スタイリスト・フォトグラファーをはじめ、マルチに活躍する熊谷隆志氏の雑誌smartでの連載『Tokyo Fashion Tribe』。今回のゲストは前回に引き続き、主演映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』が話題の齋藤潤さん。熊谷さんも大好きな作品『カラオケ行こ!』をはじめ、数々の話題作に出演している齋藤さんの演技にかける思いから、高校生らしいプライベートまで今の想いを語っていただきました!

シンプルな着こなしに小物でアクセントをつけて楽しみたい
熊谷隆志(以下、熊谷)「今回は僕のブランド、GDCの服を着ていただきました。プライベートでは、高校生とのことですが、普段おしゃれはどのように楽しんでいますか?
齋藤潤(以下、齋藤)「おしゃれに関しては全然詳しくなくて……。GDCさんの服も今回初めて着させていただきました。普段は無地のモノトーンのTシャツにデニムなどを合わせたシンプルな組み合わせが多いので、キューバシャツのようなアイテムが新鮮でした。とても合わせやすいアイテムなので、日々の着こなしに活躍しそうだなと思いました。あとは、革靴を穿く機会もなかなかなくて」
熊谷「最近はスニーカーやサンダルが人気ですよね」
齋藤「おしゃれになりたいという気持ちはあるのですが……。いつも挑戦しようと思うのですが、結局はシンプルに戻ってしまいます。なので撮影などの機会にいろいろなお洋服に出会えるのは本当に嬉しいです。熊谷さんがファッションに目覚めたのはいつ頃だったのですか?」
熊谷「パリにファッションを勉強しに行ったのが19歳の時でした。だから(今の齋藤さんの年齢と)そんなに変わらないかな」
齋藤「高校を卒業されてすぐ行かれたのですね。僕はまだまだおしゃれには程遠いです」
熊谷「今回撮影してみて、服が似合うなと思いました。なので、GDCを着ていただければ、間違いないと思います(笑)。共演される方やスタッフさんなど周りにもおしゃれな方は多いですよね」
齋藤「とても多いです。独自のスタイルを持っていらっしゃる方もいて、それを見ると一向に定まらない僕はなんなんだろうと思います(笑)」
熊谷「撮影の際に、衣装の雰囲気に合わせて表情を変化させていたのが印象的でした。撮影をするときは何か意識されていたりするのでしょうか?」
齋藤「そんなに意識できていないのですが……。服を着たときに、その服の持っている雰囲気に自分自身が馴染めたらいいなとは思っています。それは撮影に限らず、作品で役を演じるときにも心がけていることなのです」
熊谷「作品では、学生服などを着る機会も多いと思いますが、演技をする中で、衣装や髪型といった外見から作り込んでいくことで役が自分に馴染んでいくという感覚があるということですか?」
齋藤「見た目も大切です。そこから役に繋がっていく部分もあると思います」
熊谷「この冬のファッションで取り入れたいものはありますか?」
齋藤「フワフワ素材のショルダーバッグが欲しいなと思っています。着こなしはシンプルなものが多くなるので、アクセントとか差し色になるような小物を取り入れたいなと思っています。小物だと、アクセサリーなんかも今はまだそんなに種類がないので、少しずつ増やしていけたらいいなと思っています」
お芝居が上手くなるためにさらに解像度を上げていきたい
熊谷「今年も残り少なくなってきましたが、今年中にやっておきたいことは?」
齋藤「国内旅行です。一人旅をしたいです。長野や山梨などのグランピング施設とか、そういう場所に行ってみたいです。自然に包まれながらリフレッシュする時間を作れたらいいなと思います。ただ、まだ車の免許がなくて。もう取得できる年齢ではあるので、来年中には取りに行けたらいいなと思っています」
熊谷「作品の合間などに取り入れているリフレッシュ方法は?」
齋藤「休日は一人で映画館やショッピングモールに行っています。あとは、最近デジタルカメラを購入しました。それでいろいろな場所で初めて見るものなんかを撮影することが自分にとっての息抜きになっていると思います」
熊谷「スマホで撮影するのとはやっぱり感覚が違いますよね?」
齋藤「スマホでも、すごくきれいに撮影できるんですが、カメラは一目惚れして買ったものです。写真だけを撮るお気に入りのカメラで、撮影した景色や人物は自分の記憶の中にも深く残る気がしています。“あのときの自分が見ていた世界”を記録ではなく記憶として思い返せるものなんじゃないかなと思っています」
熊谷「さまざまな作品で注目を集めている齋藤さんですが、僕は『カラオケ行こ!』という作品で齋藤さんを拝見してぜひ、この企画に出演していただきたいなと思ったのですが、演技の魅力はどこにあると思いますか?」
齋藤「役をいただくところから、すでにワクワクが始まっています。お芝居を始めた頃から比べると役への向き合い方は、新たな考え方も加わって少しずつ変化していると思うのですが、それも正解がないので毎回、役と向き合う時間が楽しみの一つでもあって。これからもっと、お芝居も追求していきたいですし、人間らしさという要素も自分の演技に取り入れていきたいです。観てくださった方が、少しでも幸せを感じてくださることが、お芝居の世界の素敵なところかなと思います。もっとお芝居がうまくなりたいですし、解像度を上げていけたらいいなと思っています」
熊谷「今の目標は?」
齋藤「海外の映画祭に行きたいです。あとは、俳優としてだけでなく人として英語をはじめ、いろいろな国の言語を習得して、たくさんの国の方とコミュニケーションを取れたらいいなと思っています。海外はまだ1回だけしか行ったことがないのですが、今後、海外の作品にも出演できたらいいなという気持ちがあります」
熊谷「海外で行ってみたい国はありますか?」
齋藤「アメリカは体感してみたいです。あとは最近、気になっているのはスリランカです。『アナザースカイ』(日本テレビ)でスリランカに行っている方がいて、その中で建築家の(ジェフリー・)バワさんが作ったホテルを観たんです。“建築は風景の一部であるべき”という考えのもとに作られたホテルに一度泊まってみたいなと思っています」
熊谷「これからいろいろなことに出会って体感して、お芝居にも活かしていくんだろうなと思うと今後の活躍がとても楽しみです。これからも応援しています」

