映画「ルックバック」2026年公開
(C)藤本タツキ/集英社 (C)2026 K2Pictures・集英社

藤本タツキによるマンガ「ルックバック」の実写映画化が決定した。是枝裕和が脚本・監督・編集を務め、2026年に公開される。配給はK2 Pictures。

「ルックバック」は2021年に少年ジャンプ+で公開された、ひたむきに漫画家を目指す2人の少女を描く、藤本タツキ渾身の青春物語。公開されると、著名なクリエイター陣をはじめとした数多くの漫画ファンの間で話題を呼び、「このマンガがすごい!2022」オトコ編第1位を獲得。

2024年には劇場アニメ化され大ヒットとなり、世界最大規模のアニメーション映画祭である「アヌシー国際アニメーション映画祭」をはじめ世界各地で上映され、国内外からの高い評価を受けた。

是枝監督も「ルックバック」が紡ぐ、切実な物語に魅了された一人。偶然立ち寄った書店で表紙の“背中”に惹かれて購入し、一気に読んだといい、「きっと藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました。自分にとっては、『誰も知らない』がそんな作品でした」と初めて読んだ感想を語っている。

そんな原作との出会いのあと、本作のプロデューサー・小出大樹より、『ルックバック』の実写映画化のオファーを受け、原作・藤本タツキと対面。その帰り道に、「“やらないわけにはいかない”と覚悟を決めた」という。

また、原作・藤本タツキも、自身が初めて観た是枝監督作品に『海街dairy』を挙げ、細やかな演出を絶賛。「是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです。楽しみにしています!」と全幅の信頼を寄せている。なお、藤本タツキ作品の実写化は、これが初めて。

実写映画では、原作同様に小学生時代からはじまる13年にわたる2人の主人公・藤野、京本の軌跡を、美しい四季とともに、丁寧に描いていく。

すでに作品の撮影は終了しており、現在は編集作業中。撮影は秋田県にかほ市を中心に、地元の方々の協力のもと、豊かな四季を通じて行なわれたとのこと。

映画「ルックバック」2026年公開
(C)藤本タツキ/集英社 (C)2026 K2Pictures・集英社

あわせて、本作の第1弾ビジュアルとなるティザービジュアル2点も公開された。雪深い道を歩く2人の後ろ姿、部屋で机に向き合い漫画を描く2人、ともに劇中の印象的なシーンが映し出されている。

本作では国内外で活躍する写真家・濱田英明が撮影現場に帯同しており、このビジュアルのスチール撮影も担当した。

なお、今作は日本国内のみならず、すでに韓国・台湾での公開も決定している。

脚本・監督・編集/是枝裕和

是枝裕和監督
(C)瀧本幹也

京都からの新幹線の帰り、品川駅の本屋に平積みされていた表紙の「背中」に惹かれて、思わず手に取ったのが、「ルックバック」との出会いでした。

その晩、一気に読みました。

漫画と映画でジャンルは違いますが、同じ作り手として、覚悟が切実に伝わってくる作品で、きっと藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました。

自分にとっては、『誰も知らない』がそんな作品でした。

その出会いのあと、小出プロデューサーから「ルックバック」を実写映画に、という誘いを受け、藤本さんにお会いする機会をいただきました。

まずは、このような作品を世に産み落としていただいたこと、その作品に同時代に出会うことができたことへの感謝をお伝えできればと思っていたのですが、その帰り道、「やらないわけにはいかない」と覚悟を決めたことを覚えています。

撮影は終了し、現在、編集中ではありますが、とても豊かなものが映し出される作品になるのではないかと思います。

原作/藤本タツキ

是枝監督作品で初めて見たのは『海街diary』です。

主人公が新しく住む事になる家の中や、町の食堂の中の家具などがとても生活感があって物語に説得力を持たせるものになっていました。物語に関わらない細かい演技なども、キャラクターが日々、僕達の見えない所で生きていると思わせるもので感動しました。

是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです。楽しみにしています!

企画・プロデューサー/小出大樹

ジャンプ+で公開された日に何度も読み返しました。衝撃でした。すごいものを読んでしまったと思いました。様々な感情とともに、ぼくは、藤野の背中から、なにか強い力をもらった気がしました。

その矢先、藤本タツキさんにご挨拶できる日がありました。藤本さんに読んだ直後の感想を伝えたいと思っていたのですが、ぼくは、間際になって、この漫画を、是枝監督による実写映画にさせていただけないかと伝えたいと思っていることに気がつきました。

是枝監督とは、ぼくが学生の頃に受けていた授業の先生として出会い、教室の席からその背中をみつめていました。『誰も知らない』で、1年をかけて四季をめぐりながら子どもたちの成長を撮影したこと、『海街diary』や『奇跡』で、子役の方に台本を渡さずにセリフを口伝えで演出されたことなど、これまで見聞きした話が思い出されました。なによりも、『誰も知らない』を観た際に抱いた強い感情が呼び起こされ、考えれば考えるほど、この実写映画化に際しては、是枝監督しかいないのではないかと思い、お声がけしました。

是枝監督をはじめ、キャストとスタッフの皆さん、秋田県にかほ市の方々と、四季を通じて、出来うる限り丁寧に撮影してきました。力を尽くして作りますので、楽しみにしていただければと思います。

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