JR東海とRolling Stone Japanがお贈りする、「旅」をテーマに、音楽人が語らう新連載「Music Traveler」。本誌インタビューの未公開スペシャルコンテンツが東海道新幹線車内限定で楽しめるというお楽しみ企画。第五回目のゲストは、今年デビュー40周年を迎えた南野陽子。
今年7⽉より全国5都市を廻るコンサートツアー、12⽉よりディナーショーを初開催するなど、幅広い活躍をみせる彼女の思い出深い旅のエピソードや愉しみ方、そして新幹線での過ごし方をきいた。
――東海道新幹線はよく利用しますか?
ありがたいことにあちこちでお仕事をいただけていて、新幹線に乗る機会もすごく多いです。しょっちゅう乗ってます。あと昔、『新幹線物語』というドラマに出てたことがあって、撮影で東京〜新大阪を1日2往復する日もありました。
――それは大変な仕事ですね!
そうなんですよ。お客様にご迷惑をかけちゃいけないし、出演シーン以外で自分が映り込んじゃうといけないので、座席には座らずにずっと立ってなきゃいけないんです。そんな感じで半年くらい撮ってました。
――ということは、これまで利用されてきた駅も多いでしょうね。印象に残っている駅はありますか?
だいたい駆け込み気味で乗ってるから……別に芸能人を気取ってるつもりはないんですけど(笑)、私はあんまり駅構内にとどまることがなくて、時間に合わせてパッと行っちゃうことが多いんです。最近は、チケットを取るのも駅へ向かいながらスマホですぐにできるから、さすがに急に行き先を決めるってことはないけど……うん、どの駅も好き……って、中途半端な答えですよね(笑)。
――いやいや(笑)。じゃあ、駅弁を買うために時間を使うこともあまりないんですか?
駅弁はですね、好みがだいぶ定まってるんですよ。「この駅に行くならあれ!」みたいな感じで、迷わずゲットしてます。
――お気に入りの駅弁って……。
内緒、内緒(笑)。
――ええ〜(笑)。
駅弁ってご褒美感覚というか。今は東京にいても「〇〇フェア」みたいなのがあって、各地の駅弁が選べちゃうじゃないですか。でも、やっぱりその土地に行ってそこで食べるっていうのが特別なんですよね。旅としても成立するし、思い出にも残るし。その土地のものを食べるっていうのが好きなんですよ……でも内緒(笑)。
トレンチコート¥154,000 ブラウス¥36,300 スカート¥39,600全て1月上旬発売予定(MACKINTOSH LONDON/SANYO SHOKAI カスタマーサポート 0120-340-460)、ピアス¥1,760,000 ネックレス¥1,485,000 リング¥1,100,000(MONNICKENDAM/ムラキ 03-3274-1001)、ミニチュアケース¥231,000(GLOBE-TROTTER/グローブ・トロッター銀座 03-6161-1897)
――そもそも、旅はお好きなんですか?
うん、好きですね。移動の時間が好きなんです。都内で現場に向かう車の中でもそうなんですけど、窓の外の景色を見ているといいアイデアが浮かんだりしますし、セリフも、歩きながらとか、車窓を見ながらのほうが覚えやすい気がします。昔から言うじゃないですか、「夜中に書いたラブレターはろくでもない」って(笑)。だから私は、一人きりになるよりも、過ぎていく景色を見ながら、自分も動きながらのほうがいいものができる気がするんです。台本読んだり、原稿書いたり、歌詞書いたり、振り付け考えたり覚えたり――。あとは、ごはんを食べたり、昨日見たテレビの話をみんなでしたりだとか、そういう時間が好きですね。
――では、旅のBGMはありますか?
自分の好きな曲ばっかり入ったプレイリストを持ち歩いていて、スマホでよく聴いています。本当にいろいろ聴くんですよ。クラシック、カンツォーネ、ボサノバも聴きますね。あとは、どっぷり日本のポップスも聴きますし、他の国のポップスやロックも、ありとあらゆるジャンルを気分に合ったタイミングで愉しんでいます。「今日はこれじゃない」って思ったらイントロで飛ばしたりもします。景色が変わるのに合わせて音楽も変わる感じで、そうすると自分をちょっと違う場所に連れてってくれるような気がするんです。何か考えごとがあるときも、ちょっと違う答えが出てくるかもって思いますし、だから、いろいろ忙しいんですよ、耳も、口も、手も(笑)。
――じゃあ、かなり新幹線を満喫されてるんですね。
満喫してます。寝たことないですもん。
――えー!
大好きすぎて、旅の目的地で降りずにそのまま帰ってきてもいいって思うくらい好きです(笑)。
――それは昔から?
昔からですね。特に、アイドル時代は忙しかったので、新幹線に乗ってる時間だけは撮影とか何もしなくていい時間な気がして、ご褒美みたいな感じだったんですよね。今でもすっごく嬉しい(笑)。
カーディガン¥55,000 スカート(1月上旬発売予定)¥47,300(MACKINTOSH LONDON/SANYO SHOKAIカスタマーサポート 0120-340-460)、ピアス¥275,000 ネックレス¥605,000 リング(右手)¥473,000 (左手)¥1,650,000(KASHIKEY BROWN DIAMOND/カシケイ 0120-278-857)
――コンサートで全国を回るときは、観光も楽しみたいタイプですか?