Profile/齋藤潤(さいとう・じゅん)
2007年6月11日生まれ。神奈川県出身。 2019年デビュー以降トリリオンゲーム」(23/TBS)、「生理のおじさんとその娘」(23/NHK)、 「9ボーダー」(24/TBS)ほか多数のテレビドラマに出演。映画作品では『カラオケ行こ!』 (24/山下敦弘監督)、映画『室井慎次』二部作(24/本広克行監督)、などに出演し注目を集める。また、第16回TAMA映画賞 『最優秀新進男優賞』、第48回日本アカデミー賞『新人俳優 賞』、第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎新人賞に史上最年少で受賞するなど2024年度だけで計5本の新人賞を獲得。さらに、2025年7月からは連続ドラマ「ちはやふるーめぐり ー」(日本テレビ)に出演し話題をさらった。
公式Instagram:@junsaito_14
Profile/熊谷隆志(くまがい・たかし)
1994年スタイリストとして活動を開始。1998年フォトグラファーとしての活動もスタート。 広告・雑誌等で活動するかたわら、様々なファッションブランドのブランディングやショップ内装、植栽のディレクションなど、幅広い分野で活動。
公式Instagram:@takashikumagai_official

令和一泣けると話題の純愛小説を実写化した映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』が絶賛公開中
【STORY】
桜井萌(當真あみ)は、小さい頃から病弱で学校に通えず、友達もいないまま、毎日ひとり家の中で過ごす日々。そんな彼女の密かな夢は、自分の誕生日に、好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという6月の満月 「ストロベリームーン」を見ることだった。しかし15歳の冬、萌はついに自身の余命が残りわずかであることを宣告される。
原作:芥川なお「ストロベリームーン」(すばる舎)
脚本:岡田惠和
監督:酒井麻衣
出演:當真あみ 齋藤潤 杉野遥亮 中条あやみ 他
配給:松竹
©2025「ストロベリームーン」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/stmoon-movie/
公式SNS:stmoon_movie

Photography&Styling_TAKASHI KUMAGAI
Text_REMI SATO
スタジャン¥119,000/AVIREX×GDC(GDC 代官山店☎️080-4153-2623)、その他スタイリスト私物
