韓国が世界に誇る筋肉俳優マ・ドンソクが企画・原案・主演を務めた痛快ホラーアクション映画『悪魔祓い株式会社』がいよいよ12月12日(金)公開。悪魔崇拝カルト集団の台頭により、社会が混乱。この闇勢力に立ち向かうために、警察や聖職者たちまでもが、強靭な肉体と力を持つ社長のバウ(マ・ドンソク)、魅惑のエクソシスト・シャロン(ソヒョン)、情報収集を担うキム(イ・デヴィッド)の3人が悪魔祓いを専門で請け負う「悪魔祓い株式会社」に助けを求め、駆け込む事態に。そんななか、医師のジョンウォンから愛する妹ウンソを助けてほしいという依頼が舞い込む。異常行動を繰り返すウンソを支配するものとは?「悪魔祓い株式会社」の面々は社会の秩序を取り戻せるのか――。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)では襲い来るゾンビたち、『悪人伝』(19)では連続殺人鬼、マーベル映画『エターナルズ』(21)では巨大な怪物、そして「犯罪都市」シリーズでは凶悪犯と、数々の敵を圧倒的な力で倒してきたマ・ドンソクの今度の敵は悪魔!これまでにない強敵をどのようにねじ伏せるのかにも注目したい作品だ。
MOVIE WALKER PRESSでは、本作でのマ・ドンソクの戦いとその魅力を語ってもらうべく、現役のジムトレーナーでもあるお笑いコンビ・かけおちの青木マッチョにインタビューを敢行。お笑い界屈指の筋肉芸人としても活躍する青木だが、実は怖いものが苦手で、なんと本作でホラー映画を初鑑賞!ホラー初心者視点で惹かれたポイントやお笑い芸人として楽しめたシーン、筋肉目線で注目した描写など、様々な切り口で本作の見どころを語ってもらった。
■「パワー系のバウ、ホラー担当のシャロン、コメディを担うキム。3人のバランスが絶妙」
【写真を見る】『悪魔祓い株式会社』のマ・ドンソクの魅力を語る青木マッチョの横にいるのは…!? / 撮影/興梠真穂
ホラー映画が苦手な青木が本作を観ようと思えたのはマ・ドンソクが出ていることが大きな要因だったという。「ホラーやオカルトが苦手で30年避け続けて生きてきました(笑)。でもこの映画はコメディ要素も入っているようだし、なによりマ・ドンソクが出ているので、怖いけれど自分でも観られるかもしれないという期待もあって。ちょっと挑戦のつもりで観てみたら、まあ、おもしろい。ホラーとコメディのバランスがすごく心地よかったです。悪魔祓い株式会社のバウとシャロンとキム、この3人の関係性をすごく楽しめましたし、目を覆ってしまうような怖いシーンもしっかり描かれていました」。
コンビネーション抜群のバウ、シャロン、キム / [c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT & BIG PUNCH PICTURES & NOVA FILM ALLRIGHTS RESERVED.
ちょっとビクビクしながらの鑑賞だったが、映画冒頭から引き込まれたと明かす青木。「悪魔祓い株式会社」へ依頼が舞い込んでくる一幕で、3人の魅力が存分に伝わって来たと振り返る。「あのシーンで3人の能力や役割がしっかりわかりました。笑っちゃうくらい拳を振るうマ・ドンソク(バウ)が気持ちよく感じましたし、アクションがめちゃくちゃ上手でちゃんとカッコイイ!シャロンはエクソシストとしてホラーパートを担っていました。ちょっとビビリで弱々しいキムのキャラクターもいいし、彼とバウとのコミカルな掛け合いもすごく楽しめました。例えば、バウがお茶を用意しろといってお客に出すのかと思えば自分が飲むシーン。ああいったボケ要素というか、コメディ要素が出てくると怖い映画が苦手な人間も安心して入り込める気がします。だけど、ちゃんとホラーとして、アクションとしてのハラハラドキドキもあるから、緊張と緩和という点でもバランスのよさを感じました」。
■「マ・ドンソクにしか出せないスピードと迫力はやっぱりすごい」
“マブリー”のような愛嬌も見せてくれた青木マッチョ / 撮影/興梠真穂
力強いアクションでその魅力を存分に発揮する。それが、青木がマ・ドンソクと聞いて思い浮かべるイメージだという。本作で感じたのは体の大きさ、腕力の強さ、動きのキレに加えて“表情”だったそう。「一見、めっちゃ怖そうなのに、見ようによってはちょっと困ってるのかな?っていう表情の塩梅が絶妙ですよね。あと時々、赤ちゃんみたいに見える時もあって、口元とかめっちゃかわいいですよね。バウが『19歳からこの顔だ』みたいな話を挟んでくるのもおもしろくて、『本当かよ!』って心のなかでツッコミを入れていました(笑)」。
140kgのベンチプレスを持ち上げ、笑顔を見せるマ・ドンソク / [c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT & BIG PUNCH PICTURES & NOVA FILM ALLRIGHTS RESERVED.
