美容クリニック、ショッピング、カフェ巡り……やりたいことが多い韓国旅。だけど、予定がズレたり、待ち時間が長かったりすると、誰かと一緒だとちょっと気をつかうもの。だからこそ今、「一人で楽しむリトリート＝“ひとリート”」スタイルが心地いい。
今回は、韓国在住で“美容ひとリート”を日常的に楽しむ「韓国コスパ美容ちゃん」に、準備のコツからおすすめアプリ、モデルスケジュールまで、初めてでも安心して楽しめる韓国美容旅のヒントをたっぷり教えてもらいました。
『韓国コスパ旅』編集長
韓国コスパ美容ちゃん
韓国在住の日本人アラサー美容オタク。実際に訪れた美容クリニックは20院以上。「韓国美容ひとリート」から始まり、韓国美容医療の効果とコスパの良さに感動して、2022年に移住。現地ならではの視点で、韓国コスメや最新トレンドを紹介するほか、美容旅に役立つ体験レポートが好評。個人アカウントに加えて、Instagramメディア『韓国コスパ旅』の編集長も務める。
「ひとリート」とは……半日～日帰り・１泊２日程度の「一人で楽しむリトリート体験や旅」を表す造語
予定変更も気にしない！韓国美容旅には自由に動ける“ひとリート”が心地いい
——韓国コスパ美容ちゃんが“美容ひとリート”って楽しいかもと思ったきっかけを教えてください！
韓国コスパ美容ちゃん 今は韓国に住んでいるので、旅というよりは日常の延長という感覚に近いんですが、最初はやっぱり「一人で美容リトリートって寂しいかも……？」って少し不安もありました。
でも、美容クリニックって、スムーズに案内される日もあれば、予約していても3時間以上待つこともあって。そういうのって、友達と一緒だとすごく気をつかっちゃうんですよね。「お昼の時間なのにまだ終わらない……ごめんね」って、そわそわしてしまったり。
その点、一人ならスケジュールを柔軟に動かせるし、「肌の調子が気になるから、もうひとつ追加しちゃおうかな」なんて、自分の感覚を優先できる。
施術が終わったあともカフェでのんびりしたり、予定を変えて街をふらっと歩いてみたり、誰にも気をつかわずに自由に動ける。それが本当にラクなんです。
「この自由さこそが、ひとリートの醍醐味だな」って実感してから、“美容ひとリート”にどっぷりハマりました。
もちろん、グルメ旅なら誰かと一緒も楽しいし、「夜だけ集合ね！」みたいに割り切れる関係の友達ならアリ。でも、美容やショッピングがメインの旅なら、やっぱり“ひとリート”が気楽でおすすめです。
「行ってよかった」にするために。韓国美容ひとリート準備はクリニックの予約から
——韓国旅行の準備ってどのくらい前から始めるべきですか？
韓国コスパ美容ちゃん まずは、自分に合いそうな美容クリニックを口コミやSNSのレビューなどでしっかりチェックして、クリニックの予約を優先的に取ることをおすすめします。そのうえで、航空券やホテルなどの旅の手配を進めると、満足度の高い“韓国美容ひとリート”になるはず。
人気のクリニックは、予約が取りにくいこともあるので、できるだけ早めに予定を立てておくと安心。とはいえ、日本のパスポートならビザは不要ですし、最低でも1週間前にクリニックの予約を済ませておけば、そこまで大変な準備は必要ないと思います。
あえて注意点を挙げるなら、「チュソク（秋夕）」と呼ばれる韓国の大型連休は要注意。旧暦で日程が変わる祝日なので、毎年タイミングが異なるんです。9月〜10月に旅行を考えているなら、チュソク期間にかぶっていないかを事前に調べておくと安心ですよ。
——なるほど、予約はクリニックが優先なんですね。ところで、韓国旅行でいつも迷うんですが……空港って、仁川と金浦どっちがいいんでしょう？
韓国コスパ美容ちゃん これは、自分がどんな旅スタイルを重視するかによって選ぶのがベストだと思います。
時間をムダにせず動きたい「タイパ重視派」なら、金浦空港がおすすめ。
ソウル市内へのアクセスがとても良くて、明洞までは約33分、弘大までは約14分とかなりスムーズ。しかも、ロッテモールやロッテマートが直結しているので、帰国前に最後のショッピングも楽しめちゃいます！
一方で、交通費をできるだけ抑えたい「コスパ重視派」なら、仁川空港が便利。
