2025年12月19日に開催された「FRaU SDGs共創カンファレンス2025-2026」。イベントの前半、第一部では、FRaUが新しい年に向けて注視するテーマ「日本における“もったいない”がつくる未来」を発表。そのテーマをもとにサステナブルな取り組みを続けるスポンサー企業や著名人が登壇し、それぞれの立場で取り組み続ける活動などを語ってもらった。
その熱い想いが漂ったまま第二部の懇親会がスタート。会場には、サステナビリティな分野で活躍する企業や専門家、研究者、クリエイターなど、多様なバックグラウンドを持つ方たちが出席。FRaUが毎年開催している「FRaU SDGsアワード2025-2026」の発表と授賞式、こどもたちのアイデアを募集し発表の場を提供する「FRaU SDGs edu こどもプレゼン・コンテスト2025」の紹介も行った。当日の様子をレポートする。
「FRaU SDGsアワード2025-2026」授賞式
第2事業本部フロンティア 事業部長・伊藤陽平、FRaUエグゼクティブプロデューサー関龍彦、FRaU編集長舩川輝樹、FRaUweb編集長新町真弓からの挨拶に続き、「FRaU SDGsアワード2025-2026」の発表と授賞式がスタート。
本アワードは、FRaUおよびFRaUwebで紹介してきた記事や書籍から「今、社会にもっと知ってほしいSDGsアクション」を選び、広く共有することを目的としている。第5回となる今回は、ゴールド賞2組、シルバー賞2組、ブロンズ賞4組が選出された。
まずブロンズ賞の1組目は、地域と深く関わる旅を通してウェルビーイングを体感する金ヶ江悦子さんの「SWGsな旅の心得。〜郡上おどり&長良川の源流で、地元の人と深く関わる旅を〜」。
金ヶ江悦子“SWGsな旅の心得”〜郡上おどり&長良川の源流で、地元の人と深くかかわる旅を〜[PR]

さらに漫画という手法で気候危機を紹介した江守正多教授監修の「気候危機と私たちの未来。」、そして不登校という社会課題に向き合った「子どもの不登校と向き合うあなたへ。〜待つ時間は親子が分かり合う刻」、「障害とアート」の常識を更新し続けるヘラルボニーの「“障害とアート”の概念を変えるヘラルボニーの挑戦」を始めとした取り組みを紹介した記事がブロンズ賞受賞で紹介された。
「障害は個性だ」誰もが生きやすい社会を目指す「へラルボニー」の原点、社会に向けた取り組みとは[PR]

ヘラルボニーのセットアップを身にまとったFRaUweb編集長・新町真弓が登壇し、彼らの取り組みへの思いを語った。
「“障害者のアートがいい”ではなく、ただ純粋にそのアートが素晴らしい、その才能を生かそうというのがヘラルボニー。障害とアートの概念を大きく変えてくれました。素晴らしいものはただ、素晴らしい。そのシンプルな真実に改めて気づかせていただいた企画だと思います」

続いてシルバー賞を受賞したのは、ごみ清掃芸人・マシンガンズ滝沢秀一さんによる「保冷剤の捨て方大きな勘違い」など、ごみや資源との向き合い方を伝える一連の記事だった。滝沢さんは、8月にKANEBOの協賛で実現した「FRaU×KANEBOこどもコンテストワークショップ」にも登壇し、こどもたちに向けた講演を行っている。授賞式ではワークショップでの印象的なエピソードをFRaUweb新町編集長が紹介した。
「司会を務めたとき、私が何度もプラ“ごみ”と言ってしまい、そのたびに滝沢さんに怒られました。“ごみ”ではないですよ、と。……本当に何回も怒られました。あの日以来、私は言わなくなりました!」
それを受けて、滝沢さんは会場に向けてこう呼びかけた。
「そうなんです。今日ここにいる皆さんも、ぜひ覚えて帰ってください。プラスチックは“ごみ”ではありません。プラ“資源”です」
ごみ清掃芸人・マシンガンズ滝沢秀一が解説「保冷剤の捨て方」大きな勘違い

さらに、生物学者・福岡伸一さんが中高生とともにボルネオ島を訪れ、“いのちの現場”に触れる学びの旅を描いた「生物学者、福岡伸一ボルネオ島の熱帯雨林を探検未知の美しさに 出会う旅へ サラヤと生徒がボルネオ島で見つけた未来を照らす“センスオブワンダー”」がシルバー賞受賞作品として紹介された。
「FRaU SDGs AWARD 2025−2026」ゴールド賞は
そして「FRaU SDGs AWARD 2025」ゴールド賞の授賞式。1組目はモデル・俳優の一ノ瀬メイさんによる「多様性と表現」。受賞のスピーチで彼女はこう語った。
「パッションのあるテーマを認めていただけたのだと思うと、より一層嬉しく思います。日ごろから、“知る”ということにパワーがあると思っています。さまざまなバックグラウンドのある人のストーリーを、メディアを通して届けることで、みんなの考え方や行動が変化するきっかけを作ることができるのではないかと思っています。それによって、自分や目の前の人をもっと大事にできるようになるはずだと信じて活動を行っています。
これからも自分にしかできない表現、自分だからこそ見せられる美しさをとおして、ポジティブなインパクトをつくり出していきたいと思います」
この体でよかったことを問う…パラアスリートからモデルに転身した一ノ瀬メイが考える「多様性」

もう1組のゴールド賞は、「『#戦争反対』を言い続ける…『わたくし96歳』1945年8月9日長崎で、16歳の『わたくし』が見た家族の最期」他、被爆体験を語り継ぐ森田富美子さん・京子さん母娘による連載記事と書籍。
2026年1月現在96歳の森田富美子さんは、16歳のときに長崎で被爆。75年語れずにいいたのだが、故・安倍前総理が広島と長崎の平和記念式典でまったく同じスピーチをしているのを聞いたことがきっかけで、旧Twitterに自身の体験を投稿した。
FRaUweb編集長の新町は受賞理由について説明をした。
「FRaUwebでの記事や書籍は被爆者だからというだけで、富美子さんと京子さんにお願いしたのではありません。“言いたいことは言わせていただく”という、富美子さんの生き方、それを支える京子さんの生き方が素敵だと思いました。これからの女性のロールモデルになってほしいと思ったのです。その生き方に感化された人たちが多かったのではないでしょうか。ゴールドに選ばれたのは当然だと思っています」
受賞を受け富美子さんは、これからも世界平和を願い、Xを通し戦争反対を訴え続けると語ってくれた。続いて京子さんによるスピーチが続く。
「戦争反対、核兵器反対と投稿すると、頭の中がお花畑だとリプ欄で返信してくる人がいます。それでも、そういう人たちの幸せも私たちは願っています。戦争反対、核兵器反対。平和はすべての基盤だと思っています」
母は小さく手を振った…1945年8月9日長崎、16歳の「わたくし96歳」母との最後の朝

一見すると、アワードを受賞した取り組みや記事はジャンルもアクションも異なるように感じるかもしれない。しかし実はどれも自分の意識を少し変えることで、社会や未来が少しよくなるという共通点があるように感じる。そしてその変化は、巡って自分自身さえ心地よくしてくれるのかもしれない。
アワードを受賞した人たちは、それぞれ異なる取り組みでありながらも、同じ方向を向いている、そんな印象を感じずにはいられなかった。
