
“水10”「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」第9話。兄・佳久燿(左)と弟・佳久創の双子がドラマ初共演(C)フジテレビ
Photo By 提供写真
中日などで活躍した元プロ野球投手・郭源治氏(69)を父に持つ俳優の佳久創(かく・そう、35)と双子の兄で元社会人野球選手の佳久耀(かく・よう、35)がドラマ初共演を果たす。創が秘書役でレギュラー出演しているフジテレビ“水10”「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(水曜後10・00)第9話(26日)に、耀もゲスト出演。劇中も双子役で、創は「まさか役者ではない双子の兄と共演できるとは夢にも思わなかったので、とても驚きました」、耀は「弟との共演は初めての経験だったので、とても楽しかったです」と驚きと喜びのコメント。金城綾香プロデューサーに舞台裏を聞いた。
三谷幸喜氏が25年ぶりにゴールデン・プライム帯(午後7~11時)の民放連続ドラマの脚本を担当。1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷氏の青春時代の思い出を題材にした完全オリジナルストーリー。民放GP帯の連ドラ脚本は2000年7月期のフジテレビ木曜劇場「合い言葉は勇気」以来。主演は菅田将暉、共演は二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波らと豪華キャストが顔を揃えた。
菅田は成功を夢見る演劇青年・久部三成役、二階堂はミステリアスなダンサー・倖田リカ役、神木は“三谷青年”をモチーフにした新人放送作家・蓬莱省吾役、浜辺は渋谷にひっそりと佇む八分(はっぷん)神社の巫女・江頭樹里役を演じる。
主人公・久部が“東京一の劇場に”と宣言したWS劇場。創が演じるのは、劇場オーナー・ジェシー才賀(シルビア・グラブ)の秘書兼ドライバー兼用心棒兼愛人?の乱士郎役。支配人・浅野大門(野添義弘)や久部に週120万円の売上を命じ、ハッパをかけるジェシーと強面・乱士郎のコンビ感、来訪シーンが毎回、絶妙なスパイスになっている。
そして第9話には、乱士郎の兄・乱太郎も登場。合成を疑うほどよく似た双子がジェシーに連れられてくる。いつもと異なる来訪は、不穏な事件が起きる前触れだった…。
佳久創は、郭氏の次男。中学3年からラグビーを始め、明大に進学。7人制ラグビー日本選抜メンバーに選出されたが、ケガのためW杯の舞台に立つ夢は叶わなかった。
引退後、興味のあった俳優業に挑戦し、18年にデビュー。ラグビーを題材にした19年7月期のTBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」で連続ドラマ初レギュラー。トキワ自動車のアストロズから日本モータースのサイクロンズに移籍するスクラムハーフ・里村亮太役を好演した。
三谷氏が脚本を執筆した22年のNHK「鎌倉殿の13人」で弁慶役。大河ドラマ初出演を果たした。自身のベスト体重88キロから115キロまで増量。源義経(菅田将暉)に仕える豪傑ぶりを体現した。
23年のNetflix「サンクチュアリ―聖域―」、23~24年のスーパー戦隊シリーズ「王様戦隊キングオージャー」(テレビ朝日)など活躍の場を広げている。
SNSなどで双子2ショットは発信しているが、ドラマ共演は今回が初となった。
当初、WS劇場のオーナーは男性で、シェイクスピアの喜劇「ベニスの商人」の金貸し・シャイロックをもじった名前の登場人物を想定していた。
金城プロデューサーは「シャイロックは借金が返せない時、肉を切り取って返すように迫るキャラクターです。クベに毎週、お金を取り立てるオーナーなので、既に設定は出来上がっていました」。キャスティングを進めていくと、三谷氏から「女性にするのはどうでしょう?」の提案。「ダンサーたちを真に取りまとめているのが男性ではなく、女性だというのはとても面白い設定だと思いましたので、喜んでその変更に乗りました」と明かした。
「女性になったことで、シャイロックの娘・ジェシカから名前を採ったジェシー才賀が生まれました。シルビアさんにお願いしたことで、野添さん演じる大門とのやり取りが生き生きとし、大成功だったと思います。女性になったことで、用心棒であり、愛人でもある屈強な男性を隣に、ということで乱士郎が生まれました」。乱士郎の名前はジェシカの召使・ランスロットをもじった。
起用については「強面だけれど、セクシーで愛人にも見える俳優さんを探していて、三谷さんから佳久さんのお名前が挙がりました」と説明。佳久が双子だと知ったのは、撮影がある程度、進んでから。「俳優部同士でお話しされたそうで、ある日、三谷さんから『知っていました?佳久さんって双子で、とても似ているそうです』とご連絡を頂いて。そこから急きょ、三谷さんが台本を書き換えてくださいました。現場では、お二人があまりにそっくりで、写真を撮る人が続出しました(笑)」。チーム内でも話題になったようだ。
第9話は30分拡大で放送される。
続きを表示



