カラードレンチングを取り入れた部屋。カラードレンチングを取り入れた部屋。Boris SV/Getty Images多くの人が、住まいに「カラードレンチング」を取り入れている。これは壁、天井、モールディングなどを同一色で塗装し、大胆かつ居心地の良い空間を作り出す手法だ。ただし、色選びや施工する部屋を誤ると、スタイルを台無しにしてしまうこともある。

気付いていないかもしれないが、いわゆる「悲しきベージュ」のトレンドは、ここ数カ月でインテリアデザイン界での勢いを失いつつある。

最近では、住まいをニュートラルな色調から脱却させようとする人が増えており、2026年の大きなトレンドとされる「カラードレンチング」に思い切って舵を切る人も出てきている。これは、天井や腰壁、モールディングなどを含め、部屋全体をひとつの色調でまとめる手法だ。大胆ではあるが、うまく取り入れれば空間を一変させるデザインとなり得る。

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インテリアコーディネーターのテイラー・サイモン(Taylor Simon)は、「ニュートラルブームから抜け出した人々は、自分たちの空間に色を取り戻そうと本格的に動き始めた」とBusiness Insiderに語っている。

「最初はアクセントとして天井だけに色を塗ることから始まり、次第に空間全体を同じ色で塗っていった。個人的にはこの手法をとても気に入っている」

Living Oak Interior Designのリードデザイナーであるアリ・ミシェル(Ali Michel)によると、色は人々を引き付けるだけでなく、空間の感じ方そのものを形づくる力があるという。

「この手法を使えば、狭い空間を広く見せることができる。逆に広い空間であれば、ダークカラーを選ぶことで、こじんまりとした居心地の良い雰囲気を演出できる」とミシェルは説明する。

美しい仕上がりになる可能性はあるものの、ミシェルとサイモンは「カラードレンチングを成功させるのは一筋縄ではいかない」と注意を促している。以下では、このトレンドを取り入れる際に注意すべきポイントを紹介する。

塗装前に色見本で実際に確認する時間帯によって変化する光の下で、色見本がどう見えるかを観察する。時間帯によって変化する光の下で、色がどう見えるかを観察するべきだ。SolStock/Getty Images

テクノロジーの進歩により、近年では塗装前の色の確認を、実際に色見本で行うのではなく、コンピューター画面上で済ませる人もいる。しかしミシェルとサイモンは、空間において色が極めて重要な役割を果たすカラードレンチングでは、こうしたやり方は大きな誤りだと指摘する。

「部屋が家のどこに位置しているのか、そしてどれだけの光が入るかによって、色の見え方は劇的に変わる」とミシェルは語る。

また、サイモンによれば、時間帯ごとに異なる光の下で色見本がどう見えるかを観察することも重要だという。そうすることで初めて、その色が自分の家で時間の経過とともにどのように見えるのかを、正確につかむことができるからだ。

「私自身、自分の寝室をカラードレンチングした際に、光の入り具合をチェックしなかったという失敗をしたことがある」とサイモンは明かした。

「結局、思い描いていたような色味にはならなかった。急いで作業を進めてしまったせいで、納得のいかない仕上がりになってしまった。私の失敗を教訓にしてほしい。自分が心から愛せる色かどうかを、必ず確認した方がいい」

どんな部屋でもカラードレンチングがうまくいくわけではない広い部屋は、カラードレンチングには向かない。広い部屋は、カラードレンチングには向かない。Taylor Simon

カラードレンチングを取り入れる際には、その部屋の広さを考慮する必要がある。ミシェルとサイモンはいずれも、比較的狭い部屋への採用を推奨している。色によって空間に心地よさが生まれ、広く見せる錯覚効果も期待できるからだ。

一方で、仕切りのない開放的な空間では、狭い部屋に比べて塗装の視覚的インパクトが出にくく、それほど大きな効果は得られない可能性がある。

ミシェルは、オープンな間取りでのカラードレンチングは勧めていない。「キッチンとリビングが一体となったような巨大な空間では、この手法を取り入れてもあまり意味がない」からだという。

同じ仕上げは避けるべき仕上げの選択が、成否を分ける。仕上げの選択が、成否を分ける。Westend61/Getty Images

部屋全体を同じ色で塗る場合でも、すべての面を同じ艶で仕上げると、空間が平板な印象になってしまうと、ミシェルとサイモンはいずれも指摘している。

「全面をマット(艶消し)仕上げにすると、少しのっぺりしてしまう」とサイモンは言う。

「逆に、壁から天井までをすべてハイグロス(高光沢)にすると、今度は光の反射が強くなりすぎてしまう。壁はマット気味に仕上げ、天井に艶を出すといった組み合わせがおすすめだ」

ミシェルもこれに同意しており、彼女のチームでは、窓枠やモールディングなどの造作部分はサテン仕上げ(半艶)、天井はフラット仕上げ(艶消し)、壁はエッグシェル仕上げ(卵の殻のような微光沢)と、質感を使い分けている。

「ハイグロスの天井は反射性が高いため、暗めの部屋では光を取り込む助けになる」とミシェルは述べ、「質感の違いを考慮しないのは、大きな間違いだ」と強調した。

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