昔は、唯一そこだけがプライベートな時間みたいな感じでした。友達ともなかなか会えないので、ツアーの移動中にちょっと寄り道して、バンドメンバーといろいろ見学に行ったりしました。あとは、その土地の美味しいものを食べたり。やっぱり、そこが楽しみになってきますよね。私の場合、旅の8割は食べ物。それによって旅先を決めてるようなところもあります。
――南野さんは歌手と俳優の両方で活躍されていますが、演技と歌は互いに影響し合うものなんでしょうか。
それは絶対あると思います。意識的にってわけじゃないんですが、歌うときも台本を読むように、「これはどんな女の子がどんな気持ちで歌ってるんだろう……?」って想像しますし、そういうことばかり考えてるわけじゃないんですが、自然と「これはニコニコ笑って歌う歌じゃないな」とか感じますね。
――逆のパターンだといかがでしょう。
お芝居のときには、監督さんのなかには「ワーグナーのように(演技して)」っておっしゃる方がいたりして、「どういうこと!?」って思ったりもしました(笑)。あとは、「もっとスタッカートで」とか。受け取り方は人それぞれなんですけど、私はあんまり深く考えすぎないようにしてますね。でも、そうやって両方の仕事があることで気分転換になるし、毎回違う現場に行くたびに新鮮な気持ちになれるので、リフレッシュしながら仕事できるんですよ。
――では、ご自身の曲を長年歌ってきている中で、曲に対する解釈がリリース当時と変わってきたり、そのことに気づくことはありますか。
もちろんあります。「こんなアクション入ってたっけ?」ってくらい余計な動きが増えてたり、逆に減っていくものもありますね。でも、声が出やすくなったり出にくくなったりで変わるところはありますけど、基本的には、若い頃の歌を歌うときは当時と同じような気持ちで歌いたいなって思ってます。それは歌い方だけじゃなくて、振り付けとかアレンジとかもそうです。みんながその頃の記憶に戻れるように、音もあんまり変えずにやってたりします。
ショートジャケット¥68,200 ブラウス¥35,200 パンツ¥46,200 バッグ¥35,200(MOGA 03-6861-7668)ピアス¥224,400 ネックレス¥352,000 リング¥453,200(NINA RICCI/エスジェイジュエリー 03-3847-9903)
――それは、今年行われたデビュー40周年のツアーでも変わらず?
そうですね。今回はデビュー40周年という節目だったので、普段とはちょっと違う、お祭りのような感覚で捉えていたところもあって。だから、“にわか”って言われるようなファンの方、昔からずっと応援してくださってる方、「高校のときに好きだったけど、最近また戻ってきました」っていう出戻りの方もいらっしゃって。あとは、興味なかったけどファンの方に連れてこられた方とか、当時はまだ生まれてなかったっていう方も。だから、わかりやすい内容が一番いいなと思ったんですよね。たとえば「シングル曲は全部歌いますよ」とか。見た目も、たとえ顔や体型がちょっと変わっていても、衣装は当時と同じように作ったし、アレンジもあの頃の雰囲気そのままにしました。喋ってる内容も高校時代とあんまり変わってないですし(笑)。
――では、ツアーの感想を聞かせてください。
楽しかったですね。改めて「この人たちに支えられてきたんだなぁ」って実感することもできましたし。正直、お客さんはおじさんおばさんばっかり(笑)。もちろん、若い方もいらっしゃるけど。でも、私に40年があったのと同じように、皆さんにも40年があって。すごくしんどかった時間とか、大変だったことも乗り越えてきて今、ここでまた集まってるってすごく素敵だなって思えたし、本当にいい時間でした。
――現在、ディナーショーも開催中ですよね。
はい、すっごく楽しいです。ディナーショーってコンサートとはまたちょっと違ってて、美味しいお食事を召し上がったあとに、着席で歌を楽しんでいただくスタイルなので、みなさんちょっとおしゃれして来てくださって。コンサートよりお値段もするので、絶対に「来てよかった!」って思ってもらえるように、私もいろんなことを詰め込んでます。
――40年を振り返ってみていかがでしょう。
40年って成人式2回分だし、すごい時間なんですよ。その間には、「どうやって乗り越えればいいんだろう」っていうくらい打ちひしがれて途方に暮れた時間もあったと思うし、「こんな予期せぬご褒美があっていいの?」っていううれしい時間もあったと思う。でも、それらは全部過ぎたことだし、私は昔にどっぷり思いを寄せることってあんまりないんです。今はこれからのことを考えていて、もう41周年のほうに意識が向いてる。私、昔からおばさんになるのが楽しみで、全然嫌じゃなかったんです。だって、みんな年を取るんだから、それならちゃんと段階を経て、楽しみながら年を重ねたいなって。だから今、本当にのびのびとさせてもらってます。今年も40周年って言わせてもらってるけど、本当は何年経ったかってあんまり関係ないと思ってるんですよね。
トレンチコート¥154,000 ブラウス¥36,300 スカート¥39,600全て1月上旬発売予定(MACKINTOSH LONDON/SANYO SHOKAI カスタマーサポート 0120-340-460)、ピアス¥1,760,000 リング¥1,100,000(MONNICKENDAM/ムラキ 03-3274-1001)
――では、長年応援を続けているファンの皆さんにメッセージをいただけますか。
私がこうやっていろんなことを自由に話したりできるのも、お芝居や歌を聴いていただけるのも、みなさんがしっかり受け止めてくださるからこそだと思うんです。必ずしも“次”というものがないお仕事をさせていただいている中でこれだけ長く活動を続けてこられたのは、みなさんのおかげだと思ってます。なので、いつも「今度は何をしたら喜んでもらえるかな?」という気持ちでやっているんですけど、これからも年を重ねてきた者同士、ゆったりと楽しみながら一緒に時間を過ごしていけたらと思っています。お仕事とかご家族のこととか、いろいろ大変だと思いますが、ちょっと手が空いたときにふと私のことを思い出して戻ってきていただけたら、きっと楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。これからもよろしくお願いします。
――最後に聞かせてください。2026年はどんなことを予定されてますか。
秘密!(笑)
