笑顔でキュートなポーズを見せる星名はる(撮影・河野 光希)
Photo By スポニチ

 スポーツニッポン新聞社は12月30、31日に東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット107(コミケ)に初めて出展する。ゲームシリーズ「東方Project」とのコラボグッズなどを出品。スポニチコミケ(南3・4ホール、№2911、企業ブース)の公式コスプレイヤーには、アイドル・コスプレイヤーとして活動する星名はるが就任。星名にコミケ107への思いを聞いた。(聞き手・栗原 彩香)

 ――星名さんの「コミケ歴」を聞かせてください。
 ここ10年…それ以上かな、プライベートでコミケに行き続けていました。ここ2年は自分のサークルスペースをいただいて、写真集などを出していますが、それまではずっとプライベートで行っていました。初めてコミケで着た衣装は、ボーカロイドの初音ミクちゃん。大好きで、わたしの青春なんです。

 ――最初の頃からコスプレ目当てだったんですか。
 メインは自分がコスプレすることです。それと、好きなレイヤーさん(コスプレイヤーを指す略称)や憧れのクリエイターさんに会うことが目的でした。コミケに行き始めた当時からアイドル活動をしていたので、自分を知ってもらう目的もありつつ、好きなキャラクターの衣装を着てコスプレエリアに行って、「初めまして」の方とお話ししたり、撮っていただいたり…を何年も続けていました。

 ――コミケの思い出を聞かせてください。
 初期はただの趣味だったので、母親が一緒に来てくれて。夏のコミケは暑くて、めっちゃ過酷じゃないですか。子供の自分は「楽しい!」で乗り切れましたが、母親はぐったり…。悪いことしたなって思います。でも、母親もアイドル活動をしている「星名はる」をいろんな人に知ってもらえたらという気持ちだったので、ずっと屋外で撮影を見守ってくれました。自分が伸び伸び趣味をできていたのは母親のおかげ。今思うと、母親はコスプレとか同人誌に興味はないはず。なのに、サポートしてくれていたのはありがたすぎます。感謝ですね。あとは、その時に出会ったレイヤーさんなど、仲良くなった方と今もSNSでつながっていたり、好きなアーティストさんとお話できたりと、人とのつながりもたくさん増えました。

 ――アイドル活動とコスプレは並行していたんですね。
 どっちも自分の好きで楽しいこと。どっちが先だったかと言われると、同じくらいに始まって、並行して好きで続けてきました。コスプレの始まりは「ふたりはプリキュア」という初代のプリキュア作品。市販の「なりきりコスチューム」ってありますよね。ああいうのが小さい頃から大好きで。アイドル活動の方はバックダンサーから始まって、お声を掛けていただいて、アイドルグループの「アイロボ」に入れていただきました。

 ――過去に着て、一番気に入っているコスプレは?
 2個いいですか?一つは「HUNTER×HUNTER」のアルカ=ゾルディック。初めて特注で作ってもらったコスプレ衣装です。衣装は割とシンプルなんですけど、髪の毛が凄い特徴的で、クリスマスツリーみたいなんですよ。ウィッグはプロがカットをやってくれるお店でいろいろ教えていただきながら、わたしも「そこをなんとか!」みたいなお願いをして。初めて自分でいっぱいお金をかけて作ってもらった衣装とウィッグで、キャラクター自体もめちゃめちゃ好きなので印象に残る大事なコスプレです。もう一つは「東方Project」のフランドール・スカーレットちゃんで、お金の面でいっぱい頑張った衣装(笑い)。原作に忠実にと、ナイトキャップっぽくとかパジャマっぽくとか衣装製作の方と何度も打ち合わせを重ねながら、生地や丈の長さなどまでめちゃくちゃ時間をかけてこだわりました。こだわりすぎて、リボンの形とジャケットがどうしても定まらなくて、2パターン作ってもらったんですよ(笑い)。あと、こだわりは杖と羽。造形に初めて手を出したということで思い入れが強いです。それまでも市販品を使うことはありましたが、(フランドールの杖と羽は)結構大きいので、市販ではないんですよ。初めてプロの造形師さんに依頼し、自分で絶対作れないものを、時間もお金もかけて作ってもらいました。本当に今までで一番こだわった衣装です。
 
 ――コミケ107で、スポニチは東方Projectとのコラボグッズを出品します。
 東方Projectは最初、音楽が好きになりました。リミックスアレンジされた曲が「東方アレンジ」というジャンルとしていっぱいあって、学校の登下校中に無限に聞くぐらい好きでした。フランドール・スカーレットちゃんの曲「U.N.オーエンは彼女なのか?」が一番好き。好きすぎて自分でリミックスを出すほどです!

