アーティゾン美術館(東京・京橋)で「カタリウム」が26年2月7日から開催されます。

タイトルの「カタリウム」とは、「語り」と、空間を表す「リウム (-arium)」でつくったことばで、展覧会は語りの場をテーマとしています。こういう作品をと発案した人がその思いを告げるところや、思索を深める絵かきのアトリエでの独り言。あるいは、作品の仕上がり具合を目にした人々の感想など、作品を前に展開する語りに耳を傾け、その場をイメージしてみようとするものです。

作品は、江戸時代の大名家で制作されたと考えられる屛風や、明治・大正期に神話をテーマにえがいた油彩画と日本画、そして、ベン・シャーンの版画集も。また、因陀羅の《禅機図断簡》や《鳥獣戯画断簡》など、かつて巻物としてひとつの作品だった仲間の断簡も並びます。様々な時代とジャンルによる賑やかな語りの場をお楽しみください。本展は国宝2点、重要文化財7点、重要美術品5点を含む合計約60点で構成されます。

※会期中展示替えを行います。展示期間は美術館公式ウェブサイトにてお知らせいたします。

因陀羅筆、楚石梵琦賛《禅機図断簡 智常禅師図》元時代 14世紀、国宝、静嘉堂文庫美術館 展示期間:4/24-5/7

カタリウム

会場:アーティゾン美術館 4階展示室(東京都中央区京橋1-7-2)

会期:2026年2月7日(土)〜5月24日(日)

開館時間:10:00〜18:00
(3月20日を除く金曜日、5月2日[土]・9日[土]・16日[土]・23日[土]は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで

休館日:2026年2月16日(月)、3月16日(月)、4月13日(月)、5月11日(月)

観覧料(日時指定予約制/2026年1月7日[水]よりウェブ予約開始)
・ウェブ予約チケット:2,100円
・窓口販売チケット:2,500円
※学生:無料(要ウェブ予約、中学生以下はウェブ予約不要)
※空きがあれば当日購入可
※同時開催の「クロード・モネ-風景への問いかけ」展も観覧可

アクセス:JR東京駅(八重洲中央口)、東京メトロ銀座線・京橋駅(6番、7番出口)、東京メトロ銀座 線/東西線/都営浅草線・日本橋駅(B1出口)から徒歩5分

問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

展覧会詳細は、アーティゾン美術館公式サイトまで。

本展の見どころ
1)「やあ、久しぶり!」「お久しゅうございます。」

と作品同士が言い合っているような空間を設けました。《禅機図断簡》、《鳥獣戯画断簡》とそれぞれの作品名につく「断簡」とは、切り取られた一部を意味しています。

つまり、もとは「禅機図巻」、「鳥獣戯画巻」を成していたのです。今回は、分かれて所蔵されているそれらの「一部」が、一緒に並びます。一部なのに国宝であったり、重要文化財であったり、重要美術品であったり、名品の数々です。

《鳥獣戯画断簡(甲巻)》平安時代 12世紀、重要文化財、MIHO MUSEUM 展示期間:3/27-4/23
《鳥獣戯画断簡(甲巻)》平安時代 12世紀、石橋財団アーティゾン美術館 展示期間:3/27-4/23
2)「お初にお目にかかります。」

アーティゾン美術館が開館して5年以上が経ちますが、まだまだお披露目できていない作品があります。今村紫紅が山幸海幸の神話を題材にえがいた屛風や、24枚セットのベン・シャーンのリトグラフなど。中でも徳川時代に天下祭として栄えた日枝神社山王祭の様子をえがく《江戸天下祭図屛風》は、1998年にその存在が明らかとなった謎深き作品です。2026年は神幸祭巡幸の年でもあります。6月の祭に先駆けて、まずは屛風に江戸時代の様子をうかがってみましょう。

今村紫紅《海の幸山の幸屛風》(右隻)、1908年、石橋財団アーティゾン美術館
《江戸天下祭図屛風》(部分)、江戸時代 17世紀、石橋財団アーティゾン美術館 展示期間:4/3-5/24
3)「ただいま。」

重要文化財に指定されている《平治物語絵巻 常盤巻》が、2年にわたる修復を終えて、美術館に戻ってきました。調子が整い、以前よりも鑑賞に適した状態での展示です。16メートルを超える絵巻なので、会期中場面を替えながらの展示となりますが、ドラマティックに展開する物語を、山口晃氏の音声ガイドとともにお楽しみ下さい。

展覧会構成

1.屏風を前に

《洛中洛外図屛風》(左隻)、江戸時代 17世紀、石橋財団アーティゾン美術館 展示期間:2/7-4/2

2.ある時の神話

青木繁《わだつみのいろこの宮》1907年、重要文化財、石橋財団アーティゾン美術館
小杉未醒《山幸彦》1917年、石橋財団アーティゾン美術館

3.一行の詩のために

4.後の世に

《平治物語絵巻 常盤巻》(部分)、鎌倉時代 13世紀、重要文化財、石橋財団アーティゾン美術館 部分展示(場面替えあり)

5.断片が語るもの

《伊勢集断簡 石山切(にさへや)》平安時代 12世紀、重要美術品、石橋財団アーティゾン美術館 展示期間:2/27-3/12
《平治物語絵巻 六波羅合戦巻断簡》鎌倉時代 13世紀、大和文華館 展示期間:2/7-2/26
《平治物語絵巻 六波羅合戦巻断簡》鎌倉時代 13世紀、石橋財団アーティゾン美術館 展示期間:2/7-2/26

「語り」の現場を歩くように、屏風・神話・詩・後世・断片の五章をめぐる本展。断簡の再会、修復を終えた『平治物語絵巻』の帰還、江戸の祭礼図の謎など、さまざまな見どころが用意されています。国宝・重文を含む約60点を、日時指定予約でゆったり鑑賞。同時開催のモネ展とあわせて、冬から初夏へ続く“カタリウム”の時間旅行をどうぞ。(美術展ナビ)

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