
『ヒトの言葉 機械の言葉「人工知能と話す」以前の言語学』川添愛(角川新書)
AIが急速に発達し、人間がAIと「会話」することが当たり前になりつつある今、改めて立ち止まって考えたいのが、「そもそも言葉とは何か」という根源的な問いだ。本書は、AIと自然に話せる日は本当に来るのか、そして私たちはAIと向き合う前に、どのような心構えを持つべきなのかを、言語学の視点から丁寧に掘り下げていく。理論言語学を専門とする著者は、人間の言語が持つ曖昧さや文脈依存性、暗黙の了解といった特徴に注目し、機械がそれを「理解する」とはどういうことなのかを問い直す。人間とAIの違い、そして接点を見つめる一冊。

『大規模言語モデルは新たな知能か─ChatGPTが変えた世界』岡野原大輔(岩波科学ライブラリー)
対話型サービスChatGPTは驚きをもって迎えられ、IT企業間で類似サービスをめぐる激しい開発競争が起こりつつある。本書は、そうしたAIブームの中核をなす「大規模言語モデル(LLM)」とは一体どのような仕組みで動いているのかを、第一線の研究者がわかりやすく解説する。膨大なデータを学習することで、人間のように自然な文章を生成するLLMは、新たな「知能」と呼べる存在なのか。その可能性と限界、利便性の裏に潜むリスクや課題を、技術的背景と社会的影響の両面から検討する。
