『小言は万国共通』スコット・フライヤー(Scott Frier)撮影© Scott Frier/Nikon Comedy Wildlife Awardsニコン・コメディ・ワイルドライフ・アワードは、野生動物写真の中で最も面白い作品を表彰するコンテストだ。2024年のコンテストの収益は、野生動物保護の慈善団体、ホイットリー自然基金に寄付される。作品には、クマ、カワウソ、アザラシ、シマウマ、ペンギンなど、さまざまな動物がユーモラスなポーズをとっている様子が写し出されている。
毎年恒例、ニコン・コメディ・ワイルドライフ・アワード(Nikon Comedy Wildlife Awards)の季節がやってきた。2025年の受賞者は、12月9日にロンドンで開かれる授賞式で発表される予定だ。
授賞式を前に、2024年の受賞者とファイナリストを振り返ってみよう。

「おかしな動物たち」写真コンテストで受賞した19作品 | Business Insider Japan
2024年は98カ国9000点の応募
写真には、自然の中でユーモラスなポーズをとる動物たちの姿が写しだされており、写真家たちの技術と創意工夫が光っている。
2024年9月には、98カ国から寄せられた9000点の応募作品の中から40点がファイナリストに選ばれた。審査員団は、哺乳類、鳥類、昆虫、爬虫類、水生動物を対象にした各部門で受賞作品を選出し、さらに優秀賞10点と総合優勝作品を選んだ。コンテストのファンたちもお気に入りの写真に投票し、ピープルズ・チョイス賞(People’s Choice Award)が決まった。
この写真コンテストの収益の一部は毎年、環境保全や野生動物保護のリーダーたちに助成金を提供しているイギリスの慈善団体、ホイットリー自然基金(the Whitley Fund for Nature)に寄付される。
それでは早速、2024年の「最も面白い野生動物」の写真を見てみよう。写真家によるキャプションは分かりやすさを考慮して要約・編集している。
ファイナリスト:『しがみついてお出かけ』(撮影:Alexander Fine)
『しがみついてお出かけ』© Alexander Fine/Nikon Comedy Wildlife Awards
「昼寝のあと、母ヒグマは散歩に行きたかったが、子ヒグマたちは“乗せていって”とねだっていた」とファイン氏はコメントしている。
ファイナリスト:『いないいないばあ』(撮影:Alexander Fine)
『いないいないばあ』© Alexander Fine/Nikon Comedy Wildlife Awards
ファイン氏はサンゴ礁の穴から顔をのぞかせる魚、ギンポを撮影した。
ファイナリスト:『こんにちは、世界』(撮影:Alexander Pansier)
『こんにちは、世界』© Alexander Pansier/Nikon Comedy Wildlife Awards
「アリの動きがとても速く、この写真を撮るのは難しかったが、懐中電灯の助けを借りて動きを止め、撮影することができた」とパンシア氏はコメントした。
ファイナリスト:『恋する2人』(撮影:Andrea Rosado)
『恋する2人』© Andrea Rosado/Nikon Comedy Wildlife Awards
ロサド氏は、アラスカ州シトカで抱き合う2頭のクマを撮影した。
ファイナリスト:『イングランド・クリケットの最新秘密兵器』(撮影:Andy Rouse)
『イングランド・クリケットの最新秘密兵器』© Andy Rouse/Nikon Comedy Wildlife Awards
「マダガスカルで“踊るシファカ”を撮影した1枚だ」とラウス氏はコメントしている。
「こちらに向かって走ってくる間、シファカは色々と面白いポーズを見せてくれたが、これが最高だった。まるでイングランド代表に招集されるのに備えて、ボウリングのフォームを練習しているように見えた!」
ファイナリスト:『カワウソのグル』(撮影:Charles Janson)
『カワウソのグル』© Charles Janson/Nikon Comedy Wildlife Awards
「カヤックの縁の上にカメラを不安定に乗せた状態で、この休んでいるラッコのそばをゆっくりと漂いながら、私はじっとしていた」とジャンソン氏はコメントしている。
「ラッコはずっとリラックスしたままで(仰向けに浮かんだままでいることからもそれが分かる)、毛づくろいを続けていた。その穏やかな表情と上向きの前足の様子が、まるで瞑想するグル(導師)のようでした」
ファイナリスト:『お祈り中』(撮影:Christine Haines)
『お祈り中』© Christine Haines/Nikon Comedy Wildlife Awards
「カワウソは前足で食べ物を持つため、お祈りしているように見えるんだ」とヘインズ氏はコメントしている。
ファイナリスト:『また月曜日が来てしまった…』(撮影:Christopher Arnold)
『また月曜日が来てしまった…』© Christopher Arnold/Nikon Comedy Wildlife Awards
「このヌートリアは、カヌーの上からダイレクトに撮影した」と、アーノルド氏はコメントしている。「毛づくろいに夢中になっていた」。
ファイナリスト:『冷たいシャワー』(撮影:Corentin Revel)
『冷たいシャワー』© Corentin Revel/Nikon Comedy Wildlife Awards
「この雌ジカは、木の葉を食べようと後ろ足で立ち上がったが、四つ足に戻った瞬間、枝をぱっと離してしまい、頭から冷たいシャワーを浴びることになった」とレヴェル氏はコメントしている。
