結成20周年を記念し、5月6日(水・祝)にバンド初となる日本武道館公演『a flood of circle 20周年記念公演 LIVE AT 日本武道館』を開催する、a flood of
circle。また、1月11日からは、2025年11月発表の14枚目となるニュー・アルバム『夜空に架かる虹』を提げ、全国ツアー『a flood of circle 20周年記念ツアー”日本武道館への道”』を開催。
そして、全20公演それぞれにゲストを迎えて開催される全国ツアーと日本武道館公演への気概を盛り上げるべく開催されたのが、『FM802 RADIO CRAZY presents a flood of circle 5.6
武道館に架ける虹』だ。
2025年末を締めくくるこの夜の熱いステージにも登場し、3月14日(土)石川・金沢EIGHTHALLにゲスト出演する山中さわお(ex.the
pillows)を迎えて、ロックバンドとしてのあり方、そして、日本武道館公演に向けた思いをコタツを囲んだ座談会スタイルで語ってもらった。
今日のゲスト企画も、山中さわおさんの出演ありきで決めました!

── まずは、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也さん、そして山中さわおさんも出演された『FM802 RADIO CRAZY presents a flood of circle 5.6
武道館に架ける虹』を終えた感想を聞かせてください。
佐々木亮介(以下、佐々木) いやもう、ドキドキっていうか怖いっていうか。いや、本当にうれしくて。さわおさんがこのために来てくれるなんて贅沢過ぎるというか。今回、ゲストを呼んでやるって話をもらった時、「対バン相手の人をいっぱい呼ぶのはどうか?」という話があったんですけど、「さわおさんを呼んでほしいです」ってお願いしたら来ていただけるという話になりまして。で、おまけで田淵さんも来ていただけると……。
山中さわお(以下、山中) おまえさ、「レディオテレグラフィー」(の演奏)が終わった後、ドサクサで俺のほっぺたにキスしてたな(一同爆笑)。
佐々木 あれは独占欲の表れというか。さわおさんに執着してるから(笑)。
山中 マーキングされてたんだ(笑)。
佐々木 後輩代表として、さわおさんは俺のもんだってことで(笑)。
『夜空に架かる虹』の歌詞にthe pillowsの名前が出てきたんだけど!


── 2026年は、1月からスタートする4カ月に渡る対バンツアー『a flood of circle 20周年記念ツアー”日本武道館への道”』を経て、5月6日(水・祝)にはバンド初の日本武道館公演が開催されます。
佐々木 2025年11月にニュー・アルバム(14thアルバム『夜空に架かる虹』)を出したので、2026年はまずワンマンでアルバムのツアーを回って、後半に対バンツアーをやってお客さんをつかみ取り……みたいなことをやりたかったんです。でも、武道館が5月6日に取れちゃったので、そうなるとアルバムのツアーをやっている場合じゃないってことになっちゃって。で、さわおさんもお呼びしている対バンツアーを慌てて決めたという流れなので、実は計画性がないというか(笑)。
山中 あのさ、そのアルバムの歌詞(「キメラファンク(FLY! BABY! FLY!)」にピロウズって言葉が出てくるんだけどさ、ああいうのって、実はかっこ悪い方にも転ぶわけじゃない?
佐々木 まぁ、憧れのバンドであるピロウズの名に傷をつけたくないという気持ちはありますね。
山中 そういうことじゃなくてさ、ピロウズの「サード アイ」(the
pillowsの23thシングル)という、なんていうか餃子じゃなくて水餃子ぐらいの微妙なところを突いてきた勇気がすごいなっていうことよ(笑)。俺はうれしいよ? だって、ピロウズが嫌いな人がそんなことしないからさ。
佐々木 ありがとうございます。「キメラファンク(FLY! BABY! FLY!)」は俺が思うことを歌っているということもあって、言いたいことを言っていいんだと思いました。
── さわおさんはピロウズが歌詞に登場することを事前に知っていたんですか?
山中 いや、普通にCDをいただいて家で聴いてたら《ピロウズのサード
アイ》ってフレーズが耳に入ってきて、おう!と。だから、くすぐったい感じではありましたよ。それっていろんな曲に名前が出てくる……例えばビートルズみたいな感じのところに仲間入りさせてもらったってことじゃないですか。もし同世代のバンドとかにいい曲があって好きだとしても名前は使いにくいな、みたいな、そういう距離感とかあるじゃん?
佐々木 ああ、ジェラシーが入っちゃう、みたいな。
山中 だけど、ピロウズだと世代も違うし、まぁ、解散もしてるし、なんかそういうところで名前を出してもいいんだなっていうのはあるかもね。
佐々木 今やさわおさんとは近しい関係ですけど、元々はすごく遠い存在というか。憧れも入っていますし、なんていうか、師的な存在というか。雷のように遠くで見ていてる分には美しいんですけども、近くにいるとちょっとビリビリする、みたいな(笑)。
山中 おまえよくそれを言うけどさ、そう言いながらさっき無断で俺の頬にキスしてたよ(一同爆笑)。
佐々木 それぐらい好きってことです(笑)。
日本武道館は「いい歳をしてバンドを続けてる免罪符」


