―3月27日公開の映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』は、スマートフォンやSNSなどがない時代に、若者たちの真っすぐな思いから生まれた東京のパンクシーンのリアルを描いたドキュメンタリーだ。劇中では、普段ミュージシャンである峯田さんがカメラマン、俳優の若葉さんがミュージシャンを演じている。ともに音楽と芝居を介し本質を突き詰め、人間味のあふれる表現で魅了する希代のアーティストだ。
Kazunobu MINETA/飾ることなく、ありのままの姿
KODAI IKEMATSU
ジャケット¥162,800 パンツ¥113,300 (2点共エムエム 6 メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービスtel.0120-934-779)
Kazunobu Mineta
峯田和伸/1977年山形県生まれ。ロックバンド「銀杏BOYZ」のフロントマンとして2000年代以降の音楽シーンを牽引。文学的な歌詞と激しいライブで支持を集め、俳優としても映画やドラマに出演。
Ryuya WAKABA/自分自身にうそはつかず、真っすぐ
KODAI IKEMATSU
コート¥305,800 セーター¥113,300パンツ¥95,700(すべてエムエム 6 メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービス tel.0120-934-779)
Ryuya Wakaba
若葉竜也/1989年東京都生まれ。2016年、第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。繊細かつリアルな演技力で映画・ドラマを中心に活躍し、数々の話題作で存在感を放つ実力派俳優。
KODAI IKEMATSU
左/デニムジャケット¥117,700 セーター¥96,800 デニム¥96,200 ベルト¥96,800(すべてアワーレガシー/エドストローム オフィス tel.03-6427-5901) 右/ヴィンテージのレザージャケット¥25,300(FRONT 11201/info@front11201.com) ヴィンテージのシャツ¥77,000(Sick/@sick_shibuyatokyo)
注目の二人が映画を通して、本質を語る
若葉 役者が頑張ってミュージシャンを『演じている』という風に見えたら終わりだ。と思いながらやっていました。だから峯田さんに現場中、何度も確認しました。
峯田 それは僕も同じで。だから今回ミュージシャンとして出演している間宮(間宮祥太朗)さんや仲野(仲野太賀)さんたちが、どう演奏しようが歌おうが、よかったしか言えないんですよ。もちろん実際すごくカッコよかったですし。
―若葉さんはモモを、峯田さんはユーイチを演じるなかでキャラクターに共感できる部分があったという。
峯田 パンクが大好きなところはユーイチと同じですね。なぜパンクが好きなのか、今まで何度も考えてきましたが、 一つの答えとして、パンクというものはステージに立つ人だけが主人公なのでなく、そこにいるお客さんやその様子を捉えるカメラマンなど、誰もが主人公になれるっていう。それがパンクの価値観の一つだなって。

KODAI IKEMATSU
いつの時代も変わらない、心の底から湧き上がる衝動に正直であることこそが尊い
―若葉さんは「質問の内容とはそれるかもしれませんが」と前置きをしつつ。
若葉 近年、よくも悪くも自分の周りを取り巻く環境が変わった事で、色々な声が聞こえてきたり、フラストレーションがたまっていたんです。今作の撮影がまさにピークの時だったのですが、当時心の中で膨らんでいた思いが全てセリフとして言語化されていて、自分の中で違和感なくしゃべれたんです。共感どころではなかったです。
―「あとこれはキャラクターではなく、物語全体のことですが」と続ける。
若葉 本作は1970〜80年代のお話ですが、現代でも共感できる部分がたくさんあると思うんです。現実と夢の折り合いなど、悩みや憤りを抱えながら生きるのは今も同じ。見ている中で心が動く瞬間があると思います。―撮影に臨む前と今とで、表現者として変化したことについて聞いた。表現の本質を極めたアーティストだからこそ感じた心の動き。
若葉 僕はあまり実感がなくて、きっと何年後かにあの時がターニングポイントだったなって気づくんだと思います。おそらくそれが正しい感覚なのかなと。
―峯田さんは映画のキーワードに絡めて。
峯田 ちゃんとやろうと思いました。やっぱりいい現場に携わると、銀杏BOYZの方でもちゃんとやろう、いい曲作ろう、いいライブしたいとかを改めて思いました。
―若葉さんが演じるモモと、峯田さんが演じるユーイチ、そして彼ら自身。今回のインタビューを通して浮かび上がったのは立場や時代、表現のフィールドを超えて通じ合う共通点。それは1970〜80年代を生きる登場人物も、現代を生きる表現者も、自分自身にうそをつかず、迷いながらもまっすぐに生きているということ。その姿は周囲の雑音に惑わされることなく、心の底から湧き上がる衝動に正直であることの尊さを教えてくれる。まるでそれぞれが“自分の音”を、鳴らしているかのように。
『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』
©2026 映画『ストリート・キングダム ⾃分の⾳を鳴らせ。』製作委員会
©2026 映画『ストリート・キングダム ⾃分の⾳を鳴らせ。』製作委員会
右から峯⽥和伸 、若葉⻯也、 吉岡⾥帆
監督/田口トモロヲ
脚本/宮藤官九郎 音楽/大友良英
原作/地引雄一『ストリート・キングダム』
配給・制作幹事/ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日/3月27日(金)TOHO シネマズ日比谷ほか全国公開
公式サイト
Styling / Hiroaki Iriyama(Mineta), Toshio Takeda(Wakaba, MILD)
Hair & Makeup / Ayumi Sugimoto(Mineta), Rumi Terasawa(Wakaba)
Text / Kei Osawa(Interview) ,Naoko Sasaki
※雑誌『Esquire Japan』2026年4月号より転載
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