ファイナリスト:『フクロウ界のパヴァロッティ』(撮影:Fred Amico)
『フクロウ界のパヴァロッティ』© Fred Amico/Nikon Comedy Wildlife Awards
「この地域はアナホリフクロウの営巣地なので、よく訪れている」とアミコ氏はコメントしている。「この写真をパソコンで見たとき、この小さなフクロウが全身全霊で歌っているようにしか見えなかった」。
ファイナリスト:『ゾウアザラシ・スマイル』(撮影:Gabriel Rojo)
『ゾウアザラシ・スマイル』© Gabriel Rojo/Nikon Comedy Wildlife Awards
「数トンもの巨体を持つゾウアザラシのオスたちは、メスのハーレムを守るために戦う」とロホ氏は書いている。
ファイナリスト:『行くよ!』(撮影:Inés Godínez)
『行くよ!』© Inés Godínez/Nikon Comedy Wildlife Awards
ゴディネス氏の写真は、仲間の1羽がふらつきながら着地しようとするのを見守るオオハシウミガラスの姿をとらえている。
ファイナリスト:『爆笑』(撮影:Ingo Hamann)
『爆笑』© Ingo Hamann/Nikon Comedy Wildlife Awards
「この生まれたばかりのアザラシは、面白いジョークに爆笑しているように見える」とハマン氏はコメントしている。
ファイナリスト:『どこ行くつもり?』(撮影:Jörn Clausen)
『どこ行くつもり?』© Jörn Clausen/Nikon Comedy Wildlife Awards
「この写真は、私がイギリスのファーン諸島を初めて訪れた2015年に撮影したものだ」とクラウゼン氏はコメントしている。
「島はニシツノメドリ、ミツユビカモメ、ヒメウ、ウミガラス、オオハシウミガラスであふれていて、こんなに短時間でこれほど多くの写真を撮ったことは、後にも先にもこの時だけだ」
ファイナリスト:『ツァイゼルの歌』(撮影:Kath Aggiss)
『ツァイゼルの歌』© Kath Aggiss/Nikon Comedy Wildlife Awards
アギス氏は、通称「ツァイゼル」と呼ばれる地リスが、食べ物を見つけたことを家族に知らせている瞬間を撮影した。
ファイナリスト:『スピードスケーター』(撮影:Mark Meth-Cohn)
『スピードスケーター』© Mark Meth-Cohn/Nikon Comedy Wildlife Awards
メス=コーン氏は、日本の羅臼沖の流氷の上に立つオオワシを撮影した。
ファイナリスト:『ヤモリのファッションモデル』(撮影:Michela Bordoli)
『ヤモリのファッションモデル』© Michela Bordoli/Nikon Comedy Wildlife Awards
「ナミブ砂漠の砂地を歩いていたとき、どこからともなくヤモリが突然現れ、まるで笑顔のような表情を見せたのだ」とボルドリ氏はコメントしている。
「そのヤモリは完璧な位置に立ち、ナショナル・ジオグラフィック誌の表紙になってもおかしくないほど完璧に、ポートレートにふさわしいポーズを取った。まるで『撮って! 表紙の撮影の準備は万端よ!』と言っているかのようだった」
ファイナリスト:『おい、ちょっと待て』(撮影:Philippe Ricordel)
『おい、ちょっと待て』© Philippe Ricordel/Nikon Comedy Wildlife Awards
「『始め!』は、柔道の試合で審判が試合開始を告げる際に使う言葉だ」とリコルデル氏はコメントしている。「ここでは、立っているシロクマが審判のような仕草で、ほかの2頭にその言葉を告げているように見える」。
ファイナリスト:『えっと…前にいるのはどっちのシマウマ?』(撮影:Sarosh Lodhi)
『えっと…前にいるのはどっちのシマウマ?』© Sarosh Lodhi/Nikon Comedy Wildlife Awards
「シマウマたちが触れ合ったり、鼻先で寄り添ったり、あるいは争ったりするのではないかと思っていたが、偶然にも彼らがうまい具合に並び、この美しい錯視が生まれた」とロディ氏はコメントしている。
ファイナリスト:『小言は万国共通』(撮影:Scott Frier)
『小言は万国共通』© Scott Frier/Nikon Comedy Wildlife Awards
フライヤー氏は、タンザニアのセレンゲティ国立公園のサファリでこの写真を撮影した。 「この写真をプリントして自宅の壁に飾っているが、見た人はみんな笑ってしまう」とフライヤーはコメントしている。
ファイナリスト:『ブダイは洗ってもらうのが好き』(撮影:Wim Bellemans)
『ブダイは洗ってもらうのが好き』© Wim Bellemans/Nikon Comedy Wildlife Awards
「このブダイが、2匹の魚に体を掃除されているのを見た」とベレマンス氏はコメントしている。その笑顔は、彼がそれを本当に気に入っている証拠だ」。
ファイナリスト:『クールダウンの時間です』(撮影:Zikri Teo)
『クールダウンの時間です』© Zikri Teo/Nikon Comedy Wildlife Awards
「アデリーペンギンの親が、体温を下げるため岩にぺたんと伏せるヒナの上に立っている」とテオ氏はコメントしている。「ペンギンのヒナは断熱性が非常に高く、時に体温が上がりすぎるため、体温を下げようとして足を伸ばして岩の上に寝そべることがある」。
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2024年の受賞作は?
