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「「拡散」の時代に正義を決めつけないという向き合い方を。」

「観る人それぞれの立場によって、解釈や受け止め方が分かれる題材だからこそ、あえて一本の映画として提示する意義があるなと感じました。参加できたことが素直にうれしかったです」

この作品で沢尻さんが担ったのは、ワクチン接種後に妻を亡くし、その死の真相を追い続ける主人公・浅岡の存在を社会に伝える新聞記者・福島美波の役。

作品を通して、SNSやマスコミの在り方について考える機会も多かったという。

「どちらにも偏らず、客観的な視点で書くという編集長のセリフが印象に残っています。簡単そうに聞こえますが、実はとても難しいこと。私自身、わりと感化されやすいタイプで、どの意見にも共感してしまいがちなんです。だからこそ、正義を決めつけるのではなく、『そういう考えもある』と一旦受け止める姿勢を心がけています」

炎上や誤解は、発信した側の意図とは無関係に起こることも。注目を浴びる仕事をしている以上、それは常に隣り合わせ。

「世間がそう受け取ってしまったなら、抗えないところもあります。でも、この仕事をしている以上、言葉を向けてもらえることは、何も反応がないよりはずっといい。自分に至らない点があったと気づけたなら、また前に進めばいいだけなので」

ネット社会を生きる私たちに向けて、沢尻さんはこう結ぶ。

「善意って、人と人とのつながりの中で感じる温かさ。だからこそ、現実をちゃんと生きることを大事にしていきたい」
「仕事への上昇志向が強い一方で、どこか偏屈なところもある女性です。誰の中にもあるような、人間くさい部分を表現できたらと思っていました。役作りでは〝観察する視点〟を意識して、自分の目線や感覚ではなく、新聞記者ならどう見るのかを考えるようになったんです。そうすると、これまで疑問に思わなかったことにも自然と想像が広がっていき、その感覚の変化がとても新鮮でした」

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