LCC（格安航空会社）の便が多く発着しているので、航空券をお得に手に入れやすいんです。ちょっと時間はかかるけれど、その分浮いたお金で美容施術をもう一つ！なんて選択肢もアリですよね。
——たしかに、どっちにメリットを感じるかで使い分けるのはいいですね。ホテル選びのコツもあれば教えてほしいです！
韓国コスパ美容ちゃん ホテルを選ぶときに考えたいのは「滞在中に何を優先したいか」ということ。
たとえば、美容を中心に楽しみたいなら、優秀で有名なクリニックが多く集まる「江南エリア」がおすすめです。施術の選択肢がとても多く、韓国でも最新の美容トレンドが集まる場所なので、美容好きにはぴったり。
買い物や観光もバランスよく楽しみたいという方には、「明洞エリア」や「鍾路エリア」が便利。ソウル中心部にあるのでアクセスがよく、どこに行くにも移動がしやすいです。
なるべく移動を減らして、エリア内で完結させたい派には、「弘大エリア」も人気。駅近にクリニックやカフェ、ショップが集まっているので、あちこち行かなくても充実した時間が過ごせます。
それからもうひとつ大事なのが、ホテルの安全性。夜の外出や、早朝・深夜の移動がある場合も考えて、24時間フロントにスタッフが常駐しているホテルを選ぶと安心です。とくに女性一人の旅では、「何かあったときにすぐ対応してもらえる環境」があるだけで、心理的な安心感が全然違うと思います。
韓国コスパ美容ちゃん的！韓国旅行でおすすめアプリ&交通系ICカード4選
韓国コスパ美容ちゃん 韓国旅行をもっと快適に、ストレスなく楽しむために、私が“ひとリートの必需品”として手放せないアプリと交通系ICカードがあります。
これさえ知っておけば、道に迷う心配も、お店探しの手間も、言葉の不安もぐっと軽くなるはず！初めての韓国旅でも安心して過ごせる、おすすめの4つをご紹介します。
Tips 1. 地図アプリ「NAVER Maps」
日本だと「Googleマップ」を使う人が多いと思うんですが、韓国では徒歩や車のルート案内が制限されていて、実はあまり使えないんです。そこで私がいつも使っているのが、韓国のナビアプリ「NAVER Maps」。
言語設定で日本語にも対応しているので、韓国語がわからなくても直感的に操作できて安心。現在地の確認はもちろん、地下鉄やバスなどの公共交通ルート検索、タクシー料金の目安チェック、目的地のお気に入り登録機能までついていて、ほとんどGoogleマップと同じ感覚で使えます。
Tips 2. 飲食系アプリ「CATCH TABLE」
韓国では、「CATCH TABLE」という飲食店予約アプリがよく使われています。日本でいう「食べログ」に近い存在で、メニュー・レビュー・空席情報がまとめて見られる便利なアプリ。言語設定で日本語も選べます。
各お店の料理写真も豊富にアップされていて、気になる料理があれば写真を店員さんに見せて注文する、なんて使い方もできますよ。
Tips 3. 翻訳するなら「ChatGPT」
以前は「Papago」という翻訳アプリが定番だったんですが、最近は「ChatGPT」を使っている人が増えていて、現地の方も観光客とのコミュニケーションで使うくらい、浸透してきている印象です。
Papagoも便利ではあるんですが、使ってみるとちょっと直訳っぽかったり、ニュアンスが伝わりにくかったりする場面もあって。その点、ChatGPTは、より自然な文章に整えてくれるので、実際の会話で使いやすいんです。
Tips 4. 交通系ICカード「T-moneyカード」
韓国での移動に欠かせないのが、交通系ICカードの「T-moneyカード」。日本でいう「Suica」や「ICOCA」と同じようなプリペイド式のカードで、地下鉄・バス・タクシーまで、これ一枚でスイスイ移動できちゃいます。
T-moneyカードは、駅の券売機や改札窓口はもちろん、コンビニや空港の案内デスクなどでも簡単に購入可能。しかも、カードタイプだけでなく、人気キャラクターがモチーフになったキーホルダー型など、デザインも豊富！
さらにうれしいのが、T-moneyカードは移動以外にも使えるシーンが多いこと。カフェやコスメショップなどの店舗でも利用可能なので、お財布いらずで過ごせる場面が意外と多いんです。
ちなみに私は、1泊2日の韓国ひとリートなら6万ウォンくらいを目安にチャージしています。
韓国在住アラサー美容オタクの1泊2日モデルスケジュール
