掲載日
2025年12月1日
月曜の夜に開催されたファッション・アワードは、各部門の受賞者の顔ぶれから、レッドカーペット上でのH&Mによるステラ・マッカートニーとの新コラボ発表、さらには同じレッドカーペットに「Leather is Destroying the Planet. Wear Your Own Skin(レザーは地球を破壊している。自分の皮を着ろ)」と書かれたプラカードを掲げたPETA支持者2人が乱入する一幕まで、さまざまな側面で強いインパクトを残しました。
ジョナサン・アンダーソンと女優のサンデー・ローズ・キッドマン=アーバン – Photo by @niallhodsonphotography
多くの賞が事前に予告され、レッドカーペットの出来事が見出しを飾った一方で、最大の関心事はトップデザイナーの称号を誰が手にしたかでした。
答えはジョナサン・アンダーソン。彼は今年も「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」というビッグタイトルを手にし、これで3年連続。もはや驚きではないでしょう。何しろ、今年ディオールのクリエイティブ総責任者に就任した彼は、“英国を代表するデザイナー”の座にふさわしいのですから。
サラ・バートンとケイト・ブランシェット – Photo by @niallhodsonphotography
一方、サラ・バートンがブリティッシュ・ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。アレキサンダー・マックイーンで経験を積んだ彼女は、現在ジバンシィのデザインを率いており、順当かつ人気の高い選出となりました。そしてメンズでは、より新しい世代の名が同等のタイトルを獲得。最近エルメスのメンズウェアのデザイントップに就任したグレース・ウェールズ・ボナーが、2年連続でブリティッシュ・メンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーに輝きました。
また、Dilara Fındıkoğlu(ディララ・フンドゥコウル)が、英国ファッションの新潮流を牽引するデザイナーを称えるVanguard Awardを受賞しました。
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたこのイベントは、BAFTAとオスカーに2度ノミネートされた俳優/劇作家/監督のコルマン・ドミンゴが司会を務め、シエナ・ミラー、ケイト・ブランシェット、アナ・ウィンター、FKAツイッグス、シャロン・ストーン、カイリー・ミノーグ、イマン、レイ、デヴィッド・ガンディなど、多数のセレブリティが出席しました。
また、ルル・ケネディとラファエル・ムーアがファッション・イーストへの貢献に対する特別表彰賞を受賞。同タレント・インキュベーターは今年で25周年を迎え、卒業生にはキム・ジョーンズ、シモーネ・ロシャ、ジョナサン・アンダーソン、ロクサンダ、マルティーヌ・ローズ、グレース・ウェールズ・ボナー、クレイグ・グリーン、ネンシ・ドジャカらが名を連ねます。
シエナ・ミラーとグレース・ウェールズ・ボナー – Photo by @niallhodsonphotography
これに合わせて、BFCは今後3年間でFashion Eastへの支援を倍増し、「英国がクリエイティブ・タレントにおいて世界的リーダーであり続けるよう支援する」と発表しました。
あらかじめ受賞が告知されていたのは、ファッション業界への多大な貢献を称える特別表彰賞を受けるLVMHのデルフィーヌ・アルノーで、シャネルにも同賞が贈られました。さらに、ブルネロ・クチネリが優秀業績賞、アノック・ヤイがモデル・オブ・ザ・イヤー、そしてドーバーストリートマーケットの川久保玲、エイドリアン・ジョフィ、ディコン・ボウデンがイザベラ・ブロー賞(ファッションクリエイター部門)を受賞しました。
また、衣装デザイナーのケイト・ホーリーは、ギレルモ・デル・トロ版『フランケンシュタイン』での「卓越した衣装デザイン」が評価され、第1回となるコスチューム・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
さらに、BFCは「Cultural Innovator(文化的イノベーター)」賞の今年の受賞者にリトル・シムズを選出。数々の受賞歴を持つ彼女は、今年サウスバンク・センターのメルトダウン・フェスティバルで史上最年少のキュレーターを務めました。
最後に、故メラニー・ウォードにはファッションへの顕著な貢献賞が追贈されました。影響力あるスタイリスト兼クリエイティブの彼女は、がんとの闘病の末、10月に逝去しました。
