映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のビフ・タネン役で知られる、俳優のトム・ウィルソンに単独インタビューをおこなった。

40年が経った今もなお愛され続ける同シリーズ。その象徴的キャラクターを演じたトム・ウィルソンは、俳優としてだけでなく、スタンダップコメディアン、画家、ミュージシャンとしても活躍する、マルチな才能を持つ表現者だ。

今回、「東京コミコン2025」で来日したトムに、ハリウッドリポーター・ジャパンは単独インタビューをおこなった。

日本のファンとの交流に対する思い、ジャンルを越えて創作を続ける理由、そして役所広司主演作『パーフェクト・デイズ』について語った印象的なエピソードまで、トムの温かさ、深い芸術観、そしてユーモアがあふれるインタビューとなった。

【動画】『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ビフ役トム・ウィルソンに単独インタビュー!

ーーー今回、「東京コミコン2025」出演し、日本のファンの方達と交流されていかがですか?
トム・ウィルソン:今回で日本に来るのは5回目になりますが、初めて来た時から今日まで、皆さんからの温かい歓迎に本当に感動しています。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』への情熱、そして作品を愛してくださる気持ちに胸を打たれます。40年経った今でも多くの人が映画を愛し、お子さんにも見せてくれていることは本当に美しいことだと感じます。

ーーー俳優だけでなく、スタンダップコメディアン、画家、ミュージシャンとしても活動されていますが、ジャンルを越えて創作を続けるうえで大切にしていることはありますか?
トム・ウィルソン:自分らしく表現することです。アーティストとして若い頃から、自分の中に「何かを作りたい」という衝動があるのを感じていました。自分を表現し、美しいものを生み出したいという気持ちが常にあるんです。

映画や舞台で演じることも大好きですが、それだけでは足りませんでした。もっと作りたい、もっと表現したい。なぜなら、僕はもっと多くのものを見て、感じてしまうからです。だからステージでジョークを言い、絵を描き、写真を撮る。東京ではいつも写真を撮っていますし、今回は写真家の息子も連れてきました。色彩や人々の表情を眺めるのが本当に楽しいんです。

こうした芸術への情熱を、僕はみんなと分かち合いたいと思っています。映画を作ること、美しいものを生み出すこと。もし僕が創作しなかったら気が狂ってしまうかもしれません(笑)。だからこそ伝えたいのです。すべての人の中にアーティストがいると。人は誰でも美しいものを見ますよね。木漏れ日を見て「美しい」と感じ、その話を家族に伝えたりする。それだって立派なアートなんです。美しさを見て、感じて、それを誰かに伝えたいと思う。それがアーティストの本質だからです。

そういう意味で、映画『パーフェクト・デイズ』を観ましたか? 東京で働くとてもシンプルな男の物語ですが、彼は木を眺め、植物を育て、日常の細やかな美しさを楽しんでいる。お金持ちでも有名人でもないけれど、彼はアーティストなんです。日々の中にある美しさを感じ取る力があるから。とても美しい映画です。

トム・ウィルソン 写真:The Hollywood Reporter Japanトム・ウィルソン 写真:The Hollywood Reporter Japan「東京コミコン2025」でインタビュー取材に応じてくれたトム・ウィルソン 写真:The Hollywood Reporter Japan

ーーー最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
トム・ウィルソン:日本のファンの皆さん、そして日本の皆さんへ。家族や友人と訪れるたび、いつも温かく迎えてくださって本当に感謝しています。日本は本当に美しい国です。文化は私たちの国と大きく違いますが、ここに来るたびに“僕たちは同じ心を持っている”と気づかされます。家族への愛、友人を大切に思う気持ち、そして心を動かす映画を愛する気持ち、それは世界共通です。今はクリスマスシーズンで、東京中がツリーや光で輝いていますね。どうか皆さんが素敵なクリスマスを過ごせますように。僕と家族から、心を込めて愛を送ります。

トム・ウィルソン 写真:The Hollywood Reporter Japanトム・ウィルソン 写真:The Hollywood Reporter Japanトム・ウィルソン 写真:The Hollywood Reporter Japan

今でもとっても仲良しの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』キャストたち↓↓

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