、出席者から寄せられた鋭い質問に対し、統合後のビジョンを真っ向から語った。

WB買収WB買収ワーナー買収戦争:Netflixとパラマウント、映画&海外ドラマファンにとって良いのはどっち?

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逆転落札を経て、新時代の幕開けを宣言

ロサンゼルス近郊、バーバンクのワーナー・スタジオ内にあるスティーブン・J・ロス・シアターには約160名の幹部が集結し、オンラインを含めれば合計460名以上が参加。WBDのCEOデヴィッド・ザスラフによる紹介で登壇したエリソンは、約10分間にわたるスピーチで、合併後の新会社が年間30本(各スタジオから15本ずつ)の映画製作能力を持つことを強調した。さらに、彼はWBDが誇るHBOブランドを、海外ドラマ・テレビ界におけるゴールドスタンダードであると惜しみない賛辞を送った。

今回の合意に至るまで、WBDを巡るM&A合戦は紆余曲折を極めた。昨年12月にNetflixがスタジオおよびストリーミング事業の買収契約を締結したものの、わずか2週間前にパラマウントが逆転落札するという劇的な展開を見せたからだ。デヴィッドはこの経緯を波乱に満ちたプロセスであったと認めつつも、その段階はもう過去のことだと断言。不透明な時期を脱し、次なるフェーズへ進む決意を鮮明に打ち出した。

懸念される人員削減とストリーミングの統合

質疑応答セッションでは、シビアな問題も浮上した。特にパラマウント・スカイダンスによる買収後に実施された大規模な人員削減を背景に、WBD側でも同様の措置が取られるのかという懸念だ。これに対しエリソンは、合併によって60億ドル以上のコスト削減を見込んでいることを認めつつも、その主要な要因はレイオフ(一時解雇)ではないと主張。具体的な削減数は明かさなかったが、誠実かつ率直な姿勢で回答し、出席した幹部からは信頼できる印象を受けたとの声も上がった。

また、WBDのコミュニケーション責任者であるロバート・ギブスが司会を務めたQ&Aでは、動画配信サービス「Max(旧HBO Max)」と「Paramount+」の統合案にも言及。デヴィッドは統合後の具体的な形態について、両社のチームと緊密に協議していく姿勢を見せた。さらに、ニュース局CNNの今後については、先週のコメントを改めて繰り返し、編集上の独立性を完全に維持することを約束した。

パラマウントは、WBDとの買収案件が2026年第3四半期に完了する見通しであることを公表している。もし契約完了が遅延した場合には、四半期ごとに1株あたり25セントの「遅延手数料(ティッキング・フィー)」を株主に支払うという、異例の合意もなされている。

出席者の一人は、今回のデヴィッドのプレゼンテーションに対し「悪い意味での驚きがなかったのは収穫だった」と安堵の表情を見せる。ビジネス全般にわたる深い知見を示した若きCEOのもと、ハリウッドの映画・海外ドラマ界は今、決定的な転換点を迎えようとしている。

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参考元:Variety

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