公開日時 2025年12月07日 05:00


映画「豹変と沈黙」について語る原義和監督(左)、具志堅正己さん=6日、那覇市の桜坂劇場

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琉球新報朝刊

 那覇市の桜坂劇場で公開されている映画「豹変と沈黙」(原義和監督)の上映後トークが6日、同劇場であり、父とおじ2人が日中戦争に従軍させられた具志堅正己さん(74)が原監督と登壇した。映画は元日本兵らの日記を基に日中戦争から沖縄戦への道をたどるドキュメンタリー。
 映画に上海・東亜同文書院大在学中に日記をつづった具志堅さんのおじ・金城信隆さんが登場する。具志堅さんは「(信隆さんは)最初はアジアの平和を考えたと思うが、皇軍の兵として行動せざるを得なかった」と語る。日中戦争に駆り出されたウチナーンチュについて「中国で加害者となり、沖縄では被害者になる。一人の人間がどちらにもなるのが戦争の実相だ」と強調した。
 その上で「今の日本は戦争になったらどうするか、という議論ばかり。戦争にしないためにどうするかを考えることが重要だ」と話した。
 同映画のトークイベントは7日に仲里効さん(映像批評家)、13日に金平茂紀さん(ジャーナリスト)、14日に川満彰さん(沖縄近代史研究家)が登壇する。詳細は桜坂劇場のホームページで公開している。
 映画は4人の戦中日記から、中国で殺害行為に及んだ兵士らの心情を紹介。その子の世代が父親の体験に向き合う姿を描く。沖縄戦を指揮した第32軍の牛島満司令官、長勇参謀長の沖縄戦以前をたどり、南京事件との関わりも提示する。
(宮城隆尋)

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