公開日時 2025年12月04日 05:00

沖縄の歴史 学習方法探る シンポ 映像、エンタメに可能性
琉球と沖縄の歴史や文化の継承について議論する(左から)津波信一さん、真喜屋力さん、金城睦さん、金城均さん=11月2日、南風原町立中央公民館

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琉球新報朝刊

 県小中学校歴史教育研究会(屋比久守会長)などは11月2日、「琉球・沖縄の歴史や文化の継承をどうすすめていくか」をテーマにしたシンポジウムを、南風原町立中央公民館で開いた。同研究会が作成を進めているアニメーションと実写を合わせた学習動画を有効活用する方法や、芸能やお笑いなどの手法を学習に取り入れるアイデアなど多彩な意見が上がった。
 シンポには劇団チームスポットジャンブル主宰の津波信一さん、映画監督の真喜屋力さん、沖縄歴史教育研究会事務局で首里高校の金城睦教諭、宮里中学校の金城均校長が登壇。崎原有希さんが進行役を務めた。
 金城教諭は学習指導要領で教科ごとの時間数が決まっている中で、沖縄の歴史や文化を体系的に教えることの課題があると指摘。「次期学習指導要領ではカリキュラムをもっと柔軟化できるという話がある。その中で課題に穴を開けたい。エンタメや笑いの要素を学校現場に取り入れたいとも感じている」と語った。
 金城校長は特に若手の教員らが沖縄の歴史などを伝える難しさを感じている状況があるなどと説明し、「子どもたちはユーチューブなどで動画を見慣れている。今までと違ったアプローチをしないとうまく伝わらないこともある」と強調した。
 津波さんは「百聞は一見にしかずというが、沖縄の歴史を子どもたちに伝える入り口として、映像で視覚に訴えるのは有効だと思う」、真喜屋さんは「学習動画を授業にどう落とし込むかも考える必要がある。実証実験的に数校で取り組み、実績を積んでいくことだ」と主張した。
 屋比久会長は「学習動画を作って終わりではなく、学校現場や社会で広く活用されることが大切。多方面の意見をいただきながら議論を深めたい」と語った。(外間愛也)

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