『ワン・バトル・アフター・アナザー』 写真:Courtesy of Warner Bros.

ロサンゼルス映画批評家協会賞(LAFCA)が2025年の受賞結果を発表し、ポール・トーマス・アンダーソン監督作 『ワン・バトル・アフター・アナザー』が作品賞を受賞した。熾烈な争いの中で次点となったのは、批評家から高い評価を集め続ける 『The Secret Agent(原題)』。同作は英語以外の映画を対象とする外国語映画賞でも受賞し、存在感を示した。

『ワン・バトル・アフター・アナザー』のレオナルド・ディカプリオ 写真:Courtesy of Warner Bros.『ワン・バトル・アフター・アナザー』のレオナルド・ディカプリオ 写真:Courtesy of Warner Bros.『ワン・バトル・アフター・アナザー』 写真:Courtesy of Warner Bros.

『ワン・バトル・アフター・アナザー』は主要部門でも強さを見せた。
監督賞はポール・トーマス・アンダーソンが受賞し、次点はライアン・クーグラー(『罪人たち』)。助演女優賞にはテヤナ・テイラー(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)が選ばれ、作品賞と合わせて計3冠を達成している。

映画『マーティ・シュプリーム』より 写真:A24映画『マーティ・シュプリーム』より 写真:A24映画『マーティ・シュプリーム』より 写真:A24

主演賞は男女を分けないジェンダーニュートラル部門で2名が選出され、イーサン・ホーク(『Blue Moon(原題)』)とローズ・バーン(『If I Had Legs I’d Kick You(原題)』)が並んで受賞した。次点にはティモシー・シャラメ(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』)とワグネル・モウラ(『The Secret Agent(原題)』)が入った。

ステラン・スカルスガルド、エル・ファニング、『センチメンタル・バリュー』より 写真:Courtesy of Neon

演技部門以外でも注目作が並んだ。
『センチメンタル・バリュー』のステラン・スカルスガルド助演男優賞を獲得し、さらに助演女優賞の次点にもインガ・イブスドッテル・リレアスが選ばれており、作品としての完成度の高さがうかがえる。

技術部門では、

アニメーション賞は『Little Amélie or the Character of Rain(原題)』、外国語映画賞は前述の通り『The Secret Agent(原題)』。ドキュメンタリー賞は『My Undesirable Friends: Part I – Last Air in Moscow(原題)』が受賞した。

また、長年映画界に革新的な作品をもたらし続けてきたフィリップ・カウフマンが功労賞に選ばれた。『ライトスタッフ』『存在の耐えられない軽さ』などで知られる名匠のキャリアを、批評家たちが改めてたたえたかたちだ。

LAFCAによる作品賞受賞作は、例年アカデミー賞の作品賞ノミネートにほぼ必ず食い込む傾向があり、『ワン・バトル・アフター・アナザー』はアカデミー賞レースの最有力候補に躍り出たと言っていい。
一方、受賞は逃したものの『The Secret Agent(原題)』『罪人たち』『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』など複数部門で存在感を見せた作品群も、今後の賞レースを左右しそうだ。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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