名優マイケル・キートンが監督・主演・製作の三役を務めた、キャリアの集大成とも言える一作、映画『殺し屋のプロット』。この度、本作の撮影の裏側も垣間見える、特別インタビュー映像が公開された。
本作は、病によって記憶を失いつつある孤高の老ヒットマンが、息子の罪を隠すため人生最期の完全犯罪に挑むネオ・ノワール。『バットマン』や『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などで知られるマイケル・キートンが「惚れ込んだ」という脚本をもとに自ら映画化。共演には”ハリウッドの生ける伝説”アル・パチーノを始め、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クーリクら豪華キャストが集結した。




この度公開された特別インタビュー映像は、マイケル・キートンに加え、ジェームズ・マースデン、スージー・ナカムラらキャスト陣、さらにアカデミー賞10部門にノミネートされた『ブルータリスト』を手掛けた一流プロデューサーであるトレヴァー・マシューズやニック・ゴードンらが登場。作品の魅力から撮影の裏側まで、たっぷりと語っている。

キートンは本作について「ヒットマン映画を撮りたいとは思っていない。これは人間関係の映画なんだ」と強調する。いわゆる殺し屋映画でありながらも、元泥棒の友人ゼイヴィアとの師弟関係、疎遠だった息子マイルズとの親子関係など、複雑に絡み合う人間模様が丁寧に紡がれていくのが本作の大きな魅力だ。また、監督・主演・製作を兼任した苦労についてキートンは「何よりも大きかったのは、役作りよりも、集中力を持続させることだった。役を演じきるために、どうやって自分をコントロールするか、撮影の仕方を工夫したんだ」と明かし、本作ならではの挑戦を語っている。

物語の大きな見どころとなるのは、ノックス(マイケル・キートン)と息子マイルズ(ジェームズ・マースデン)の親子関係。マイルズが「俺は親父とは違う。殺しは素人」と不安を吐露すると、ノックスは「でもない」と冷ややかに返す。このシーンについて、マースデンは「マイルズは父親が殺し屋だと知って、自分の中に父の殺し屋としての影を感じたんだ。だから父親みたいにならないよう必死になったんだと思う」と語り、キャラクターの深い葛藤を明かしている。
一方ノックスは、感情を表に出さない冷静沈着なキャラクターとして描かれる。キートンは、マイルズが殺人を犯してしまったことを告白するシーンでは「怒りがわき上がっているのに、冷静でいなくてはいけない」と語る。またその演技については「俳優としての直観を信じて、“ただそこにあること”に集中したんだ」と述懐。その静かな佇まいが、キートンの積み重ねてきた演技の深みを物語っている。物語が進むにつれ、父と息子の距離感も変化していく。マースデンは「問題はノックスに償いの機会があるのか」と語り、キートン自身も「これは償いの物語」だと明言している。緻密でスリリングな犯罪計画の裏で、殺し屋として生きてきたノックスは、どのような最期を選ぶのか?
映画『殺し屋のプロット』は、2025年12月5日(金)より全国公開。
作品情報

映画『殺し屋のプロット』
2つの博士号を取得し、元陸軍偵察部隊の将校という異色の経歴を持つ“完璧な殺し屋”ジョン・ノックス。ある日突然、急速に記憶を失う病により、数週間のうちにすべてを忘れてしまうという残酷な宣告を受けた彼は、殺し屋としての家業に終止符を打つ決意を固める。しかしそんな矢先、長年絶縁していた息子マイルズが現れ、殺人の罪を隠してほしいと涙ながらに懇願される。刻一刻と記憶が消えていくなか、ノックスは息子のために“人生最期の完全犯罪”に挑む。
監督・製作:マイケル・キートン
出演:マイケル・キートン、ジェームズ・マースデン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アル・パチーノ
配給:キノフィルムズ
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2025年12月5日(金) kino cinéma新宿ほか全国公開
公式サイト kga-movie





