【写真で見る】ドラマ『未来のムスコ』美術セットから見る劇団稽古場の雰囲気とは…

TBS系火曜ドラマ『未来のムスコ』で主人公・汐川未来(演:志田未来)が所属する劇団「アルバトロス」もまた、そうした現実と向き合いながら活動を続ける劇団の一つである。現実の劇団に見られる環境や営みを踏まえ、その在り方が美術という側面から丁寧に落とし込まれている。

■下北沢らしさを宿す、天井の高い「倉庫型」稽古場

劇団「アルバトロス」の稽古場の美術セットは、物語の舞台である東京・下北沢の空気感と、舞台人たちの現実を映し出す象徴的な空間だ。

稽古場外観のロケ地選定にあたり、美術デザイナーチーフの渡邉由利さんが重視したのは空間の高さと質感だった。「もともと、天井が高い室内の稽古場にしたいという思いがあり、倉庫のような場所を希望していました」。教会など複数の候補を検討した上で、室内セットのプランとの整合性を踏まえ、現在のロケ地に決定したという。

外観のシャッターに描かれたアートは監督の発案だが、実際の下北沢に多く見られるシャッターアートを意識し、街との地続き感も演出した。「下北沢っぽさも加味され、アイコニックな外観になっています」と渡邉さんは話す。

■シェア倉庫設定が生む、混在する生活の痕跡

稽古場内部の装飾には、細かな設定が張り巡らされている。

「この倉庫は、劇団だけでなく古着屋などがシェアして使っている、という設定です」。倉庫の一角を劇団が稽古場として借りており、他業種が混在している状況を表現している。

映像では目立たない部分にも、チョークアート教室の看板や介護用品店の段ボールなどが置かれている。たまに映り込む表の看板には、シェアしている店舗名が連なり、空間にリアリティを与えている。

■限られた空間を生かす、稽古場ならではの工夫

稽古場は決して広くはない。その制約の中で、空間の使い方にも工夫が凝らされた。階段下は、演劇の参考資料となる本や雑多な物を置く収納スペースとして活用されている。「スペースを有効に使うための配置です」と渡邉さんは説明する。

Leave A Reply