
1月第4週の動員ランキングは、『ズートピア2』が週末3日間で動員30万2600人、興収4億1700万円をあげて8週連続1位。公開から52日間の累計動員は995万7000人、累計興収は135億7200万円。2位は先週に引き続き公開34週目の『国宝』。週末3日間の動員は6万8600人、興収1億1100万円。公開234日間の累計動員は1383万7100人、累計興収は195億5800万円。『ズートピア2』は2020年代に入ってからの洋画最高興収記録となる『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の140.2億円の更新目前、『国宝』は実写日本映画として前人未到の興収200億円超えがいよいよ現実味を帯びてきた。
というわけで、週末興収1億円を超えたのは上記のメガヒット2作のみ。3位に初登場したクリス・プラット主演、ティムール・ベクマンベトフ監督の『MERCY/マーシー AI裁判』の週末3日間の興収は8800万円と、前週4位だった『ウォーフェア 戦地最前線』(先週末は10位)の9700万円を下回る数字。トップ10には前週の4作品を上回る5作品の洋画がランクインしたが、それは閑散期で全体の水準が低いからだ。
1月28日、日本映画製作者連盟は昨年の国内興行収入が2744億5200万円を計上し、コロナ禍前の2019年以来、6年ぶりに歴代最高記録を更新したと発表した。邦画のシェアは75.6%、洋画のシェアは24.4%。2024年の洋画のシェアは24.7%だったので微減。この数字は、1962年以降ではハリウッド大作の公開延期が相次いだコロナ禍を除いて過去最低。2024年まではコロナ禍後のハリウッド同時ストの影響も指摘されてきたが、いよいよ洋画シェア20%台前半というのが日常化したことになる。
ちなみに、2025年の邦画の公開本数は前年から9本増えて694本、洋画の公開本数は前年から106本増えて611本。体感よりも洋画シェアの落ち方が緩やかに思えるのは、1本当たりの数字の低下を、公開本数でカバーしているとも言えそうだ。ちなみに洋画で10億円以上の作品は12本。洋画の興収全体の668億8300万円のうち、その12本が半分以上となる350億4000万円を占めている。
洋画だけの年間ランキングを見て気づかされるのは、年間8位『F1/エフワン』の21.3億円の次が、年間9位『教皇選挙』の11.5億円であること。『F1/エフワン』は主演のブラッド・ピットが来日プロモーションもおこなったハリウッド大作(製作はAppleだが)の成功例。『教皇選挙』は数年に1本レベルの独立系配給による超ロングヒット作。つまり、2010年代まではハリウッド作品の中ヒットとされていたような、10億円台後半の作品がごっそり消えてしまっているのだ。批評家好みの作品ではないものの、先週末3位の『MERCY/マーシー AI裁判』もまさにそんな「ちょっと前のハリウッド映画の中ヒット」が相応しい好作。しかし、現在そういう作品の多くは興収5億の壁も超えることができない。
■公開情報
『MERCY/マーシー AI裁判』
全国公開中
出演:クリス・プラット、レベッカ・ファーガソンほか
監督:ティムール・ベクマンベトフ
製作:チャールズ・ローヴェン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:https://ai-saiban.jp
『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/
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