BSSTO作品にレビューを寄せてくださったことがきっかけで、インタビューをさせていただいた花@王様のねこさん。
平日は仕事、週末に自分へのご褒美で映画館へ通い、趣味で観た映画のファンイラストを描いている、そんな花@王様のねこさんの、シネマチックライフについてインタビューしました。
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琴線に触れた作品は何がなんでも描いて残しておきたい
最初はスケッチブックにアナログで絵を描いていたのを、スマホで指で絵を描き始めるようになり、
2021年にようやく念願のiPadを手に入れてデジタルでイラストを描き始めた、ときっかけを教えてくれた花@王様のねこさん。
「アナログで書いていた時に一番自分で好きなイラストは『ファーザー』です。一枚絵で目を引くことを意識して描きました。」と、作品を見せてくれました。



「デジタルになってからは、『犬王』のイラストを描いた時にたくさんの方がいいねを押してくださって嬉しかったです。読みやすくて映画を見てみたいと思う様なレビューができたらいいなと模索しています。」

絵の勉強は特にしていなかったそうですが、「双子の姉も独学でイラストレーターをしていて、幼少期から一緒に絵を描いていました。姉は努力家で新しいものも果敢に挑戦する開拓者だったので横で技術を盗んでいました(笑)今でもソフトの使い方など分からないことがあると頼りにしています。洋画が好きなので彫りの深い人物の描写が上手くなりたいです。」と話してくれました。
そして、「自分の琴線に触れた作品は何がなんでも描いて残しておきたいと筆がのります。忙しくて描けない作品もたくさんあるので、時間を見つけて描いていきたいです。」と語ります。
映画は週末の夜の自分へのご褒美
平日は仕事を頑張り、映画は週末の夜に自分へのご褒美としてレイトショーで観に行くという花@王様のねこさん。「平日の夜には、配信作品を夫と話しながら視聴しています。居心地の良いソファーで、カフェラテとポップコーンをお供にブランケットを膝上に掛けて観るのが好き」と教えてくれました。
「ホラー映画は日曜日の午前中に観ます。怖過ぎた時には家中のカーテンを開けて浄化します。」
祖母が連れて行ってくれた映画館が映画好きになったきっかけ
映画を観始めたきっかけについて聞いたところ、幼いころは病弱で、家で午後のロードショーを観るのが好きだったと子供時代をふりかえり、「『タクシー』や『レオン』など、放送されるものはほとんど全て視聴していました。ホラーは震えながら見ていました。」と話し、
「祖母の家に泊まりに行くと翌日は映画を観に連れて行ってくれ、映画館が好きになりました。
市内の小さな映画館で、エスカレーターを登るとすぐに劇場の入り口と言う作りの劇場でした。
エスカレーターを登る時には異世界へ通じる道の様にワクワクしていました。
小学生の頃、CLAMP(大川七瀬、いがらし寒月、猫井椿、もこなの4人からなる日本の女性漫画家集団)が好きだったので『CLAMP X 劇場版』に連れて行ってもらいました。
作品はPG指定のあるもので小学生が見るにはグロすぎるアニメで、祖母にひかれないかなと心配していましたが「王ねこちゃんは感性が豊かなんだね」と受け止めてくれて、その後も観たいと言う映画を一緒に観てくれたのが嬉しかったです。」と素敵な思い出を語ってくれました。

[c]2005「スクラップ・ヘブン」パートナーズ
影響を受けたのは、高校生の時に観た李相日監督の『スクラップヘブン』です。地元のシネコンにはよく通っていましたが、この作品は初めて都内で観た単館系の作品とのこと。「こんなに素晴らしい作品が都内では観られるのか!とバイト代やお年玉をかき集めて都内の映画館で映画を観るようになりました。」と話します。
「オダギリジョーさんと加瀬亮さんが好きだったのがきっかけで観に行った作品ですが、李監督についてはまだ知らなかった頃でした。役者さん達の演技はもちろん素晴らしいもので、ラストシーンで加瀬亮さんが爆発物を投げ捨てるシーンがあって、たまたま通りかかったトラックが爆発物を乗せて走り去って行くんです。そのトラックがオダギリジョーさんに思えて涙腺が崩壊してしまって。ああ、役者さんの表情を映すばかりが映画じゃないのか。と多彩な表現を観て心が震えました。」と感動した時のことをを教えてくれました。
「最近ではやはり『国宝』が印象に残っています。李監督の作品です。まさに、歌舞伎者に成っていく様に目が釘付けでした。モノローグを入れなくてもキャラクターの思いが沸々と感じられる役者さんの所作や声色は映画館で観るべき作品だと思います。
山口淳太監督にも注目しています。タイムリープ物の作品が多いのですが、きちんと伏線も回収されて最後は風呂敷をきゅっと束ねる様にスッキリとまとまって「いい映画観たなぁ」とホッと温かい気持ちになれます。
新作を撮っていらっしゃるとXでおっしゃっていたので、早く劇場で観たいです。」
自分の感性に近い監督を見つけると果てしなく作品を観たくなる中毒性があるショートフィルム

ショートフィルムを撮る友達がいるとのことで、これまでもショートフィルムは観たことがあったといいますが、改めて、「監督の個性や癖がぎゅぎゅっと濃縮されているのがショートフィルムの良いところ。自分の感性に近い監督を見つけると果てしなく作品を観たくなる中毒性があるな」とショートの魅力について、感想をいただきました。
BSSTOで配信中の『かわいくなりたくて』を観ての感想もいただきました。
「一昔前だと受け入れられなかった感性が許容される世界になったんだなと感じました。自分を1番身近な家族に受け入れてもらえるかって不安だし、怖い気持ちもあると思うんですが、お姉さんの無言の気遣いが「あなたを受け止めるよ」ってサインに見えてとても素敵なシーンだなと思いました。」
今後、もっといろいろな試写会に参加して、応援イラストを描いてみたいと、たくさんの作品をみせてくれました。ショートフィルムのイラスもぜひ!と楽しみにしています。







