宮沢氷魚 映画 佐藤さんと佐藤さん

宮沢氷魚と岸井ゆきのが変容するカップルの15年を繊細に演じる映画『佐藤さんと佐藤さん』は公開中。Photo: ©2025『佐藤さんと佐藤さん』 製作委員会 (Movie Still), Michael Ochs Archives

大学のサークルで出会い結婚したカップルが、就職や子育てを経験するうちに、軋轢を抱えるようになる。『佐藤さんと佐藤さん』は、15年にわたる夫婦の喜びとすれ違いを、宮沢氷魚と岸井ゆきのが繊細に演じる、リアルで心に沁みるマリッジストーリーだ。「僕が演じたタモツは、いろいろなことを胸にため込み、思ったことをすぐ言葉にせず、どう伝えるべきかを自分の中で考え続けて葛藤する人物。だから、その怒りやモヤモヤをどの瞬間に爆発させ、どこまで表現するかを常に意識しながら演じました。言葉にせずとも表情だけで内面を伝える、そんな瞬間を作ることも意識しました」

快活で要領のいい妻に「なんでできないの?」と問われたときにタモツが吐き出す、「なんで、『なんで』ばっかりなんだよ」という台詞が心に残り、役を通しての学びもあったと語る。「できないことにも理由はあるのに、否定され続けると『何もやりたくない』と追い詰められてしまう。夫婦というのはどうしても割り切らなければいけないことがあると思うんです。でも、責め合う前にもう少し本音をさらけ出して、互いに話し合えたら、状況も変わってくるんだろうなと感じました」

31歳になり、自分の人生で積み重ねた経験をようやく役者として表現できるようになり、楽しみが増したと微笑む。「20代では理解も表現も難しかった役柄に、今なら自信を持って挑める。これからも積み重ねてきた経験を信じて、挑戦の幅を広げていきたいです。役との出合いは巡り合わせ。今回も天野(千尋)監督やプロデューサーからのオファーに感謝し、託された役に全力で応えたいと思って演じました」

1 本作のように、恋人たちの出会いや衝突や違いを描いた作品で、特に印象に残っているのは?
夫婦のすれ違い、そしてもともと他人だった者たちが一緒に暮らすなかで喜びを見出そうとする過程に共感したのが、アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが夫婦を演じる『マリッジ・ストーリー』です。また、菅田将暉さんと有村架純さんの『花束みたいな恋をした』も、今作を撮るにあたり参考になりました。

2 子どものころに夢中になった絵本や童話は?はらぺこあおむし 絵本

宮沢が子ども時代に親から読み聞かせてもらったという絵本『はらぺこあおむし』。Photo: 『はらぺこあおむし』 エリック・カール著 もり ひさし訳/偕成社 (Book Cover)

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