自身のアート作品「富士山プリン」のオブジェと撮影したベッキー(カメラ・頓所 美代子)

 タレントのベッキー(41)が芸能活動だけでなく、アートの才能を開花させ、活動の幅を広げている。12月1日からは、「ずっと夢だった」という個展「クリスマスリリース」(東京・ラフォーレ原宿で28日まで)を開催する。バラエティー女王としての全盛期から、結婚や子育てを経て「気分は新人です! 仕事に燃えている」という“新生ベッキー”が思いを語った。(奥津 友希乃)

 平成のテレビ番組を見て青春時代を過ごした記者は、「ベッキーの瞳の中には、ひまわりが咲いている」というエピソードを度々耳にしてきた。当時、ベッキーがテレビに映る度に目を凝らしたが、自宅のテレビ画面が小さくて分からずじまい。十数年越しの“答え合わせ”をお願いすると「本当なんですよ! 見えます?」とグッと顔を近づけてくれた。瞳孔の周りの虹彩が黄色に輝き、きれいなひまわりが咲いていた。

 インタビュー中も太陽のような明るさの中に、冷静な自己分析が垣間見えた。14歳でデビュー。芸歴27年を数えるが、現在地を「気分は新人」と捉えている。「『またここから積み上げて頑張らせていただくぞ! もう一回、有名になりたい!』というモチベーションでやっているので、ワクワクしかない。こう言うと『気合入っていて引くわ~』って思われそうでちょっと怖いけど…(笑)。いただいたお仕事を全力で楽しみたいです」

 2008年に14社のCMに起用された。一時はテレビレギュラー10本以上を持ち“バラエティー女王”の異名を取った。当時は売れっ子なりの苦悩もあり「当たり前に荷物を持ってくれる人、メイクしてくれる人がいて『かわいい、面白い』と褒められちゃう。こんなところにいたら危険だ!と思った」。あえて大学にも通い、経営学を学んだ。

 「大学時代はレギュラー番組に7本出演しながら、主演ドラマもやって。帰ったら玄関で倒れ込んで、母と妹がお風呂に運んでくれて…睡眠も平均2時間くらいでマックスにハードでした。だけど、つらくはなくて『憧れだったテレビにいっぱい出てるってことじゃん!』と幸せで。大学も授業を最前列で受けて、芸能以外の友達もできて。何とか4年で卒業しました」

 その後、芸能界では向かい風も経験した。転機になったのが私生活での変化だ。

 19年に片岡保幸氏(当時プロ野球・巨人のファーム内野守備走塁コーチ、登録名は片岡治大)と結婚した。「夫は(交際する前から)私に関するスポーツ報知さんのインタビューや掲載いただいた記事を読んで『この子、いいな』って思ってくれたみたいなんです」。本紙が恋のキューピッド?を担っていたという。

 20、21年には出産を経験し、2児の育児に奮闘中だ。「夫は(ジャイアンツU15ジュニアユースで)中学生に野球を教えているので、最新の教育論を海外で勉強もしていて。子どものことを、夫婦で同時に叱らないようにしている。それでも、子ども同士で問題が起きたら『どうする? こういう感じでいく?』と、夫と作戦会議をしてワンチームで乗り越えています」

 家庭内や外出時も「よっぽど特別な時以外は、タブレット端末で遊ばせない。面倒でも五感をフル活用できる遊びをさせる」のがベッキー流。自宅では、アトリエで子どもと絵を描く時間を楽しんでいる。

 「2017年くらいから絵を趣味で始めた。絵は人それぞれの感性や好みがあるけど、批判されることがないし、傷つかない世界だってことを知って。カラフルな絵の具で心赴くままに描いている時間は開放的な気持ちになれて大好きです」

 12月1日からは個展を開催する。入場無料で「クリスマス」をテーマにしたアクリル画などを展示する。

 「ふらっと見に来てくれた人がハッピーな気持ちになってくれたら。アートはアイデアが枯渇することがない。他の方とコラボもしてみたいし、コスメのパッケージデザインとかもやってみたい。挑戦したいことが無限にあります」

 今年はNHK大河「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(横浜流星主演)に出演するなど、女優業にも活動の場を広げる。「上の子が小学生になり、最近は不思議とデビュー当時の気持ちが戻ってきて、仕事に燃えています。バラエティーにお芝居にアートに、欲張りですけど頑張りたい」と意欲を見せた。

 昨今はSNSが普及し、デビュー当時と比べて、自身を取り巻く環境は変化した。この間、結婚や出産、さまざまな経験が心身の成長につながり、物事を客観的に見られるようになった。

 「たま~にエゴサ(ーチ)すると、いろんな意見がある。スルーせず、受け止めすぎず、付き合っています。私、両方の意見に納得できるんです。批判やダメ出しも『ですよね~!』って共感できる。その上で、考えすぎず『了解!』と通過させるようにしています」

 仕事がくるのが当たり前じゃない―。時代や環境が変わろうとも、この考えは一貫して変わらない。

 「仕事が決まるまでの過程を、ちゃんと想像して大事にしようと。『スタッフの方々が会議を重ねて、女性タレントの中から私を選んで呼んでくれるって、めっちゃありがたいじゃん』と感謝して、一生懸命に向き合いたい」

 好奇心と感謝を忘れず、がむしゃらに、ひと花咲かせるつもりだ。

 ◆ベッキー 1984年3月6日、神奈川県生まれ。41歳。父が英国人、母が日本人。98年、テレ東系「おはスタ」で芸能界デビュー。フジ系「笑っていいとも!」、日テレ系「世界の果てまでイッテQ!」などバラエティーを中心に活躍。2008年のタレントCM起用社数ランキングで1位。「ベッキー[おんぷ]♯」名義で歌手活動も。女優としてドラマ「ショムニ」「大病院占拠」などに出演。

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