 ――スポニチの公式コスプレイヤーとしてコミケ107に登場します。「愉しさ製造業」を掲げるスポニチとのコラボに対する思いを聞かせてください。
 誰もが知っているスポニチさん。初めにお話をいただいた時“凄くうれしい!”が大きかったです。「愉しい、楽しい」ということでは、自分自身が楽しいことをしつつ、自分を見てくださってる方、関わってくださる方に本当に喜んでもらい、楽しく帰ってもらいたいと思っています。イベント、SNS、生配信。全てのコンテンツにおいて、楽しいとかうれしいという思いを絶対届けて、みんなにそういう気持ちで帰ってもらいたいという思いをずっと持って活動してきました。コミックマーケットで企業ブースに立たせていただくことは、本当に大きな夢の一つでした。大きなコラボレーションをさせていただくことが凄くうれしくて、“今までやってきたこと、楽しんでもらおうって思ってやってきたことが間違っていなかった、やってきて良かった!”という気持ちになりました。あと、活動を始めて15、16年になるので、わたしを知ってくださっている方もいっぱいいます。そういう方が「昔応援していた星名はるちゃんっていう子が、スポニチとコラボしてるんだって」と誇らしい気持ちになってもらえるようなイベント、機会になったらいいなと思っています。

 ――星名さんにとってファンとはどんな存在ですか。
 唯一無二というか、一人一人が本当に凄くて。皆さん本当に愛情深くて…本当に私のことを、まるまる愛してくれている方がいっぱいいらっしゃる。それぞれ個性もあって、「ファンの方」と言うと一括りな感じにはなるんですけど、一人一人が本当にかけがえのない存在で“いないと無理です!自分の人生に必要!”と思います。撮影イベントでは“これをやりたい”“こういうシーンで撮りたい”と提案もしてくださいます。それでわたしも“そんなこと言ってくれるんだ、行こう!”と。そういう撮影は、お仕事ではあるんですけど楽しいです。ファンの方がいるから、自分があるという感覚。絶対に幸せでいてほしいと愛おしく思いますし、幸せにしたいです。
 
 ――尊敬する人や、コスプレイヤーとしての将来的なビジョンを教えてください。
 レイヤーさんで憧れているのはシスルさん。あと最近大好きな凸守(でこもり)たかねさん。表現力が凄いです。こうありたいというコスプレの目標としてずっと持っているのは、キャラクターに限りなく近づく…完璧に同じというとおこがましいですが、なるべく近づけて、そのキャラクターの世界観を三次元空間に出すこと。そういう欲があります。自分自身を見てもらったり、かわいく撮ってもらうことはコスプレじゃない撮影イベントでかなえていただいていますが、コスプレということでは自我より、キャラクターになりきるのが一番。とにかくキャラクターに入り込むことを深めていきたいです。プリキュアやハローキティちゃんってキャラクターそのままで、生で見た時に本当に感動するんですよ。憧れている存在が目の前にいると感動しますよね。コスプレで、自分が思っている、そして見ていただく方が思っているキャラクター像を目いっぱい表現して、たくさんの人に楽しんでもらったり、感動してもらいたいというのが大きな目標です。

 ――今後の活動の展望を教えてください。
 コスプレイヤーとしての展望は、もっと多くの方に知っていただくことです。今回のコミケは本当にそれに直結していて、いろんな方に見ていただける機会。たくさんの人に「この企画は面白いな」「コスプレめっちゃいいな」と思ってもらいつつ、自分の活動やコスプレに対するこだわりを見てもらえたら凄くうれしいです。

 ◇星名 はる(ほしな・はる、@hoshinaharu)2002年(平14)1月6日生まれの23歳。現在はコスプレイヤー・撮影会モデルとしても活動の幅を広げ、「星名はるfromアイロボ」としてソロでの歌手活動も行う。来年2月8日に開かれる「星名はる生誕祭2026」は12月12日に予約受付開始。ファンクラブは「星名はるのバックヤード!」(Mi-muse)。趣味はソーシャルゲーム。身長1メートル59。

 ▽東方Project 同人サークル・上海アリス幻樂団が制作する弾幕系シューティングを中心としたゲーム、音楽CD、書籍などの作品群。日本の秘境「幻想郷」を舞台とする。美少女キャラクターが多数登場し、ゲームから派生した二次創作が非常に盛ん。

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