この度、映像ジャーナリストの伊藤詩織による初長編映画『Black Box Diaries』日本公開版の予告映像が公開された。

本作は、伊藤監督自身が経験した衝撃的な事件を出発点に、沈黙を強いられてきた“ブラックボックス”を自らカメラを回しながら記録した、事件の“その後”を描くドキュメンタリー。社会の沈黙や偏見、そして、自身に圧し掛かってきた圧力と向き合い続けた姿を、本人の視点から捉え、社会の構造に鋭く迫る。

製作には『新聞記者』『月』など社会派作品で知られるスターサンズが参加。2017年の記者会見以降、実に8年にわたる製作を経て完成した。イギリス・アメリカとの国際共同製作として制作され、2024年1月の第41回サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門大審査員賞に正式出品。その後、世界各国の映画祭や賞レースで高い評価を獲得し、第97回アカデミー賞で日本人監督初の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。

この度公開された予告映像は、美しい桜並木の風景とともに、伊藤の語りで幕を開ける。「ただ 真実を伝えたい」という強い思いを胸に、伊藤は自らカメラを回し始め、その言葉には、自身に起きた性暴力被害と向き合う覚悟、そして、それをどうしても伝えなければならないという決意が感じられる。カメラの前で明かされるのは、理不尽な社会構造、“権力”という名の大きな壁、孤独な闘い――緊迫したシーンの数々では、伊藤の表情や語りから、彼女に圧し掛かったものの重さを感じさせる。そして予告映像は、涙しながらも前を向こうとしたその先で、“希望の光”にたどり着いた伊藤の表情で締められている。

映画『Black Box Diaries』は、2025年12月12日(金)より公開。

作品情報

映画『Black Box Diaries』

2015年4月3日、ジャーナリストをめざす伊藤詩織25歳は、ある日突然、思いもよらない性暴力被害を受ける。伊藤は実名を公表し、この事件と立ち向かうことを決意。しかし、そこから伊藤の世界は一変する。性暴力の被害を受けたひとりの女性が、自身に起きた事実を記録しながら、社会の壁を少しずつ打ち壊す。世界が見つめ、社会の心を揺さぶった、ひとりの女性の“沈黙”と戦う旅が、今幕を開ける。

監督:伊藤詩織

配給:スターサンズ、東映エージエンシー

©Star Sands , Cineric Creative , Hanashi Films

2025年12月12日(金) T・ジョイPRINCE品川にて上映

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