倉敷出身 守屋荒美雄の業績 書籍に 帝国書院創業など 玉島テレビ八島さん

書籍「守屋荒美雄の生涯」を手にする八島さん

 地図帳や社会科教科書を出版する帝国書院(東京)を創業した守屋荒美雄(すさびお)(1872〜1938年、倉敷市出身)の業績を伝える書籍「守屋荒美雄の生涯」をケーブルテレビ・玉島テレビ放送(同市玉島阿賀崎)の八島和子さん(74)が執筆した。非売品で県立図書館をはじめ、倉敷市立の図書館、公民館で貸し出されている。

 守屋は同市西阿知町西原の農家に生まれ、西之浦高等小学校(現連島西浦小)を卒業後、独学で教員免許を取り市内各地の小学校で教壇に立った。上京して獨逸学協会中学校(現獨協中・高)で教える傍ら地理教科書を自ら手がけ、17年に帝国書院を創業した。

 書籍は、守屋が「当今の地理教科書は鉱物学者・地質学者が作ったもので、無味乾燥」と指摘し、経済や文化にも光を当てて子どもに興味を持ってもらえるよう絵や図表を多用したと記載。倉敷で過ごした幼少期や小学校教員時代のエピソードをはじめ、関東商業学校(現関東第一高)など都内私立校の創設や運営に尽力したと紹介している。

 玉島テレビ放送のエリアには守屋の墓(同市船穂町水江)があり、八島さんは帝国書院から資料を提供してもらうなどして業績をたどる番組を2013年に制作。郷土の偉人にもかかわらず認知度が高くないと感じ、その後も取材を重ねて書籍化した。

 帝国書院刊。四六判160ページ。八島さんが市教委を通じて図書館や公民館、学校などに250冊を寄贈した。「教育者、執筆者、経営者、学校創設者という四つの顔を持っていた守屋。その思いや情熱に触れ、地理に興味を抱く若者が一人でも増えてくれたら」と話している。

(鈴木省吾)

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