ホラー映画史に刻まれた名作『悪魔のいけにえ』(74)の日本公開50周年を記念し、『悪魔のいけにえ 4Kデジタルリマスター 公開50周年記念版』が2026年1月9日(金)に公開することが決定した。

【写真を見る】潰れていた暗部のディテールや、テキサスの乾いた日差しも表現【写真を見る】潰れていた暗部のディテールや、テキサスの乾いた日差しも表現[c]MCMLXXIV BY VORTEX,INC.

ホラー映画の最高傑作とされる『悪魔のいけにえ』。1975年に日本でも公開が開始されると、日本の観客はスクリーンに映しだされた生々しい狂気に凍りついた。理屈も情けも通用しない暴力、耳を裂くチェーンソーの絶叫。それは、“恐怖”という感情の原液を、観る者の脳髄に直接叩きつけるような体験だった。旅行中の若者たちがテキサスの片田舎でふと立ち寄った一軒家で出会った殺人鬼一家。本作が商業デビューとなったフーパ―が、世界中の映画ファンに「決して逃れられない絶望」というトラウマを焼きつけることとなった。

公開50周年記念版の4Kリマスターは、2014年の40周年時に、トビー・フーパー監督が監修したバージョンをベースとしている。40周年版の修復は、まずオリジナルの16mmフィルムネガを4Kスキャン。フィルムについた傷や汚れ、ゴミはデジタル技術で丹念に除去され、クリーンな映像が実現した。一方で、本作特有のドキュメンタリータッチを生むザラザラした「粒子感」は、監督の意図を尊重し意図的に残された。50周年記念版では、この4K素材を最新の映像技術でさらにアップグレード。従来は潰れていた暗部のディテールや、テキサスの乾いた日差し、鮮烈な色彩表現を向上させ、音声もオリジナルの意図した恐怖を最大限に引きだした。

予告映像は、不気味な真夏の満月のシーンから始まる。8月の焼けるような暑さのなか、テキサスの片田舎へとワゴン車でドライブ旅行に出かけた若者たち。夕暮れ近くになり、一行は一軒家にふと立ち寄る。恐る恐る扉を開けると、顔にレザーの仮面をつけた“レザーフェイス”の大男が雄叫びを上げながら飛びだしてくる。轟音を上げるチェーンソー、そして逃げ惑う若者。クエンティン・タランティーノ監督は「数少ない完璧な映画の一つ」、スティーブン・スピルバーグ監督は「いま観ても最高に怖い」と絶賛する本作の狂気を味わうことができる予告となっている。

あわせて解禁されたティザービジュアルには、ホラー映画のアイコンともいえる、殺人鬼レザーフェイスと、恐怖に顔をゆがませるサリー、大きく見開かれた目のショット、若者たちの緑色のバン。そして人肉ソーセージや捕らえられた若者の姿など、劇中の衝撃的なシーンが描かれている。Rockin’Jelly Bean(ロッキン・ジェリー・ビーン)による鮮烈な色彩で劇中の衝撃的なアイコンが濃密に描かれたイラストは、2022年に映画ファンから絶大な支持を得るアメリカのMondoとのコラボレーション用に制作されたものを公開50周年記念として特別にリデザイン。数々の話題作を手掛ける大島依提亜のデザインによって、作品への愛と狂気に溢れたビジュアルが完成した。

なお、本日正午からはムビチケ前売券(オンライン)も販売中。50年の時を経て再び人々を恐怖に陥れ、最高に不快にさせる『悪魔のいけにえ』。映画史に名を刻むホラーの原点を、ぜひ劇場で体感してほしい。

文/サンクレイオ翼

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