世田谷美術館で開催されている「つぐ」展に行ってきました。

皆川明さんが1995年に創業し、たくさんの人々に愛されてきたテキスタイルブランド、<mina perhonen>。皆川さんは何年か前に社長業からは退かれましたが、今もブランドのチーフデザイナーであり、言わずもがなブランドを象徴する存在。

ですが、この先「100年つづくブランド」としてさまざまな人の関わりで広がっていくということを考えたとき、あえて今回は展覧会のタイトルに皆川さんの個人名を入れなかった、ということを今の社長の田中景子さんが雑誌のインタビューでお話しされていました。

そのため展示は、ブランドに関わるさまざまな分野・視点にフューチャーしたもので、<ミナ ペルホネン>の「今まで」、そして「これから」に気持ちが向いていく、素敵な内容でした。

※写真をほとんど撮らなかったので、文章多めです。個人的な思い出話が多いのと、ネタバレが気になる方はお控えいただいた方がいいかもしれないです…!

思い出のテキスタイル

個人的にとっても思い入れのあるテキスタイルも展示されていました。こちらの<oasis>というテキスタイルは、2006年のSSで販売されたもの。自分が初めて<ミナ ペルホネン>の世界観に触れ、衝撃を受けたテキスタイルでもあります。

自分が学生だったころ、なにかのきっかけで出会った一つ年上の女の子。その子がこのテキスタイルの小物を身に着けていたのか、あるいは部屋にポスターか何かを飾っていたんだったか…。

そのあたりの記憶は、ちょっと朧気ですが。

自分よりちょっと早く社会人として働いていたその女の子があまりに素敵だったこと。そして身に着けているものがどれもとても雰囲気よく似合っていてたこと。そういったフィルターを通して見た<ミナ ペルホネン>へのときめき、よーくよーく覚えています。

あと、大学を卒業してしばらく働いていた職場が本屋さんだったのですが、その本屋さんがわりとアートとかデザイン寄りなお店だったこともあり、当時ミナのカタログをシーズンごとに仕入れて販売していたんです。

それを求めにいらっしゃるお客さまの熱量、お問い合わせの多さにとてもびっくりして。

カタログなんだけど、なんというか1冊のアートブックとして捉えているというか…。そのことにも驚きましたが、カタログに載っているお洋服のオーラたるや…!

なんたる世界観。

と圧倒された思い出があります。

…と、自分の話ばかりになってしまいましたが…。

この<oasis>というテキスタイルが生まれた背景と、皆川さんがこのテキスタイルに込めた想い…は、今回の展示で初めて知りました。とても素敵なエピソードでした!

職人さんの言葉に涙

ブランドを支えてきた人たち。それは内部の人ばかりではありません。たとえばレースを作っている工場の、この道60年の職人さん。うち30年を皆川さんと共にお仕事されてきたそうです。

こんなに長く一緒にやっていると「皆川さんがこう考えているなっていうのが、なんとなくわかるんですよね。」「あ・うんの呼吸というか…」とか、

「展示会でお客さんのうれしそうな顔を見ると、涙が出てきちゃってね…」

って、会場で流れていたインタビュー動画でお話しされていて。

雰囲気とかとても柔和なように見えるのですけど、真摯に真面目に、そして厳しくお仕事に向き合ってこられたのだということが、ひしひしと伝わってくる動画でした。

<ミナ ペルホネン>のテキスタイルは、本当に驚くほど繊細で複雑な刺繍も多いですが、それはものづくりのスペシャリストとスペシャリストが、ともに妥協のない仕事をした末に生み出されたんだなあと…。その職人魂みたいなものに、胸がぐっっ。鼻の奥がツーン。としてしまいました。

テキスタイルが作られていく過程がよくわかる展示物もあって、見ごたえありましたよ~!

混雑していたけれど

世田谷美術館は気になる展示が多く、もともと年に数回は訪れるお気に入りの場所ですが……かつてこんなに混んでいたことがあっただろうか…!!というくらいの混雑ぶりでした。

最初に腹ごしらえをしようと館内のカフェに入ろうと思いましたが満席で、展示会場に入る際も入り口に列ができている…。

一瞬「別の日にしようか」とひるんだのですが。おそるおそる会場に入ってみたら…。

あくまで主観ではありますが、なんだか会場内の雰囲気がとても良く見えて。

自分の母くらいの世代の方たちが、「この布をこう仕立てたら…」とか「この刺繍ちょっと見て!すごい」って会話されていたりして。

人が多いぶん、ミナのお洋服を着てきている方もとても多く…(見るだけで幸せ~~な空間!)

来てよかったな、と素直に思った展覧会でした。

会期が明日までと、もっと早くブログを書けたら良かったのですが…。

ちょっとでも雰囲気がお伝えできていれば幸いです。

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