【朝】空港で両替して、朝ごはんを食べる
空港に着いたら、まず最初にやっておくと安心なのが「両替」。私の場合、1泊2日の美容ひとリートなら、現金5万円をウォンに換金しています。
正直なところ、カード払いがいちばんラクなんですが、美容クリニックはカード決済だと手数料がかかることが多いんです。なので私は、美容代は現金で支払うことがほとんど。その分、飲食店やショッピングなどはカード払い、電車やコンビニなどのちょっとした支払いはT-moneyカード、というふうに使い分けるのが定番。
そんなお金まわりの準備がひと段落したら、ホテルへ移動して荷物を預けます。早朝着の便でも、ほとんどのホテルでフロントに預かってもらえるので安心。
そのあとは、朝食タイムを楽しむのが“ひとリート”のはじまりの合図。最近は、ギリシャヨーグルトやアサイーボウル、お粥など、体にやさしい韓国モーニングの選択肢も増えていて、どこに行こうか迷うのも楽しい時間。朝のゆったりした空気のなかで、自分を整えるひとときを過ごします。
【昼】予約した美容クリニックへ
朝食でひと息ついたあとは、事前に日本で予約しておいた美容クリニックへ。
美容上級者の中には、施術ごとに複数のクリニックをはしごするスタイルの方もいますが、初心者さんには「一つのクリニックで完結させるスタイル」がおすすめ。あちこち移動するよりも、肌の状態をその場で診てもらいながら、最適なメニューを相談できるので、安心感も満足度も高まります。
そして、施術が終わったら、そのままドラッグストアに立ち寄るのがローカル流の定番コース。お目当ては、「再生クリーム（リカバリークリーム）」。
これは、美容施術後の肌再生をサポートしてくれるクリームで、赤みや乾燥などのダウンタイムを少しでも短くしたい人にはマストアイテム。私も毎回必ず購入していて、寝る前にたっぷり塗っておくと、肌の落ち着きが全然違うなと実感しています。
【夕方】韓国のヘアサロンで頭皮ケアスパ
美容ひとリートをするなら、ぜひ足を運んでみてほしいのが「頭皮ケアスパ」。日本のヘッドスパが「癒しやリラックス」を目的としているのに対して、韓国の頭皮ケアはリラックスだけでなく「治療や予防」の側面もあるのが特徴です。
韓国では、頭皮＝肌と同じように「可視化して管理するもの」という意識が根づいていて、施術前には専用スコープで毛穴の詰まりや皮脂の状態をしっかりチェック。そのうえで、今の頭皮に合ったケアを組み立てていきます。
施術中は、リクライニングできるマッサージチェアに座って、専用機器を使った頭皮洗浄やマッサージをじっくり体験。ウトウトするほど心地いいのに、終わったあとは髪が驚くほどサラサラ＆ふんわり仕上がって、頭まわりのスッキリ感も抜群！
【夜】お一人様OKのごはん屋さんへ
メンテナンスやショッピングをしっかり堪能したあとは、いよいよお待ちかねのディナータイム！……とはいえ、初めてのひとリートだと「どこで食べればいいんだろう」「一人って浮かないかな？」と不安に思う方もいるかもしれません。
私の場合、お店に入る前に“一人ごはん”をしている人がいるかチェックするのがちょっとした習慣。韓国はガラス張りで店内が見えやすいお店が多いので、「あ、他にも一人で食べている人がいるな」と確認しやすいんです。それだけでも、ひとリート初心者さんはちょっと安心できるはず。
そして、夜ごはんのあとはホテルに戻るのもいいけれど、せっかくなら「夜カフェ文化」を楽しむのも韓国旅行の醍醐味。ドリンクはもちろん、アイス、ケーキなど選択肢も豊富。お腹に余裕があれば、テイクアウトしてホテルで「一人夜カフェタイム」を堪能するのもおすすめです。
また、「OLIVE YOUNG」は22時まで営業している店舗が多いため、夜にコスメを買い足しに行くのもいいですよ。気軽に立ち寄れるのも嬉しいポイントです。
部屋の照明を少し落として、静かに過ごすひとときは、旅先とは思えないほど落ち着ける自分だけのご褒美時間。こういう“自由で静かな夜”こそ、ひとリートの醍醐味かもしれません。
ぜひこのモデルコースを参考に、自分のやりたいことを加えてひとリートを楽しんでみてください！
イラスト／kisaki 構成・取材・文／高浦彩加
公開日：2025.11.28
他の人が見てるキーワードはこちら