<ブルーリボン賞主演男優賞>笑顔を見せる妻夫木聡(撮影・会津 智海)
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 東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ7紙の映画記者で構成)が選ぶ第68回ブルーリボン賞(2025年度)の各賞が27日、決定した。李相日監督(52)の「国宝」が作品賞に輝き、監督賞は「TOKYOタクシー」の山田洋次監督(94)が48年ぶり3度目の受賞。主演男優賞は「宝島」の妻夫木聡(45)が15年ぶり、主演女優賞は「片思い世界」など3作品で広瀬すず(27)が初受賞した。

 2011年の「悪人」以来2度目の主演男優賞。だが、妻夫木は「あまり実感がないんですよね」と素直な思いを吐露した。

 米国統治下の沖縄で、怒りを胸に秘め生き抜いた若者たちの20年を描く群像劇。米軍基地から物資を奪う戦果アギヤーの一人で、後に刑事となるグスク役に魂を込めた。2度の撮影延期も「1回乗った船は降りない性格」と心を切らさず乗り越えた。

 06年の主演映画「涙そうそう」と同じコザ(現沖縄市)が舞台ということにも運命を感じた。役作りで訪れた現地のガマ(洞窟)と、その戦時中の様子を描いた絵画「沖縄戦の図」を見て涙が止まらなくなった。

 「絵に描かれている3人の子供の1人が、僕を見つめて“ちゃんと生きているか?”と言ってくる。これは自分を捨てても背負わなければいけないと、演じる上での核になりました。撮影中も度々行って、自分の覚悟を確かめていました」

 宣伝アンバサダーとして初披露の沖縄から全国約30カ所に足を運んだ。配った名刺は6000枚以上。「皆が“ありがとう”と言ってくれて幸せでした」と手応えを感じた。

 今でも沖縄に思いをはせると涙腺が緩む。「映画に関わった人だけではなく、先人も含め沖縄の人全員でもらった賞だと心から思っています」。言葉に一段と力がこもった。(鈴木 元)

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