ファッションと映画の共通項は、「正解や意味を決めない」こと

この週末は、イタリア・ローマ出張でした。下の記事で紹介する、「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」を創業したブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)さんを描いた映画のプレミア上映会の取材です。

ジャパン社が日本での上映を画策している映画についてどこまで話していいのか若干迷いますが(笑)、映画は、「驚く人もいるだろうな」というのが率直な感想です。私も、「ここまで“さらけ出す”んだ」と少し驚きました。

みなさんは、「ブルネロ クチネリ」というブランドにどんな印象を持っているでしょうか?拠点を置くイタリア・ウンブリア州のソロメオ村を訪れたり、村民の大多数がブランドのために働いているからこそ地域還元の意味を込めてごくごく小さな村に劇場や図書館、壮大な公園などを整備していることをご存知だったりの方は、崇高な理念を持つ、社会的意識の高いブランドだと思っていることでしょう。では、そんなブランドを創業したブルネロ・クチネリという人のイメージは?社会的意義を熱っぽく説いたり、イタリア人らしく陽気に振る舞ったりの姿が発信されがちですから、ともすれば「聖人」のように捉えている人もいるかもしれません。

ところが映画では、「聖人」ではない場面が次々と現れます。学生時代はまぁまぁ遊び呆けた放蕩息子だったし(これは、私も意外でしたw)、地元のバールではカードゲームに興じて時にはイカサマにイカサマで対抗する勝負師で、その顔はいつも穏やかでニコニコしている「聖人」のそれではありません。なぜブルネロ・クチネリさんは、こんな一面を出すことさえ厭わなかったのでしょうか?

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