Apple TVが、看板ドラマシリーズ「セヴェランス」のIPおよび全権利を、制作スタジオのFifth Seasonから取得したと、米デッドラインが独占報道した。取引額は7000万ドル(現在のレートで約109億円)弱とされる。今後はAppleの自社スタジオであるApple Studiosが制作を担い、Fifth Seasonはエグゼクティブ・プロデューサーとして関わる。
「セヴェランス」は、仕事の記憶と私生活の記憶を外科的に分離する処置を受けた会社員たちの姿を描くSFスリラーだ。ベン・スティラーが監督・製作総指揮を務め、2025年のエミー賞では27部門にノミネートされ8部門で受賞している。
Appleが外部スタジオの作品を買い取るのはこれが初めてではない。SF大作「サイロ」もシーズン1の後にAMC Studiosから同様の形で移管されている。Apple Studiosは現在、Apple TVの配信作品の約半数を自社で制作しており、2019年のサービス開始時に外部スタジオへの発注に頼っていた体制からの転換が進んでいる。かつてNetflixが「ハウス・オブ・カード」などを外部から調達して急成長し、その後自社制作を拡大していったのと同じ道筋だ。
背景にあるのは「セヴェランス」の制作費の膨張だ。シーズン2は1話あたり最大2000万ドル(約31億円)とも言われ、コロナ対応やストライキによる8カ月半の中断、脚本の大幅な変更と撮り直しで製作が難航した。自社で権利を持つことで、コスト管理や長期的な意思決定がしやすくなるとApple側は判断したという。
「セヴェランス」は全4シーズンが計画されており、シーズン3は今夏の撮影開始を目標としている。プリクエルやスピンオフなど、ユニバースの拡大も検討されているという。
