【写真を見る】『レンタル・ファミリー』撮影時の思い出を語ってくれた11歳の新人俳優ゴーマン シャノン 眞陽

「SHOGUN 将軍」の平岳大、「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」の山本真理、日本の名優・柄本明らと共にフレイザーと共演したのが、本作で俳優デビューを果たしたゴーマン シャノン 眞陽。フィリップが“父親”に扮することになる少女、美亜役を演じた。

本作で映画祭に参加するためアメリカやイギリスを飛び回り、撮影地である日本に戻ってきたシャノン。各地に連れて行ったというペガサスのぬいぐるみを抱きながら、MOVIE WALKER PRESSのインタビューに応じてくれた。

「アメリカやロンドンに行ったのは人生初でした。レッドカーペットを歩くのは緊張しましたけど、とっても楽しかったです」と笑顔を浮かべる。11歳の新人俳優とは思えないほどの堂々とした様子で、出演のきっかけから撮影の思い出、今後の夢までを語ってくれた。

■「学校の課題をしているみたいでドキドキした」

シャノンが『レンタル・ファミリー』に出演することになったきっかけは、7歳で入所した子役事務所からオーディションの存在を知らされたことだった。「話を聞いて、とにかく『やりたい!』と思いました。9歳のハーフの女の子で、日本語と英語を両方話す役だから、『私、できる!』って」。

オーディションではHIKARI監督と対面し、劇中のシーンを実際に演じたほか、得意の歌も歌った。ところが、結果の連絡は1か月ほど来なかったという。あとから聞けば、2023年にハリウッドで起こった全米脚本家組合(SAG-AFTRA)のストライキの影響があったそうだ。

「もうダメかと思いましたが、最後は2人くらいしか残っていなかったし、私も全力を出したので『ダメでも仕方ないかな』と。そしたらある日、いきなり合格の電話がかかってきて。最初は信じられなかったんですが、本当だと知って涙が出ました。家族みんなで大興奮でした」。

タイトルの『レンタル・ファミリー』とは、文字通り“家族がわり”をレンタルできるサービス。シャノンはその実態をなかなかイメージできなかったというが、脚本を読み、自分自身でも調べてみたそう。「学校の課題をしているみたいでドキドキした」という。

シャノン演じる美亜のため、フィリップは“外国人の父親”として登場する。シングルマザーである母親の瞳(篠崎しの)は、娘の入学試験のため「レンタルファミリー社」に父親役の派遣を依頼したのだ。ところが、幼いころに父親から捨てられたと考えている美亜はフィリップに心を開かない。仕事が忙しい母親とも、なかなか一緒に過ごす時間を持てずにいる。

「美亜と私はあまり似ていません。私は4人きょうだいの末っ子なので、家に帰ると必ず誰かがいました。だけど、美亜は放課後に家へ帰ったあと、お母さんが帰ってくる夜遅くまで一人ぼっち。寂しくても、そのことを誰かに言えないんです」。

小さいころのシャノンは「怖がりの寂しがり屋」だったそうだ。「一人でいるのが苦手で、親がトイレに行くだけでも『どこ行くの?』と聞いていたし、部屋が暗くなるとお化けが出そうで、『電気消さないで!』って言っていたんです」と笑う。

「美亜の寂しさを100としたら、私の寂しさは5くらい。20倍にしたら美亜になるのかなと思いますが、その孤独を想像するのは難しかったです」。

■「いつか俳優になりたいと思い、思い浮かんだシーンを演じてお父さんに撮ってもらっていた」

役づくりのヒントとなったのは、監督のHIKARIだった。美亜という役柄は、HIKARIの実体験をもとに描かれている。

「正直、最初は『失礼にならないかな、監督を傷つけてしまわないかな』とプレッシャーを感じました。HIKARI監督は太陽みたいに明るくて、磁石みたいに人を引き寄せる人なので、美亜のような子だったとは想像できなかったんです。それでも撮影が始まったら、自分がわからないことも監督に聞けばわかるはずだと思えました」

実際、撮影期間中はHIKARI監督に毎日質問をぶつけていたという。フィリップ役のフレイザー、母親役の篠崎しの、HIKARI監督の3人とは「スタジオのこたつに入って、みかんを食べながらよく話し合っていました」とほほえんだ。「美亜はこんな子で、お母さんはこんな人なのかなって。ブレンダンもとても優しくて、『まだ僕も完璧には掴めていないんだけど』と言いながら、いろんな話をしてくれました」。

思い出に残っているのは、東京、神楽坂で撮影された「化け猫フェスティバル」のシーン。「いろんなお祭りに行きましたけど、化け猫のお祭りも、フェイスペイントをするのも初めてで、とっても楽しかった」という。「お姉ちゃんがフェイスペイントをしている写真を見たことがあって、私もやってみたいと思っていたんです」。

では、人生初挑戦のフェイスペイントの感想は?そう聞いてみると、「友達には『かわいい』って言ってもらえたけど、自分のことだからわからない」と苦笑い。「だけど、すてきに仕上げてもらえてうれしかったです。ブレンダンもかわいかったですよね!」。

シャノンの演技に感銘を受けたというフレイザーは、「彼女には本能的な資質がある。演技ができ、しかも作り物っぽさが一切ない」と語る。そのピュアな魅力は、この作品を通じて世界中の観客に伝わっているはずだ。

俳優に憧れたのは、映画好きである父親と、幼少期からたくさんの映画を観てきたことがきっかけ。「いつか俳優になりたいと思い、思い浮かんだシーンを演じてみて、無理やりお父さんに撮ってもらっていました。いまでもたまに見せられますが、『もう、やめて!』って感じ(笑)」。

好きな映画は「スター・ウォーズ」と「スパイダーマン」シリーズ。話題の『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(25)にもハマっているという。「俳優はいろいろな人になれるのがいいと思うんです。お医者さんにも、スパイにも、宇宙人にもなれる」。

ちなみに、今後出演してみたいのは意外にもホラー映画。理由は「舞台裏を知りたいから」だそうだが、怖がりのため「まだホラー映画は観られないんです」という。

取材・文/稲垣貴俊

※篠崎しのの「崎」は「たつさき」が正式表記

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