チームの雰囲気がギスギスしている、メンバー同士の距離が遠い。
そんな悩みを抱えるビジネスパーソンにこそ読んでほしいのが、『ワークハック大全』だ。著者はGoogle・YouTube・Twitter(現X)で働いたブルース・デイズリー氏。世界18カ国で刊行された本書は、科学的根拠に基づいて「チームの幸福と生産性を高める方法」を提示している。本記事では、世界18ヶ国で刊行された本書の内容から、ソーシャルミーティングの有効さを紹介していく。
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雑談のない職場はチームが弱る
効率化の波で、立ち話や雑談の時間が「ムダ」とされる職場が増えている。
しかし、本書はそれこそが危険だと指摘する。
オフィス内で白い目で見られているカジュアルな会話が、職場の生産性に大きな影響を与えていることをデータが実証している(『ワークハック大全』より)
つまり、何気ない会話こそが組織の潤滑油だということだ。著者は、「非公式なコミュニケーションがチームの同期を促す」と述べている。
雑談は“ムダ話”ではなく、“信頼構築の技術”なのだ。
「ティータイム」で生まれる信頼
本書では、Twitter(現X)ロンドン支社の習慣「ティータイム」が紹介されている。
創業者ビズ・ストーンが発案したこのイベントは、週に一度の“全社員の雑談タイム”だ。
ツイッターの創業者ビズ・ストーンは僕にこう説明した。「ティータイムは、僕がグーグルの慣習を真似しようと言ったことがきっかけで始まった」(『ワークハック大全』より)
社員が集まり、軽食をとりながら1週間を振り返る。冗談も飛び交い、上司をからかうこともあるという。
著者はこれを「チームを一つの集団にする仕組み」として高く評価している。
「飲み会」は不平等。誰もが参加できる場を
著者は、伝統的な飲み会文化に対して警告を発している。
勤務時間後に飲みに行くことをコミュニケーション手段として考えることには慎重にならなければならない。(『ワークハック大全』より)
特に子育て中の社員や、アルコールを飲めない人にとっては不公平になりやすい。
だからこそ、「全員が参加できるソーシャルミーティング」が重要なのだ。
ポテトチップス・サーズデー
広告代理店ヤング・アンド・ルビカム社では、毎週木曜の午後に「ポテトチップス・サーズデー」という慣習がある。
オフィスの中央にテーブルを置き、いくつもの味のポテトチップスを並べて社員が集まるイベントだ。
木曜の午後4時半になると人が集まり、軽いスナックをつまみながら近況を話す。
部署の違う社員同士が顔を合わせ、社内の出来事を共有するちょうどよい機会になっている。
話題は仕事の話ばかりではなく、趣味や日常の話も多い。
こうした雑談の場があることで、偶然の出会いや情報交換が生まれる。
さらに、ふだん接点のないメンバー間にも親近感が芽生え、チームの連帯感が強まっていくのだ。
「軽食を囲むだけの時間」が、信頼を育てる装置になる。
昼休みのランチ会や定例ミーティング後の“5分フリートーク”などでも似た効果が期待できるだろう。
著者からのメッセージ
僕はこの10年、幸運にもグーグル、ユーチューブ、ツイッターといった最先端のテクノロジー企業で働くことができた。
現在、管理職として働いているツイッターのロンドン支社では、訪問者が会社の雰囲気をとても気に入ってくれる。職場を改善するためのアドバイスを求められたりもする。僕はそのことを誇りに思う。
ただ、僕が職場のカルチャーという長い間抱いてきたテーマを本格的に探究しようと決意したのは、ツイッターで辛い時期を経験したことがきっかけだ。
当時は、みんな以前のように楽しそうには見えなかった。辞めた人もいた。会社に残った人も、疲れ、意気消沈していた。何より、僕は何が間違っているのか、どう対処すればいいのかがわからなかった。

暗中模索の日々の中で、僕が打開策として辿り着いた方法は、ポッドキャストを始めるという意外なものだった。
番組を録音する際に、職場を改善するために必要なことをよく理解している人たち、たとえば組織心理学の専門家をゲストに呼べると思ったからだ。
驚いたことに、専門家たちが示してくれた答えはとてもシンプルなものばかりだった。
そこで僕は番組の共同制作者であるスー・トッドと共に、これらのアドバイスをもとに、働き方を改善するために誰にでもすぐに実行できる8つの簡単な行動のリストをつくり、「ザ・ニューヨーク・マニフェスト」と名づけて公開した。

反響は凄まじかった。このリストを自分たちの職場に応用する方法を詳しく教えてほしいと、警察や看護師、弁護士、銀行員などのさまざまな職場で働く人たちから問いあわせが相次いだ。
僕はこの経験を通じて、仕事をもっと充実させるために必要な示唆を与えてくれる科学的な研究結果はまったく不足していないということに気づいた。ただ、これらのエビデンスが、みんなが日々働く職場にうまく届いていないだけだ。
だからこの本では、専門家の知恵をとてもシンプルな30の行動にまとめた。誰もが自分で試し、チームミーティングで提案できるものばかりだ。僕が長い間慣れ親しみ、自分自身でも実践してきたものもあるし、自分や周りの人間が身につけてきた悪い習慣を直してくれるものもある。
これまでの職場の常識を覆すものもある。もちろん、どれもとても有効だ。
どんな職種であれ、仕事は僕たちの人生に大きな意味を与えてくれる。仕事が大好きだと公言することに抵抗を覚える人もいるかもしれない。でも、仕事を通じて幸せな人生を送っていると思うことを恥じる理由など、どこにもない。
僕は、この本があなたをもう一度ハッピーにすることを心から願っている。

『Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめたワークハック大全』は、かつてなく情報が氾濫し、スマホの出現でオン・オフの境界線まで曖昧になりつつあるこの時代に適した「超快適に仕事で結果が出せるベスト・メソッド集」です。「最先端のアカデミックな研究」から「世界トップのテクノロジー企業の仕事術」「明日から実行できる簡単なハック技」まで、具体的かつ多岐にわたるメソッドが1冊にまとめられています。
