彼女はローリーにアンドロジニーを求めており、その資質を体現できる俳優だったからだという。さらに『Extra』などのインタビューでも、「ティモシーは私のお気に入りの一人」と公言。初めて舞台で彼の演技を観た際、「若いのに仕事に深くコミットし、技術的に優れていながら自然で即興性もある。その両方を兼ね備えている」と強く印象づけられたと振り返る。
確かな技術としなやかな流動性。性別の枠さえ軽やかに越えていく存在感こそが、ガーウィグにとって理想のローリー像だった。シャラメはその存在感で、誰もが知るクラシックな物語を、ぐっと今の時代に引き寄せたのだ。
一択の確信──ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021).jpg)
Photo: © Warner Bros. / Courtesy Everett Collection
かつてドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『プリズナーズ』(2013)のオーディションに落ちたシャラメは、約10年後、『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)で主演ポール・アトレイデスを任されることになる。13歳で原作『デューン』を読み、「これを映画にする!」と決意したというヴィルヌーヴにとって、本作は長年の悲願だった。その夢のど真ん中に立ったのがシャラメだった。
監督はUS版『GQ』で、「はじめから彼一択。脚本に書かれたただ一つの名前だった」と明かす。その確信は『君の名前で僕を呼んで』にあった。『Variety』でルカ・グァダニーノと対談した際、「あの目に宿る知性と若さの中の成熟を見て『彼しかいない』と思った」と語っている。さらに『GQ』では、「今この地球上で演じられる存在は一人しかいない」と断言。シャラメの「目に宿る深い知性」は偽れず、「聡明で芯が強い」。若い容貌の奥に老いた魂を感じさせ、「ロックスターのようなカリスマ」とロマンティックな美を併せ持つ存在だと語った。