マ・ドンソクいわく、今回のアクションのポイントは“パワフルかつスピーディーな動きを駆使すること”。その肉体の魅力を青木がプロ目線でこう解説する。「マ・ドンソクと言えば50センチの腕周り。やっぱり目立ちますよね。腕は一番見える部位で、動きにも直結してくるし、太いのはカッコイイと思います。トレーニングをしている身からすると、50センチはよほどの才能がないと到達できません。僕も50センチを目指して筋トレを18年やっていますが、なかなか到達しません。47センチが5年以上続いています。マ・ドンソクがすごいのは、その50センチの腕が浮かないくらい体が分厚いというところ。僕の体を見てもわかるように、やっぱり腕が目立っちゃうんですよね。マ・ドンソクの場合は、胸板もめっちゃ厚いし、背中も肩もでかい。バランスがすばらしいと思います。ってまたバランスの話ですが(笑)」。と、この映画はいろいろな面でのバランスがいい作品であることを強調した。
腕周り47センチの見事な肉体 / 撮影/興梠真穂
さらに青木が注目したのは、ジムでサンドバッグを殴るシーン。「サンドバッグを殴る拳の重さ、強さは十分すぎるほど伝わってくるのですが、サンドバッグを殴った後に疲れた表情でベンチに座るシーンが気になりました。ベンチプレスに重さは書かれていなかったけれど、トレーニングしている人にはわかるんですよね、あれが何キロなのかと。1枚20キロのプレートが6枚付いていました。バーが20キロなので合計140キロ。普段、140キロを挙げているんだなと目が行きました(笑)」と解説。また青木はかつて出演した映画でアクションシーンに挑戦した経験からも、マ・ドンソクの凄みを語ってくれた。「腕が長くて太くて重たいから、俊敏な動きは難しそうなので、重めの動きにしようとアクション指導の方からアドバイスをもらいました。僕の腕の太さでもすばやい動きはムリなのに、僕より腕の太いマ・ドンソクがスピーディーな動きをしている。マ・ドンソクにしか出せないスピードと迫力はやっぱりすごい」。
悪魔に憑りつかれたウンソを救えるか!? / [c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT & BIG PUNCH PICTURES & NOVA FILM ALLRIGHTS RESERVED.
怖いもの全般が苦手という青木が、もし悪魔に遭遇したら…。どのように祓うかをシミュレーションしてもらった。「強すぎるマ・ドンソクを見て、筋トレを頑張ろうという励みにもなる一方で、自分はまだまだガリガリなんだくらいに思っちゃって。拳では祓える気はしないです(笑)。映画に出てくる悪魔は捕まえられないような動きをしていたので、 誰にも気づかれず近づいて、不意打ちで倒す。これしか勝てる方法が思い浮かびません」。
■「ホラー映画が苦手でも最後まで楽しく観られる」
元消防士で、現在はお笑い芸人の傍らインストラクターとしても活動する青木マッチョ / 撮影/興梠真穂
コメディパートに目を向けると、「だいぶベタだけど…」と前置きしたうえで、バウとキムが部屋に閉じ込められたシーンを挙げる青木。「扉が開かない!出られない!となった時に、マ・ドンソクが扉をガン!とぶん殴って開けようとします。そしたらキムが『あ、自動ドアでした』と、しれっと言うというあのやりとり。めちゃくちゃ最高でした。あのようなお笑いシーンが成立するのも、マ・ドンソクのキャラと見た目があるから成立するのかな。殴ったら本当にぶち破りそうだから違和感がない。絶対ムリそうなことをできそうと思わせてから、キムがオチをつけるのが本当におもしろかったです。シャロンに、雑に扱われている感じもよくて。依頼人の前で『ちょっと白目やって見せろ!』っていう感じとか、笑ってしまいました」とツッコミを入れたくなるシーンをたくさん挙げてくれた。
マ・ドンソク映画史上最大のピンチ到来!? / [c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT & BIG PUNCH PICTURES & NOVA FILM ALLRIGHTS RESERVED.
ホラー映画を1本クリアし、「観られるジャンルが増えた!」と自信につながったとうれしそうに語る青木は「家に帰ってからもどこかに気配を感じて怖い…といったタイプの映画でもないので、ホラー初心者には特におすすめ。僕のようにホラー映画が苦手でも最後まで楽しく観られると思います。映画館で観るなら複数人鑑賞がいいかもしれません。アクションも爽快感があるし、筋肉目線でも楽しめるし、ちゃんと笑わせてもくれるので観たあとにいろいろと盛り上がれるので」とおすすめする。また絶対的安心感のあるマ・ドンソクがピンチになるところも本作の大きな見どころだとし、「マ・ドンソクが強いのは十分わかっているけれど、『あれ?今回はムリなの?倒せないの?』とハラハラもできる。そういう部分も含めて最後まで一気に集中して観ることができたのも、初のホラー映画をクリアできた要因のひとつかもしないです」と、初挑戦の感想を語ってくれた。
「悪魔祓い株式会社」アクリルスタンド/マ・ドンソク(バウ役)はギャガ公式オンラインストアで販売中 / 撮影/興梠真穂
最後に「悪魔祓い株式会社」にもし青木が入社することになったら、どんな役割を担いたいのかも訊いてみた。「マ・ドンソクのトレーナーとなってアシストします。いま、野田クリスタルさんが運営する『クリスタルジム』でもトレーナーをやらせてもらっているので(笑)。筋トレでは限界まで追い込んで(腕が)上がらなくなってからの3回が一番筋肉に効くと言われています。一人では追い込めないところをサポートしたいと思います。僕はさらにデカくなったマ・ドンソクを見たいですね。これまでどんなトレーニングをしてきたのかも興味深いので聞きたいし、それを聞いたうえで食事も含めたサポートをしたいです。シャロンはバウから雑に扱われてかわいそうなので、メンタルのケアを。キムは一緒に飲みに行って仕事の愚痴を聞いてあげたいです!」。
取材・文/タナカシノブ





