──最近は韓国映画界がやや停滞しているとも耳にします。

本当にその通りです。パンデミックの期間に劇場を離れた観客が、ストリーミングサービスの便利さに目覚め、その後、劇場に戻ってこなくなっています。観客がいないということは、お金がないということですから、出資が減ります。そして、たとえ出資が行われたとしても、どうしても保守的な選択をするようになります。そうすると、いつも似たような映画ばかりが出てくる。観客は観る映画がない、観たいと思っても劇場に行きたいと思っても観る映画がない、という不満を口にする。こうした悪循環が起きています。

映画『しあわせな選択』は逆説に満ちている──パク・チャヌク監督にインタビュー

Photo: ©2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED

──本作の原題は『어쩔수가없다(仕方がない)』ですが、どんな思いを込めたのでしょうか?

文字通り「仕方がない」という意味でつけたのではありません。むしろ逆で、「本当に仕方がない状況なのか?」と問いかけたかった。映画を観終えた後に観客自身が、「ああ、自分もこの言葉をよく使っているな」「本当は仕方がない状況でもないのに、ただ自分を正当化するために使ってきたのではないか」と気づいてほしかったのです。

──邦題は『しあわせな選択』です。監督にとって“しあわせな選択”とは?

邦題にも、やはり逆説的な意味が込められています。「“しあわせな選択”をしたと思っていたのに、実はそうではなかった」と。では、私にとってそれは何かというと……。正直なところ、私はあまりにも長い年月のあいだ、映画を作ることしか知らずに生きてきたように思います。現実のことをあまり知らないままに。運転免許は持っていますが運転はしませんし、銀行や税務署の手続きなどについてもほとんど何も知りません。言ってみれば、どこかに放り出されて、一人きりで生きていかなければならない状況になったとしたら、本当に何もできない人間だと思います。映画を作る道を選んだときには、それがしあわせな選択だと思っていました。しかし今になってみると、少し後悔している気持ちもあります(笑)。

Leave A Reply