── 今回のa flood of circleと同じく、the pillowsもUNISON SQUARE GARDENも結成20周年の時に日本武道館でライブをやっているんですよね。さわおさんはさきほどのステージで、「武道館への憧れはなかったけど、やっぱり厳かな気持ちになった」と、おっしゃっていましたね。
山中 うん。だってね、
本来は音楽を好きになって……音楽にもいろんなジャンルがあって、いろんな気持ちで音楽をやっている人はいるけど、のし上がろうとか、一攫千金を狙おう、みたいな人は俺の世代だとロックンロールだけど、フラッド世代はそうじゃなくて、ただロックが好きでやっているわけじゃない?
好きなことをやって、できればみんなもそれを好きになってくれて、できれば人気が出ますように!って祈るだけで、人気者になるために音楽を寄せるわけじゃないっていう状況でやっていて……。ていうかさ、なんか俺、しゃべり過ぎてない?(笑)
佐々木 大丈夫です(笑)。
山中 まぁ(笑)、ミュージシャンって表ではカッコいいこと言っていても、裏ではカッコ悪いこともあったりとかしてね。やっぱり、評価されたい、人気が出てほしいっていう気持ちもあるから、武道館でやるっていうのは数の論理っていうか、俺たちはこれだけの人を呼んだんだっていう話じゃない?
数字で自分たちの価値を1回ぐらい証明して、今まで認めてくれなかったやつらの横っ面を!という気持ちはあるよね。今まで冷たかったラジオ局の人たちが、武道館のあとはエレベーターの扉が閉まるまで頭を下げてくれるんだなっていうか(笑)。
── それぐらい「日本武道館」は価値がある場所ということですよね。a flood of circleにとってはどんな印象がある場所ですか?
佐々木 俺にとっては、友だちのお兄ちゃんがやってるファミコンみたいなもので、いつかは欲しい、みたいな資本主義的な感覚だと思うんですよ。でも俺がやりたいと思っているのは……うちのバンドって実家が太い系というか、子供部屋バンドっていうか(一同苦笑)。「世界をひっくり返すぞ!」みたいなバンドじゃないので、好きなロックがあって、なるべく1曲でもそういう本物が書けたらみんなもきっと好きになってくれると思うから、そういう幻をずっと追いかけてて、それを実現するためにやってるから。
全員 (静かにうなずく)
佐々木 でも以前、なべちゃん(渡邊一丘)から「バンド辞めたいかも」って言われたことがあって。辞めてほしくないから、武道館をやろうかなと思ったんですよ。武道館は友だちのお兄ちゃんのファミコンだから、実現したらきっとうれしい気持ちになるかなって。実際に面白いかどうかはゲットしてからじゃないとわからないので、一回やってみてからあとで考えるとして、俺が音楽をやりたい気持ち自体はいまも変わらないから、武道館は目印というか、ブランドとしてほしいエルメスのバーキン、みたいな感じですね。
HISAYO 私自身は武道館への憧れがあるので、家族も武道館でやることを「おめでとう」って言ってくれたし、親族総出で行きますよ、っていうぐらいに誇りに思ってくれていて。もしかしたらいままでは「早くバンドなんて辞めてくれ」という気持ちが心の片隅にあったかもしれないけど、「やっててよかったね」って言ってもらえると思うと、ブランドじゃないけど、よかったというか。
山中 免罪符だよね、いい歳をしてバンドを続けていることに対する(笑)。
HISAYO そうかも(笑)。それはありがたいですよね。だからがんばります。
『LIVE AT 日本武道館』のあとから始まる「未来」

山中 テツくんはどうなの? さっき「テツくんって緊張とかするの?」って聞いたら全然しないって言ってたからさ。
アオキテツ 気概とかは全然なくて。今までやる中でいちばん大きいハコかなってぐらいですね。
山中 そういう冷静な人がバンドにいてくれるのはいいよね。


── 渡邊さんは辞める辞めないの話も武道館がきっかけになったそうですが。
渡邊一丘(以下、渡邊) 辞める辞めないというか、俺、なんならまだ、a flood of
circleに加入するとも言ってないんでっていうネタもあります(笑)。でも20年やってきて、俺は宙ぶらりんに感じてしまう時期も正直あって。どうしよう、このまんまじゃ続けられないかもってことを相談したんですね。その中で武道館という目標を立ててくれて。そうだよな、やれることっていうか、今いちばん高そうな山はそこだなって。俺らって多分みんな緊張しぃだし繊細だし、だんだんとこうやって山を登っているのが高地トレーニングみたいな感じでいいのかなって。そういえば俺、武道館と東京ドームが家からチャリで行ける範囲でいちばん大きいとこなんですよ。
佐々木 チャリで行けなくても東京ドームはいちばんでかいとこだよ(一同爆笑)。



渡邊 そうだけど(笑)、とくに武道館は近いとこにあるのに、俺たちのことを流星のごとく追い抜いていったバンドたちを何回も観に行って。どんどん因縁の土地みたいな感じになっていって、悔しさばかりが募っていたんですけど、ある時からそれもどうでもいいというか、なんかスカッとしてきて。俺も流星になりたい!って、今この状態で思えているのがいいかなって思っています。何を言っているんでしょうか、俺は(笑)。
── 結成20周年にして「流星になりたい」って言えるのは素晴らしいことだと思います。バンドとしてまだまだ希望や野望があるってことだから。
渡邊 確かに、結成20周年で流星になれるとは思ってなかったですし、ここまで高いところに登れるとは思っていなかったですから、がんばりたいです。
HISAYO 2026年の前半に武道館の予定があるのが良かったです。
後半だとそれで2026年が燃えつきそうな気もしていたんですけど、燃えつく暇なく武道館でのライブがあって、そこから始まる何かがあるっていう未来が想像できるのがいいなって。前向きにとらえています。

